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【絵本日記】ねんまつのあらいぐまにご注意を

あらいぐまは、森でいちばんのきれいずき。
ねんまつに、ぞうきんやほうきを持たせるとさいごだ。

森のあちこちをふきだし、とうみんちゅうのくまの家に行き、ほうきで葉っぱをはいてしまう。

「これも、これも、これもポイ。これもポイ。
あぁ、きれいにしなきゃ!きれいにしなきゃ!」

もう、だれにも、とめられない。

あらいぐまのこどもは、おなかをすかせながら、ほうきをかたてに、おてつだいをする。
あらいぐまのお父さんは、せんたくへたびたつ。

「おかあさん、おなかが、すいたよ……」
あらいぐまのこどもは、ついに泣きだした。
それでも、あらいぐまの手はとまらない。
「キュッキュッ!きれいにしなきゃ。きれいにしなきゃ」

あらいぐまの体から、ほのおがたぎる。
森にながれるつめたい空気は、あらいぐまの周りだけあたたかくなり、そのねっきで、だんをとるどうぶつまでもあらわれる。

「おわったよ!ほら、みんな出ておいで!」

あらいぐまの声をきっかけに、家のなかで息をひそめていたどうぶつたちが、顔を出す。

木々からこぼれる光はキラキラとかがやき、その光にてらされ、どこもかしこもピカピカになっている。

しんせんでおいしい空気が、心にスーッと入ってくる。どうぶつたちは、あらいぐまをギュッとだきしめた。

「きみのおかげで、森がきれいになったよ。
 ありがとう」

あらいぐまも家にもどり、こどもとお父さんといっしょに、おいしいおいしいごはんをたべはじめる。

「いただきます!」

あたらしい いちねんが始まろうとしている。
だけど…………





ねんまつの あらいぐまに、ご注意を。


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