変化

 前回の試合で得た体験は何かを変えた。ガンダム世代なら、ニュータイプと出会った時みたいな感じとしか形容し難い。言葉ではうまくあらわせない。

 試合の展開がどういうわけか頭に入るようになり、動きがスムーズになったところで6年生が抜けた。5年生は本当に初心者しかおらず、なかなかチームの形ができるのに苦労しそうだった。
 そんな中で新しい感覚が目覚めた。私は体のことを知るのも重要だと思っていたため図鑑や本などを図書館で借りて読むことにした。一通り読み終えた頃には体のつながりが意識てまきるようになった。ただ、このつながりは本には書いてなかった。自分だけの感覚なのかは比較をしたことがないためわからない。

 急に変わったということはないのだが、徐々にドリブルをしてボールを失うことがなくなっていった。溜めるだけではなくかわしていけるようになった。これも何と表現すれば良いのか分からないが、スローモーションが始まり、隙間を抜けていくような感覚だった。そして後ろから追い越していく味方の息遣いや死角からやってくる相手DFの足音までが伝わってくるのだった。
 練習試合をするたびに負けたがほぼ毎試合で中央突破ができるようになり、1人で点を取ることが日常になってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?