スライド1

「罠を再び食い破れ!!」~2019 J1 リーグ第30節 vs 大分トリニータ~【プレビュー】

皆さんこんにちは、太古の森と漆黒の獣です。

今回は30節大分戦のプレビューになります。

悲しい事に表紙と1枚を残して作ったデータが消えてしまうというハプニング……心が折れそうでしたが強い気持ちでプレビューを書きました!

データのバックアップ大事ですね…(泣)

さてアウェイ8連戦も残すところあと2試合、いよいよ今月は我がホーム「味の素スタジアム」に戻って来れます!
残り2試合を何とか連勝して味スタに帰って来たいところですね!

いつも通り戦術的なプレビューはこちら!↓

プレビューキャスもやりましたのでこちらも是非!↓

それではプレビューです!

■ここまでの成績&現況 ~気分上々な東京~

【東京】
・前節4試合振りの勝利&複数得点
・小川が全体練習復帰もベンチ入りは未定、更に大森も状態が不明
・首位鹿島とは同勝点の2位、得失点差をひっくり返すのは厳しい状態
【大分】
・リーグ戦は埼スタで浦和相手にAT決勝ゴールを奪って劇的勝利も、天皇杯では神戸相手にベスト8で敗退
・天皇杯で小林(成)が怪我、しかし浦和戦は契約上の問題で出れなかったオナイウ、伊藤が戻ってくる
・残留はほぼ決まり、ACLを狙うには厳しい勝ち点、賞金圏内を目指したいところ

共に前節のリーグは快勝、劇勝となった。
天皇杯に破れ、残留も達成している大分に比べて、優勝を未だ争っている東京の方がモチベーション的には高いと思うが、逆に言えば大分はリラックスして東京を迎え撃つ事が出来るとも言える。
なりふり構わず絶対に勝ち点3を取りたい東京、上位チームに対して余分な事を考えずに臨む大分といった構図。

※ここからデータ消失の為、怪文をお楽しみ下さい。イラストはイメージです。

■対戦成績 ~当てにならない相性~

【東京から見た vs大分 対戦戦績】

通算対戦成績
14勝9分7敗

H 8勝3分4敗
A 6勝6分3敗

リーグ対戦成績
12勝6分5敗

H 8勝2分2敗
A 4勝4分3敗

昭和電工ドーム通算成績
13試合 5勝5分3敗 勝率38.5%

9月以降の対戦成績
1勝3分2敗

トータルで見れば東京有利なこの対戦、直近5試合は3勝1分1敗であるし、相性は良いと思いがちなんですが、実は今年6年振りの対戦です。
当時とはお互いにやっているサッカー、選手構成も全く違うので、大分は松本同様にあまり気にする事は無いと思います。
更にアウェイとスタジアムの成績ではほぼ五分、更に秋口以降は大分が勝ち越しているという形なので、東京的には全く楽観出来ないデータになっていますね。
気になるのは昭和電工ドームの芝の状態、東京と大分はお互いにラグビーW杯にスタジアムを貸し出した同士で、これまたラグビーW杯にスタジアムを貸し出していた神戸とのアウェイゲームが直近でした、ノエスタの芝はかなりスリッピーで脚をとられる選手が続出していた(ハイブリッド芝の影響?)のでピッチコンディションにも注目ですね。

■大分の戦い方 ~孔明の罠~

大分はご存知の方も多いが極めて異質なサッカーを思考するチームである、戦術に詳しく無い方にも分かり易く…というか雑に説明するとこうです。

大分「ボール持つよ、ひたすら持つよ」(自陣でボールキープ)
相手「お、攻めてくるのか?」(引いて守備)
大分「ボール持つよ、ひたすら持つよ」(自陣でボールキープ)
相手「なんだ?攻めて来ないぞ?」(引いて守備)
大分「ボール持つよ、ひたすら持つよ」(自陣でボールキープ)
相手「なんだよ!来ないなら取りに行くぞ!」(前からプレス)
大分「 い ま で す 」(速攻発動)
相手「ゲェー!」(ボール失った訳では無いがカウンター喰らう)

横山三国志を分からない方にはなんのこっちゃかも知れませんが、大分は極力ボールを自分達が自陣で保持して、相手が奪いに来たら(つまり前から取りに行く)相手の陣形の後ろの薄い所に急襲を仕掛けていくという言わば「擬似カウンター」と呼ばれる戦術を使います。

このチームが特徴は守備のやり方、守備組織自体はそこまで堅い事は無いのですが、自分達がボールを持っている=相手が攻撃出来ないという考え方です。
大分の失点数はリーグ5番目の少なさですが、東京や広島、セレッソといった他に守備が堅いチームとは全く異なる方法によって少ない失点数になっています。

攻撃に関しても異質で無理はしません、相手の隙を十分に伺って攻めるので相手の陣形に穴が無い場合は、無理攻めはせずに潔く下げてしまいます、さながら必殺出来る機会をひたすら伺うスナイパーの様ですね。
当然、保持しながら相手の穴があれば遅攻もしてきます。

下の画像はチャンス構築に関する数字の比較です。
(左が大分、右が東京)
攻める機会を厳選するが故に攻撃回数、シュート回数、チャンス構築率がリーグ最下位で、攻撃の成功率はリーグ2位。
そして相手の攻撃機会をボール保持する事で減らせるが故に、被攻撃回数(攻撃を受ける回数)はリーグ最小の1位、相手の攻撃を成功させなかった被攻撃率はリーグ2位と大分のサッカーを表す非常に分かりやすいデータになっています。

(引用元:football lab)


同じ様な戦術を使うチームは世界を見渡してもほとんどいないと思われます。
開幕当初はこの戦術に面食らったJ1のチームが次々と罠に嵌められて、手痛い敗戦を繰り返しました。
特にJ1のチームは自分達が主体的にボールを持って動かしたいチームが多く、積極的にプレスに行くので余計に大分の罠に嵌っていた様に感じます。
(同じ昇格組の松本は十分にこの戦法を知り尽くしているので、大分相手に1勝1分という…さすが陰険メガネ!!)

大分には圧倒的な個の力を持った選手は少ないです、そのかわりにチームの選手全員がこの片野坂監督の仕込んだ戦術をしっかり理解しており、誰が出ても大幅にチームのパフォーマンスが落ちる事が無く闘える訳です。
夏に藤本(8ゴール)が神戸に移籍した訳ですが、その後も大きく順位を下げること無く昇格1年目ながら残留という目的を果たせたのはチーム全体の戦術理解度の賜物でしょう。

■試合展望 ~罠を回避する鍵はプレッシング?~

ではこんな大分にどう東京は立ち向かっていくのか?
東京のシステムですが、恐らく前節採用した4-2-3-1は変更して、いつもの4-4-2に戻すのでは無いかと予想します。
理由は4-2-3-1が対神戸用に考えられたという部分があり、更には前半戦に大分に勝利した形がイメージからです。
それでは大分に勝つヒントを、前回ホームで3-1で勝利した対戦から探ってみましょう。

■攻撃編

・保持を許さない…圧倒的…プレス…!!


前回味スタでの試合では、東京が今シーズン唯一、1試合を通して前からプレスをかけ続ける選択しました。
大分がこちらの隙を見つけて攻めてくるなら、その隙すら与えずにプレスをかけて奪い切るという戦術です。
これは非常に有効で大分のペースを乱す事に成功していました。(それでも繋ぐ大分の意地も凄かったですが…。)
3点目の久保のゴールはこれが結実した形です、メンバーこそ変わりましたが、現実的に考えて長谷川監督はこの選択をしてくる可能性は高いなと感じています。
前の神戸戦でプレスから取りきる形が作れていたのでメンタル的にもすんなり試合に入れるのでは無いかと。

・こちらがボールを持つ…押し込む…!!


大分がボールを握ってペースを握り続けるなら、逆にこちらがボールを握り続け、大分を自陣に押し込む事で、罠すらかけさせないという形。
大分が攻守一体な戦術を採用している意図は、通常の引く守り方ではJ1の強力な個を擁する攻撃陣からゴールを守りきる事が難しいと考えているからかも知れません。
守備陣は身体を張ってはいますが、押し込まれた状態ではかなりゴールに迫られるシーンを作られています。
GK高木の攻守で何とか難を逃れてはいますが、全体的に引きすぎて最初ラインと中盤の間にスペースが生まれやすく、ここを使われて決定機を作られる場面が多く、東京としてはこのスペースを上手く使いたいところです。
味スタのゲームの1点目はこのスペースに橋本が上手く飛び込んで先制ゴールを奪いました。



・個人の力で打開…デュエル…デュエル!!


これは至ってシンプル、個の能力では大分を上回る東京としては1対1で仕掛けられる状況ではどんどん個人で仕掛けていくという形です。
特にツートップ(永井、ディエゴ)が大分の3CBに仕掛けられる状況であればシンプルにボールを入れていくのは有効な策だと思います。

■守備編

・裏のスペースに要注意


大分は攻撃時相手の裏のスペースを使う事に長けている、前からプレス行く際やボール保持攻撃から奪われた際にはディフェンスラインの裏のスペースをしっかりケアする事が肝要です。
田中、後藤といった裏抜けから決めきる力のいる選手がいるので後手を踏まない様に注意したいですね。

・サイドを封鎖せよ


大分の1番のストロングポイントはサイド攻撃である、左の田中の切り込んでのシュート、右の松本、岩田のクロス精度は高く、また中央では後藤、三平という得点感覚に優れた選手が待ち受けている。
チームの得点割合としてはサイド攻撃、クロスからのゴールが多いので、東京としてはSMFとSBが上手く連携してこれを封じてクロスの出どころを抑えたい。

・オナイウのパンチ力にご用心

前節は保有権を持つ浦和が相手だったので欠場、ここ最近点が取れていない大分で数少ない個で打開出来る選手。
特に形が無くてもゴール奪える、いわゆる無からゴールを奪える選手、前回対戦でもゴールを奪われているミドルシュートには要警戒。
オナイケおじさんに叫ばせてはいけない。

■注目選手
※ここで注目した相手選手が必ず結果を残すので、今後は書きません(涙目)

■まとめ

大分は自分達から押し込む展開はあまり得意では無いので、東京としては早い段階でゴールを奪って相手のペースを乱したいところです。
そういう意味でも早めにハイプレスを仕掛けていくのでは無いかと予想します。
戦術の噛み合わせという意味では悪くないと感じるので、いつものサッカーが出来れば勝機は十二分にあると思いますから思い切って挑んで欲しいですね!!

長谷川監督が言うようにここからが優勝争いのスタートライン、しっかり勝ち点3をとってラストスパートに繋げましょう!!

試合は 15:05 kick off、NHK総合での放送もありますし大分に行けないサポーターはテレビの前で応援しましょう!
現地に行かれる方は観光をしっかり楽しんで!後押しよろしくお願いします!!

いいなと思ったら応援しよう!