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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』衣装の色でわかる北条義時の変化

闇の中で浮かび上がる義時の目は枯れ、まるで漆黒の服にそのまま飲み込まれそうな気迫が漂っていました。黒は服の色なのか、それとも彼が纏う空気なのかもわかりません。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』はついに最終回を迎えます。人のよい伊豆の青年だった義時は、多くの武人と会い、様々な歴史に残る戦や陰謀を乗り越え、ついに鎌倉幕府実務の頂点ともいうべき執権となり、そしてその生涯を閉じようとしています。

義時の衣装の「色」に注目するとその性格の変化が見事なまでに一致しており、短い時間で生涯を駆け抜けるドラマを演出しています。『鎌倉殿の13人』をご覧になっている方も、ご覧になったことがない方も主人公の衣装に注目し、その変化を見てみましょう。このコンテンツを見て最終回を見るのもよし、最終回の後に見て、振り返るのも良いと思います。

関東の武士たち坂東武者は、直垂(ひたたれ)という服装を着ています。上半身用と下半身用との2部式になっています。上着と袴(はかま)が基本的には共布で作られています。これに烏帽子という帽子を被っています。この時代の武士たちは頭をそのまま見られることを恥ずかしいと考えていたようで、いつでも烏帽子をかぶっています。

一般的な直垂
烏帽子(「立烏帽子」「折烏帽子」などの種類がある。主に高いと偉い人)

では主人公である北条義時の服装の変化とそのときのエピソードもそして義時の性格がどう変化していったのかをみていきたいと思います。(12月19日追記あり)


・伊豆の小四郎

木賊色/若葉色

1話に登場した北条義時は、伊豆の小さな豪族である北条家の次男坊。若葉色と木賊色に近い色の直垂を着ています。位の低い武士たちは、草木染めの服をきていたので、基本的に薄く少し鈍さのある色になります。草木染めでは発色の良い派手な色はなかなか出ません。義時の服も一般的な草木染めの服であることがうかがえます。

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