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「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」~2019 J1 リーグ第33節 vs 浦和レッズ~【プレビュー】

皆さんこんにちは、太古の森と漆黒の獣です。


いよいよリーグ戦も残り2試合、ホーム最終戦になります。
相手は「天敵」浦和レッズ、優勝の為に乗り越えねばならない大きな壁が立ちはだかります。
今回はこの大一番に気持ちが前向きになるようなプレビューになれば良いなと書いていきたいと思います。

具体的な戦術レビューはこちら↓



展望キャスはこちら↓



それではプレビューいってみましょう!!


■ここまでの成績&現況 ~好対照~

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【東京】
・前節で2位後退も残り2試合を連勝で自力優勝可能
・逆に東京が敗戦、横浜勝利で横浜の優勝が決まってしまう
・引き分け以上で歴代最多勝ち点更新、更に来期ACL出場権獲得
・前々節で負傷した渡辺は問題無し、スタメン
・累積リーチは変わらずディエゴ、三田、室屋、オジェソクと4名
【浦和】
・ACL決勝ではアル・ヒラルに敗北、準優勝
・但し、過密日程からは解放された
・リーグ戦はここ5戦で1勝1分3敗、直近4試合勝ち無し
・自動降格は回避、16位湘南とは勝ち点差4と入れ替え戦の可能性はあり
・怪我人は上記以外に西川が左手小指剥離骨折、槙野が虫垂炎との情報がある

東京は前節久々のホームゲームに湘南を迎えた、堅さや疲労もあり、厳しいゲーム内容で敗北寸前まで追い詰められたが、森重のゴラッソで辛うじて引き分けに持ち込んだ。
決して褒められる内容や結果では無かったものの、最後の最後に追いついたというのは重圧から解き放たれたという面に関してはポジティブに捉える事ができ、残り試合を勝てば優勝という目標も変わらないのでムード自体は悪くない。
更にこのタイミングのホーム最終戦で浦和というのは士気が高まる要因でもある、優勝への「前哨戦」という意味ではこれ以上無い相手だ。
湘南戦を糧に、けが人も戻ってきて良い雰囲気でホーム最終戦に臨める東京である。

翻って浦和だが、先週のACL決勝第2戦でアル・ヒラルに敗北。
ある意味今シーズンの全てをかけてきた3度目のアジア制覇に失敗した。(そもそも決勝まで辿り着いたのが凄いのだが…)
過密日程で疲労が溜まる中、主力選手を怪我で欠く、あるいは怪我をおしての出場で辿り着いた決勝で内容的にも完敗したダメージは大きく、気持ちの切り替えは容易では無いだろう。
しかもリーグ戦は(ほぼ他力だが)自動降格圏こそ回避したものの、16位湘南との勝ち点差は4、浦和が連敗し、湘南が連勝した場合は入れ替え戦に回る事になる。
逆に言えばここで得意の東京というのは本来であれば助かる展開だと言えるはずなのだが、それで楽観出来ない程にチーム状態が深刻なレベルといえる状態なのは間違い無い。

■対戦成績 ~天敵~

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東京サポーター各位に説明するまでも無い、東京にとって浦和天敵中の天敵である。
トータルの成績でも大きく負け越し、直近の10試合3分7敗、最後に勝利したのは味スタでは2005年から14戦勝ち無しである。(5分け9敗)…………まぁこんな今更の情報で気分を暗くしても面白くないのでポジティブな要素を探してみた。

・ホームではそこまで悪くないぞ!
ホームでの対戦成績は4勝5分8敗!!
全体で見てみても、東京ホームの成績だけ見るとそこまで超絶苦手とは言えない、確かに勝率こそ低いものの、勝利の可能性は埼スタに比べればかなり高いのである!
……え?まだ弱い?ではでは次のポジティブ要素だ!!

・悪くない時期!!
9月~11月のこの対戦に限ってはなんと5勝2分6敗!!
ほぼ五分の成績である!凄い!互角!!
………え?30日なんてもう12月みたいなもんだろ?
仕方無い!次のポジティブ要素だ!!

・上位陣が苦手な浦和

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今シーズンの浦和は上位陣との対戦にかなり苦労している。
上記のように現在のトップ6との対戦では11試合で僅か1勝、1試合平均0.7得点1.8失点と苦しい試合を強いられている。
どのチームからも必ず敗北を喫しており、東京がいよいよ勝つ番が回ってきたと言える!!(断言)
まだまだあるぞ!ポジティブ要素!!

・ACL決勝直後は勝てない?

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浦和がACLの決勝に進出したシーズンは直後のリーグ戦に未勝利という情報を聞きつけて調べてみた。
未勝利どころか無得点である
優勝しなかったのは初めてだとか、アウェイは初めてだとか、そもそも2試合じゃジンクス足り得ないとか……。

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とにかくウチが有利な条件は揃っているという事は賢明な東京サポの皆さんにはご理解頂けたと思う(ニッコリ)

■今季の浦和 ~混迷のシーズン~

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今期の浦和は非常に苦しいシーズンを送っている、昨季から継続していたオズワルド・オリヴェイラ監督を途中解任、これも昨季に引き続きだが大槻監督が後を引き継いだものの、ACLこそ勝ち進むもののリーグ戦では低迷。
むしろリーグ戦に関しては監督交代後に順位が上向くどころか、残留争いに巻き込まれてしまっている状態で。
ミシャ政権後のチームの方向性、主力の高年齢化、世代交代の遅れ、補強の失敗、ここ数年のつけが一気に噴出しているような印象を受ける。
それでも今シーズンはチームが拠り所としているACLで決勝に進出(これに関しては流石と感じざるを得ない、現状日本のクラブでアジアの勝ち方を唯一知っているクラブといっても良いのではないだろうか)これに勝利すれば多少はシーズンの光明が見えたのかもしれないが、決勝で2年前には勝利したアル・ヒラルに力の差を見せ付けられる様な形で敗戦、これまでの労苦が報われなかったダメージは計り知れない。
切り替えて残留争いに臨まねばならないのだが、チーム状態も良くない。
ペトロビッチ監督がいなくなって2年、ミシャ式と呼ばれたようなかつてのサッカーの面影は殆ど無い様に感じられる。
主力の年齢こそ上がったものの、依然として個の質こそはリーグでもトップクラスだとは思うのだが、キツイ言い方をすれば「遺産」でやってきた部分が強く、監督の交代を繰り返す内に「遺産」が底を尽きつつあるのでは無いかと個人的に思っている。
「今の浦和の特徴は?」
この問いに答えられる人がいまどれだけいるだろうか、これこそが今の浦和の現状だ。

ミシャ就任以降東京は幾度も浦和を相手に苦杯を舐め続けてきた、近年ではかつて無い程に状態が悪い浦和に対して、今までの借りを返す絶好の機会が巡ってきたのだ。


■試合展望 

さて、そんな浦和相手にはどう戦えば良いのか?
過密日程明け、ACL決勝直後という事もありメンバーに全く予想がつかない。本来であれば残留が決まっていないのだから全力でくる筈なのだが、西川槙野は怪我や病気を抱えながらプレイしているとの情報もある。
更に言えばメンバーが流動的てベストメンバーが分からないといったところが正直なところである。
とりあえずここではACL決勝のメンバーとシステムを基準に話しをしたい。

・興梠の自由を奪え

今シーズン、浦和が苦戦している要因の一つが得点力不足だ。
ここまでシーズン31得点は17位松本(19G)、18位磐田(26G)に次ぐ少なさである、そんな中で1人奮起しているのが興梠である。
チーム総得点31Gの内で興梠があげたゴールは12G、全体の38.7%である。
更に鹿島時代から東京はこのストライカーにやられ続けてきた、鹿島~浦和時代を通じて23試合14Gである、ほぼ2試合に一度は点を奪われている。
今シーズンの不調のチームの中で獅子奮迅の活躍をしている興梠、ゴールを奪った試合は12試合8勝3分1敗と高い勝率を誇る。
逆に興梠が不在、又はゴールを奪えなかった試合では20試合1勝6分13敗である・・・分かり易すぎる。
ゴール以外も前線からの守備、長いボール収めての起点作り、裏抜けと高度に様々な仕事をこなすこの万能ストライカーに自由に仕事をさせない事が重要だ。


・サイドの攻防で勝利せよ

チームとしての攻めの形がいまいち掴み辛いイメージのある浦和だが、個人的にピッチを幅広く使う傾向があると感じた。
興梠など前線の選手を起点にして、全体を押し上げた後にサイドに数的優位を作って攻めるパターンだ、特に橋岡、関根、山中、宇賀神といった突破力やクロスに長けた選手がいるので守備で後手に回らないように注意したい。
彼らに注意するのもそうだが柏木、岩波から長い距離を正確なパスを蹴れる選手もいるので簡単に蹴らせないようにすることも重要である。
東京が攻撃で使いたい部分、これは湘南戦もそうであったのだが、WBの裏のスペースを積極的に使いたい。浦和のWBの選手は攻撃面には優れるものの守備の対応をストロングポイントにしている選手はいない、ディエゴ永井がここの質的優位を活かして起点を作り、室屋三田小川といった選手がサイドの深い位置を使えば充分にチャンスはつくれるはずだ。


・浦和のボール保持からのカウンターを狙え

浦和は1試合平均のボール支配率がリーグ9位の49.9%(東京は45.7%で14位)である、高すぎず低すぎずである。
色々な試合を見た感想としてはボール保持から「こうやるよ!」という意図が見えにくかった。
基本的には上記の様に最終的にはサイドへボールが行き着くことが多いのだが、何と言うか・・・口が悪いが再現性を感じないものが多かった。(イメージしにくい人は湘南戦の東京のボール保持を思い浮かべてもらえれば分かりやすいと思う。)
しかもそれなりに手数と人をかけるのでボールを動かして探しているうちに配置バランスが崩れていることが多く、引っかかってカウンターを受けて大ピンチというシーンが散見された。(これはACL決勝でアル・ヒラルにカウンターを受けていたシーンを思い出して欲しい。)
東京としては自陣に引き込んで奪って2トップでロングカウンターというのは非常に有効な手段と感じる、要するに目指すのは埼玉スタジアムでのディエゴのゴールの再現である。


総じて言えるのは浦和のサッカーからは「肉でも魚でも無い」という印象を強く受けた。
あれだけ個性的だった浦和のサッカーだが選手の個性だけが取り残されて、チームとしての個性は失われている、そう感じた。
サイドアタックなのか、カウンターなのか、ポゼッションなのか、ロングボールなのか…自分達が強みとして押し出したい部分が見えてこないのだ。
純粋に東京が今年積み上げてきたサッカーでぶつかれば、個人としては負ける部分はあったとしてもチームとしては上回れると素直に思う。

■スタッツ比較

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浦和のデータで気になる部分はボール保持率の高さに対しての攻撃回数の低さとペナルティエリア内への侵入回数の低さだろうか、ボールは保持するもファイナルサードへの仕掛けが中々上手くいっていないと推測してみた。(まぁこれは東京も同様の課題をもっているのだが……)

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東京は散々話しをしているが、全体の走行距離は少ないが勝負所ではしっかり走るサッカーである。
対して浦和は全体的に走力に関する項目は低くなっている、これは単純に走力に頼らないサッカーをしているのか?
正直分からないところである、「そうしている」のか「そうなっている」かでは大きな違いがあるが浦和はどちらなのだろうか?

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(※こちらは全公式戦の得点失点です)

得失点の時間帯、浦和は前後半残り15分を越えてから得点も失点も大きく動く傾向にあるようだ。
ちなみにアディショナルタイムの得点数はリーグ2番目に多い6ゴール、埼スタを思い出して最後まで気を弛めてはいけない。
東京は前節の湘南戦で終了間際にゴールを決めた事で、「この時間でも何かが起こせる!」そういう期待感は実感として強いだろう、どういう試合展開になるかは分からないが最後まで何があろうと諦めずにゴールを目指したい。

■まとめ

どうでしょうか?色々思い出して不安な方も少しはポジティブなイメージを持っていただけたでしょうか?(笑)
大真面目に今の浦和に勝てないのなら優勝する資格は無い、そう言い切って良いくらいに今年はチャンスだと思ってます。
皆さん自分たちに自信を持ってください!

ここからはポエムです(笑)

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東京のサポーターは浦和戦について語る時に出てくるフレーズ。

「嫌な記憶しか無い」

それは間違いだ。

クラブの初タイトルを決めた試合は浦和戦だった、当時は圧倒的な攻撃力を誇る浦和を相手に、前半で1人減りながらも120分間を耐えきった。
サポーターも一緒にみんなが一丸になって耐えて掴んだ初タイトル

俺たちの国立では平山の決勝ゴールで勝利した、しかも「緑」浦和相手にだ。

2015年、ACLを目指しての味スタでの試合、4点取られた、それでも選手達は諦めずに最後までゴールを目指し続けた。
ボールを持ってセンターサークルに向かう高橋秀人の姿は今でも目に焼き付いている。

嫌な記憶ばかりじゃない、そしてそろそろ良い記憶を増やしても良いんじゃないか?

「初のリーグ優勝を目指して戦ったホーム最終戦で、13試合振りに天敵の浦和に勝ったんだよ。」

僕はこの記憶が増えると勝手にイメージしています。(笑)

誰かがじゃない、自分が先ずはそのイメージを実現する為に後押しする。
誰よりも強く念じてる、僕の応援するチームはそれを実現する強さを持っていると信じてるから。

チケットは完売です、幸いにして天気も良好。
チームからはフラッグのプレゼントもあります、場所なんて関係ない、各々が各々の場所で精一杯応援すれば最高の雰囲気が出来ると思っています。

浦和に勝たなきゃ優勝出来ない、最高のシュチュエーションじゃないですか?燃えてきませんか?

ホーム最終戦は来てくれたサポーターにチーム感謝を示すというのが、毎年恒例ですが、今年はここまで連れてきてくれたチームにサポーターやファンが感謝を示して精一杯後押しをしましょうよ。

僕らの応援してるチームは今までも1つ1つ乗り越えて来てくれたじゃないですか、今度も必ず乗り越えてくれる筈。

信じましょう、最後の1秒まで。



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