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【絵本日記】ふぐのぷくちゃん、まんぷくぷく

めがさめると、ふぐのぷくちゃんは
おなかがぺこぺこだった。

「おなかすいたよ〜。からっぽだよ」

ぷくちゃんのおなかは、ぺっちゃんこ。
スリムなからだで、海をスイスイとおよぐ。

「あ、あんなところに、まき貝だ!
 いただきまーす!!!」

ぷくちゃんはまき貝を5個、たべた。
おなかは、すこしだけおおきくなった。

おひるになり、おひさまが海のあたまの
てっぺんにのぼった。
ポカポカ陽気につつまれながら、
プカプカとうかぶ、ぷくちゃんは、
すこしだけおなかがすいていることに気づいた。

「なんだか、おなかがすいてきたな。
  ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ。
  なにか、たべようかな」

ぷくちゃんは、サンゴを7個たべた。
おなかは、さっきよりもおおきくふくれた。

「おなかが、おもたいや。
  ちょっと、たべすぎちゃったかな」

ぷくちゃんは、ひとやすみ。
ぷくぷくふくらんだおなかで、海をただよう。

ゆうがたになり、おひさまが少しずつ、
ねむりにつきはじめた。

「あれ?もうおひさまが、いなくなっちゃう。
  たいへん。おやつをたべなきゃ」

ぷくちゃんは、そこらじゅうのかいそうを
たらふくたべた。
かいそうは、あたりいちめん、なくなった。
ぷくちゃんのおなかは、ぽんぽこりんにふくれあがった。

「うぅ……。なかなか、まえにすすめないなぁ」

ぷくちゃんのおなかは、うきわのように
からだをプクーっとうかびあがらせる。
おもうように、まえにすすめないぷくちゃん。

ようやくおうちにかえると、おかあさんが、
おいしいおいしい、ごはんのにおいといっしょにまってくれていた。

「ぷくちゃん、おかえり。
 そんなにおなかをふくらませちゃって。
 あらまぁ。あらまぁ。
 ごはんは、たべれるの?」

「うーん。たべれるよ!」

ぷくちゃんは、おかあさんのごはんを、
ぜんぶ、ぜーんぶたべちゃった。
おなかは、いまにもはりさけそうな、
ふうせんのよう。

「たべすぎちゃった。
 なんだか、きもちわるいや」

ぷくちゃんは、めをつぶり、あかあさんのほっぺにくっつけた。

「ぷくちゃん、ゆっくりおやすみ」
「もぅ、二度とこんなにたべないの」
「そうかい、そうかい」
「ほんとだもん。
 こんなにきもちわるいだなんて。
 ごはんなんて、だいきらい。
 二度とたべない!」
「わかった、わかった。ゆっくりおやすみ」


ぷくちゃんは、夢のなかで、
だいすきなまき貝にかこまれて、
おどるゆめをみた。

「ランラン、ランラン♬」

ステップをふみ、クルクルとからだをまわす。
まき貝も、ぷくちゃんのリズムにあわせて、
いっしょにおどりだす。
おどっていると、なんだかおなかがすいてきた。


めがさめると、ぷくちゃんはおなかがぺこぺこだった。

「おなかすいたよ〜。からっぽだよ」

ぷくちゃんのおなかは、ぺっちゃんこ。
スリムなからだで、海をスイスイとおよぎにでかけた。

おかあさんは、そんなぷくちゃんの姿をみて、
くすりとわらった。

「まぁまぁ。
 きのうの、ぷくちゃんはどこへやら。
 さて、さて。
 おいしいごはんをつくってまってあげようね」


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