何かと話題だが、ちゃんと面白い『リトル・マーメイド』(2023年)感想
★4/5(劇場にて鑑賞)
面白いです
映画として十分面白いです。気合の入った歌はもちろんのこと、海中と見紛うほどの映像美や分かりやすいストーリーなど、とても楽しめました。私はそこまで『リトル・マーメイド』に思い入れがありません。本作を観に行ったきっかけも、ある意味話題作だから観てみたいなという邪な気持ちありきのものでした。それがどうでしょう。なかなか面白いではありませんか。
劇場鑑賞がおすすめ
まず海中の描写です。恐ろしくリアルでビビりました。生物の質感や海中の奥行など半端ないです。暑いこの時期に観ると涼を感じます。ただし、再現度が高過ぎてセバスチャンはマジのカニと化しています笑。慣れるまでやや時間がかかりました。サメの襲撃シーンも、並みのサメ映画以上に怖いです。これ本当にディズニー映画なのか?ナショジオ?笑
また、歌も良かったです。歌自体が良かったのもそうですが、ミュージカル風の自然な入りで無理が無く、シーンの雰囲気を盛り上げる役割を存分に発揮してくれていました。個人的には、「Kiss the girl」のシーンが特に良かったと思います。セバスチャンやスカットルのコミカルな盛り上げ方だとか、エリック王子(ジョナ・ハウアー=キング)のどこか垢抜けない雰囲気だとか、アリエル(ハル・ベイリー)が名前を教えるくだりだとか、総じて観ていて気持ちのいいシーンに感じました。
これらを最大限に引き出すのは、劇場以外ないと思います。劇場で観てよかったです。
エリック王子やトリトンなど
私の記憶では、エリック王子ってもっとハンサムで、正に白馬の王子様って感じだったと思います。しかしながら、本作ではお坊ちゃまな優男って感じであまり王子様感がありません。だが、これでいい!観ていて応援したくなります。市場の噴水広場で皆と踊るシーンにて、屈託のない笑顔が素敵でした。
他、何だかんだアリエルの為に世話を焼いてくれるセバスチャン、娘を誰よりも愛するトリトン(ハビエル・バルデム)など、主要キャラクターも良かったです。特にアリエルの門出にトリトンが言葉をかけるシーンは、グッときました。「(アリエルを人間にしてしまったら)問題が一つある。私が寂しくなるだろう」的な台詞の時点で既に胸が熱くなりました。
アリエルの配役について
避けては通れない話題の為、ここで触れたいと思います。
そもそも私は、映画として「面白い」ことが重要だと思います。逆に、意味深な気取った映画は苦手です。そのため、本作も「面白かったな」という感想でおしまいです。劇場で鑑賞し終えた今、素直により多くの人に本作を楽しんでほしいと思っています。
しかしながら、矛盾して申し訳ないのですが、不満の声があるのもよく理解できます。なぜなら、原作(89年公開のアニメ版)とあまりに異なるからです。私が原作のファンなら、観に行かなかったかもしれません。この点につき、youtubeのとあるコメントが的確だと思いました。「もし『アラジン』を白人で実写化したら変だろ」と。そういうことです。
以上
※なお、私の書く全ての記事は個人の感想であり、いかなる差別も支持しておりません。
一言
疾風ザブングル
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