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銀行での保険販売の問題点

銀行による保険募集ではない場合であっても、これらの問題は生じうるところであり、銀行による保険販売における勧誘時の説明や告知の取り扱いが当然にその他のチャネルによる販売よりも問題であると言えるわけではない

『銀行による保険販売と顧客保護』尾崎 悠一
生命保険論集第 210 号 109ページより
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jilijournal/2020/210/2020_93/_pdf/-char/ja

カモは元々保険嫌いだったこともあるかもしれないけど、銀行の保険販売で生じている(いた)トラブルは『銀行で』保険を販売する事自体が一番大きな原因ではないかと思う。
『その他のチャネル』で勧められても保険契約しなかった様なカモ達が『銀行で勧められたが故に』保険契約をしてしまったから、怒っているパターンが多いんじゃないのかな?
『その他のチャネル』で勧められて契約した場合は、同じ結果でもそれほどショックを受けない可能性もある。元々絶対的に信頼してるって訳じゃないだろうから。
銀行で販売するという事は、『その他のチャネル』にはない銀行の持つ絶対的な信用でもって売るという事だ。カモ用商品を銀行で売るという事は銀行側が確信的に自分たちの信用を利用しているという事だ。

銀行で販売されているのはカモ専用商品が多いみたいだけど、例えば同じ商品を知り合いの保険外交員に勧められて契約しちゃったとする。そして思っていたのと違う結果が訪れた時、保険外交員に勧められて契約していた場合でもカモは怒るだろうけど、怒りの質や大きさが違うんじゃないだろうか。自分が勝手に何の恩もない銀行を一方的に信用していただけとはいえ、その純粋な信用を利用して販売されたのだ。知り合いに頼まれて何か分からんけど入って「やっぱり何か損した!ぷんぷん!」ってのとは違う。知り合いに頼まれて契約する場合も知り合いが自分の信用を利用している訳だけれども、個人的な信用で、あくまで個人の問題。どちらにしても契約は保険会社との契約なんだけど、国やらお役所やらとほぼ同列くらいな勢いで信じていた銀行が自分たちへの信用を利用して売りつけてきたのとは全く違う。

裁判やらADRやらで、無下に扱われたり無惨に敗れてきた先輩カモ達の記録を見ると『銀行への信用を利用された』という無念の気持ちを汲み取ってもらえてない気がする。
誤認する様ミスリードされた、しっかり契約書の隅々まで読まずに保険商品について理解していないまま契約してしまった、それらの根本原因はカモ達がうっかりさんだからとかちょっと頭が足りなかったとか判断力が鈍っていたからというよりも『銀行を信じ切っていたから』じゃないのかな。
銀行さんはちゃんとしてるから「ハイハイ」って説明聞いておけば大丈夫、そんな契約書読まなくても銀行がわざわざ個人を騙したりする筈がない、銀行が勧めてくるんだからおかしな商品の筈がない、信じ込んでいるから思考停止してしまう。
そして銀行はカモ達が自分たちを疑いもせず、信じ切っているのを利用して、誤認を誘導し、余裕を持って契約を済ませる。

どう誤認されないように気をつけるべきか→どう誤認させれば上手く契約が取れるか。
その際に使ってはいけない言葉は何か→禁止フレーズを使わずにどうやってミスリードするか。

法改正から限定解禁を経て全面解禁と、たっぷり時間をかけて『効率の良いカモをリストアップするクリーンなやり方』と『うまい言葉で勝手に誤認させる方法』に磨きをかけて成果を上げてきた訳だ。

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