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商品化権の許諾とは?・その1【人形作って生きてます】


【補足説明】
テレビや漫画などいわゆる『著作権』というものはみなさん少なくとも聞いたことがあると思います。
著作者に作品の権利があります、くらいのことはご承知かと思います。

しかしその著作権って何?
と言われるとこれがものすごく細分化されていて専門家でないとなかなか分かりづらいと思います。

例えば、テレビ作品のキャラクターを製作したい。
という場合には

『作品を考えた人』なのか『デザインした人』なのか、はたまた製作会社なのか…
一体どこにあるのかはそれぞれの作品ことに決められているのでなんとも言いようがありません。

以前とあるアニメ番組ではっきりしたのが『お金を出した人』に作品の権利がある、という判例もありました(ざっくりなので厳密ではありません)

おおむね、製作会社・テレビ局・代理店のいずれかがそれぞれ何かしらの権利を持っている。
と考えて良いと思います。

と言っても???となると思いますが、例えば

原作権・放映権(地上波または衛星放送)・原盤権・著作隣接権・商品化権…

などかなりの権利に分かれております。

ここでは商品にするための

『商品化権』

についてお話ししております。

商品化権とは商品にするために権利を許諾します、という権限がある(ざっくりですいません)ということで、商品にするにはこの商品化権を所有している権利元様にご許諾いただく、ということになります。

ぶっちゃけてしまうと、この商品化権がなかなか許諾されなくてデザイナーさんなら著作者だから商品化の許諾をもらおう!
と商品化にしてしまうと、この『商品化権』が製作会社にあったとしたら、たとえデザインをした本人だったとしても海賊版になってしまうこともあります。
著作物としての権利と全く別、ということです。

この『商品化権を許諾されて商品にする』というのは非常に大変です。

権利者に対してご許諾いただく手続きから厳しい監修、ロイヤリティーの支払い等々…

かなりハードルの高い作業です。
もちろん、法人であることが鉄則…ということが大半の権利元様になってます。
それほど法人というのは信用がある、ということにもなります。

厳重な『契約』の元に商品化は進んでいきますが、権利元様も仕事ですので許諾のボリュームというものがあります。
例えば、3000円のものを10体作りたいです!
と申請すれば大抵のところが30000円に対して数%のロイヤリティーを支払います。
が、この申請作業において数千円や数万円では、契約書や監修のお時間、証紙の準備など数多い作業に対して全く割に合わないお仕事、となってしまいます。

そのためにミニマムギャランティー(MG)というものが概ねの権利元様に設定されています。
当たり前ですが、時給300円くらいの仕事を許可するような会社はどこにもありません。
そのためにもより多くの契約数と実売をバランスよく申請するために企画を練り、提出します。

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