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落書きとしての事業構想 (Business Plan as a Scribble)

世の中はまじめな人が多く、それに伴ってまじめな会社も多い。会議は少しかしこまった服を着て真剣な顔でやっているし、資料は整えてちゃんと作るのが普通だ。

本来、事業の構想や、その実行も含めた経営という活動は、魅力的な研究や芸術くらい創造的で、進めていく過程も刺激的で楽しいものなのではないかと思う。

研究や創作がそうであるように、いつも楽というわけではないし、大変だったり、どうしようかと考え込む時もあるが、全体を通して苦しくつらいものである必要はないはずだ。

一般的な会社のクライアントさんに「いやー、仕事が楽しいですよ」と話すことはないが、そういった真面目な方たちとのプロジェクトでも、参加者全員が楽しめるように、何かわくわくできる要素を加えるのが好きだ。

本当はみんな遊びたいはずだし、楽しい方がいい。僕はそう思う。

うちの会社では、普段着で集まったメンバーが冗談を言いながら、裏紙に落書きをして遊ぶように事業の計画を立てるのが理想だ。

落書きなので、ものすごく正確に描く必要はない。すべてが予定通りに行くとは限らない中で、細かさよりはあらすじの良さが重要かも知れない。

そして何より、当初の計画通りに進むかどうかより、描くことを通して、チーム全体が計画の趣旨を理解する(*1)ことが大切と思えてならない。

計画することがすべてだ。立てた計画はどうでもいい。

ヘルムート・グラフ・フォン・モルトケ

変えられない計画にただ従うことは遊びではないし、おそらく生存に必要な戦略にもなり得ない。野生の動物たちは仲間と遊ぶことで学び、狩りや採集に出かける。

人間はどうだろうか?

*1 A Mind For Numbers - Barbara Oakley


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