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「次のステージへ」~2019 J1 リーグ第34節 vs 横浜Fマリノス~【レビュー】

皆様こんにちは、太古の森と漆黒の獣です。
今シーズンも残すところJ1参入決定戦天皇杯を残すのみとなりました。
J1はシーズン終了です、全クラブの関係者、ファンサポーターの皆様お疲れ様です。


そして横浜Fマリノスに関わる全ての皆様、優勝おめでとうございました
優勝に相応しい強さでしたし、シーズン中盤で少し落ちたところからの巻き返しはお見事でした、来年はこの強さを上回って我々がシャーレを掲げれる様に頑張りますね。(僕の中ではマリノスが一番のライバルになりました)

そんな最終節、優勝をかけた一戦を簡単に振り返ります。
いやぁ・・・振り返るのに1週間かかってしまいましたよ・・・(笑)


現実を改めて見るってのは辛いですね

そんな訳でぼんやり今シーズン最後のゲームを振り返ります。

■スターティングメンバー

【東京】
・怪我のディエゴは欠場、永井はスタメン
・出場停止の室屋に替わってオジェソクが右SBに
高萩をトップ下に入れて、シルバ橋本のコンビにしてシステムも4-2-3-1気味に
・原がリーグ戦初のベンチ入り
【横浜FM】
・出場停止の扇原に替えて和田がスタメンに
・怪我の大津に替わってがベンチ入り
・その他は前節から変更無し

■スタッツ

スタッツを見ても全然負けてないし、やれてるんですよね。
スコア程の差は感じない、けどそのちょっとの差が大きく感じたゲームだったなと思います。
それでも1人減ったとはいえ、走行距離、スプリントがJ1トップクラスマリノスハードワークで良く食らいついたと思います。

■前半 ~響いたツケ~

東京が優勝に必要なのは4点差での勝利、更にディエゴ室屋を欠く東京が選択したのは前からのプレッシングスタイル
これ自体は予想が出来ましたが、人選と配置はやや予想外でしたね。
永井を1TOP気味に、高萩を1列前、ナサンホを左に入れてを右へ、シルバ橋本のCHで4-2-3-1気味な感じでした。
それぞれ狙いとして、高萩は起点になれて、前から追い込む守備をする際に上手く制限をかけられる、サンホシルバに関しては前への推進力に特徴がある選手、奪ったボールを単純に縦に蹴り込むだけでは無くて、前線へ運べる選手をチョイスしたと思いました。


試合が開始して20分くらいまでは(つまりマリノスの先制点が決まるまで)「ある程度」狙いとするサッカーは出来ていたと思います。
マリノスのビルドアップを阻害出来ていましたし、長いボールを裏に蹴られても東京の最終ラインはマリノスの両翼に対してかなり厳しく対応して前進を阻み続けました。
特に最初の10分間はかなりマリノス側も苦労したと思います。
ただ、ゴールは遠かった…「ある程度」と書いたのはそういう事なんですね、決定機は永井が抜け出した1回と橋本がCKで合わせた1回、初手必中先手必勝が絶対条件だった訳ですが、ここで決められなかったのが痛すぎましたね・・・いくら狙い通りに試合を進めていても、ゴールが奪えなければ「絵に描いた餅」です。湘南戦、浦和戦に続いてまたも先制点を奪うことが出来なかった東京でした。
高萩は広範囲に動き回り、シルバサンホも中盤から上手く持ち運んで決定機を作れそうなプレイはしてくれていたのですが、あと一歩の部分で精度や連携の不足を感じさせました。
これはシーズン中をプランAで勝ってきたチームの「ツケ」と言える部分だったかも知れません。
東京本来のスタイルをかなぐり捨ててこの試合に挑んだ訳ですが、付け焼き刃で通用する程に甘くはありませんでした。


「不運」な、あるいは「必然」な先制ゴールが決まってからはマリノス側も東京の守備にアジャストして、スムーズにボールが運べる様になり、苦しくなります、この試合、扇原の出場停止で和田が起用された訳ですが、彼は素晴らしかった扇原とは違う「走力」「ポジショニング」で、扇原の替わりでは無く、異なる個性を発揮していたからです。
和田の個性が直ぐにチームに最適化されて「いつも通りのサッカー」が出来るというところもマリノスの強さであり、「代役がいないと同じサッカー」が出来ない東京との差を痛感しました。

さらにマルコスジュニオールが中盤の低い位置まで降りてくる厄介な動き、東京の中盤の選手が掴まえ切れなかった事で、彼にフリーでゴール前まで運ばれてしまいます。
ディフェンスラインがズルズル下がってしまったところで、エリキにバイタルエリアを使われて前半終了間際に致命的な2失点目

優勝する為には6点が必要な状態で前半は終了します。

(ここら辺の戦術的な動きはマリノス勢のレビューに詳しく載っております)

■後半 ~最後まで貫く強さ~

東京サポーターが「あと6点!」コールを繰り返す中で後半戦がキックオフ。東→ユインス、ナサンホ→田川と交代があった東京は後半も戦い方は変わらず、前線から激しい追いかけて形としては時には両サイドバックが上がり2-2-6にも近い様な形でマリノスゴールを目指します。
後半もひたすらにサイド裏、マリノスバックラインの後ろのスペースを愚直に狙って攻撃を繰り返しますが、この日、圧巻の存在感を見せるチアゴマルチンスをはじめとするマリノス守備陣の必死のディフェンスにゴールを奪えません、パクイルギュを退場に追い込んだものの、マリノスが凄かったのはそれでもコンパクトな布陣を保ってラインを下げなかった事です。
単純に自分達が慣れていないであろう「引く」守り方をせずに勇気を持って上げてくるラインの裏を中々破れずにいると、素早いリスタートから遠藤に独走を許して3点目を決められてしまいます。
再三数的に厳しい状態を耐えていた東京のディフェンスラインですが、これはもう遠藤を褒めるしかないでしょう。
ゴールを奪えないままに試合終了、相手の15年ぶりの歓喜を目の前で見るという悔しい結末になってしまいました。

■PICK UP PLAYERS ~高萩洋次郎~

説明不要でしょう、誰よりも攻撃に守備に走り回って、3点目を決められてもすぐさま近くのボールボーイにボールを要求して、最後まで闘う姿勢を示してくれた・・・それこそ最後の1秒まで。

■あとがき

9月から始めたレビューの最後がこの結末というのは残念ですが、選手やチームはこの状況でやれる事は目一杯やってくれたと思います。
厳しい状況でもサポーターは声を出し続け選手も最後まで良く走り闘ってくれたのは動かしようの無い事実ですし、最終戦まで優勝の可能性を残せたのは大きな成長だと感じます。

ただ、足りなかった、これもまた事実です。

この試合を「良く頑張った」で終わらせない為に、受け入れるまでに時間はかかりましたが、今回はレビューを書きました。
個人的には「貫き通せた」マリノスと「貫き通せなかった」東京の対比がとても辛いです、本来のスタイルを貫き切れなかった悔しさ、それは本来であればこの素晴らしいマリノスにも負けないくらいに素晴らしいチームという事を最終戦で見てもらえなかった口惜しさでもあるのかも知れません。

湘南戦、浦和戦、あるいは松本戦・・・長いリーグ戦でのツケが最終戦で自分たちの闘い方を縛ってしまうというのは何とも辛いですね・・・。
とにかくこの長いシーズンの終わりがこういう結末になってしまったの残念です、笑顔でシャーレを掲げる選手やスタッフが見たかった。

「合戦そのものはそれまで積んだ事の帰結よ、合戦に到るまで何をするかが俺は戦だと思っとる」

いまはこの台詞が重たく胸に突き刺さります

それでもサッカーは終わりません、事実は事実として受け止めて次のステージへ向かわねばなりません。
「いいシーズンだった」優勝してこれを言う為に、12月7日の日産スタジアムで起きた出来事をしっかり頭に、身体に刻み込んでおきます。

9月から始めたプレビュー・レビューですが、始めてから無事にシーズン終了まで感想できました。
いつもしょうもない文章を読んで感想をくれた方々、色々と相談に乗ってくれた先輩レビュアーの方々、そして僕にこんな楽しみを与えてくれたFC東京の皆様、ありがとうございました。
まだシーズン総括と選手短評を書くつもりですが、一先ずFC東京のプレビュー・レビューは終了となります。
最後までお付き合い頂いてありがとうございました、また来シーズン!!


You'll never walk alone

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