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オトナとは何かーデジモン・ラスエボ考2ー

※本記事は、映画「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」についての感想と考察記事となります。個人の感想や考察、ネタバレを多量に含みますので、ご注意ください。また、私は、デジモンアドベンチャー02から入り、映画版(デジモンアドベンチャー tri )は全部見ていますが、設定の記憶違い等があるかもしれません。あらかじめご承知おきくださいますよう、よろしくお願いいたします。

一晩明けましたが、熱が冷めません。さて、今作では「大人になる」ということをどうとらえるのか、というテーマを突き付けられた気がします。とは言え、triの時点で「昔のようには、突っ走れないよな」と太一たちは悩んでいたわけですが、それはあくまでテンションの問題でした。無鉄砲な瞬間湯沸かし器だった昔に比べて、感情をノータイムで表に出せた子ども時代に比べて、少しタイムラグが出た程度です。冬場の車が暖気を要する、そんな程度の話でした。昨日も書きましたが、成長すれば「感情の発露」の前に、「感情の検討」が挟まります。当たり前なのです。

対して、今作では「パートナシップの解消」、いわゆる永遠のさよならが懸かっています。しかし、そんな状態であっても。昔のようにはなれないのですよね。だって、狙って純粋でいたわけじゃないんです。再現なんかできるはずが無いんです。もう、すごく残酷。

そんな「ラスエボ」には、太一とヤマトの飲酒シーンが出てきます。もつ焼き屋でジョッキビールでサシ呑みするシーン。何するにも一緒だったアグモン、ガルルモンは抜きです。個人的には物凄く象徴的なシーンでした。だって、元は子供番組だったわけです。その映画版です。昨今は飲酒や喫煙を描くのだって、憚られるご時世です。なのにビールを飲んでいる。「俺たち、もう大人になったんだぜ?」と言われている気分です。嬉しさと寂しさが混ざった気持ち。そう、これは多分、アグモン達も同じ気持ちを抱いているはずなんですよね。

tri第1章のアグモンのセリフ「太一、でっかくなったなーっ!」は、会えなかった時間の長さを飛び越えるためのセリフでした。対して今作のラストでのアグモンのセリフ「太一、大きくなったね。」は、しみじみとした、パートナーの心身の成長を見られる嬉しさと、もう昔のような関係ではなくなったのが分かっているような寂しさの混じった気持ち。

オトナになりたくない。オトナになると一緒にいられない。これは明らかにピーターパンがモデルでしょう。オトナって何なんでしょう。お酒が飲めること、一人暮らし、夢や職の方向性を定めることでしょうか。妥協でしょうか。選択肢を天秤にかけて選ぶことでしょうか。

皆さんは、オトナになりたいですか?

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