ポッキー

コンピュータ・ビジョン技術を扱うスタートアップ企業で、芸術と技術の交差点にある製品を目…

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コンピュータ・ビジョン技術を扱うスタートアップ企業で、芸術と技術の交差点にある製品を目指しています。企業本拠地は渋谷で、普段は松本市にあるお城の北側で暮らしています。

最近の記事

落書きとしての事業構想 (Business Plan as a Scribble)

世の中はまじめな人が多く、それに伴ってまじめな会社も多い。会議は少しかしこまった服を着て真剣な顔でやっているし、資料は整えてちゃんと作るのが普通だ。 本来、事業の構想や、その実行も含めた経営という活動は、魅力的な研究や芸術くらい創造的で、進めていく過程も刺激的で楽しいものなのではないかと思う。 研究や創作がそうであるように、いつも楽というわけではないし、大変だったり、どうしようかと考え込む時もあるが、全体を通して苦しくつらいものである必要はないはずだ。 一般的な会社のク

    • 企業と自由競争

      社会に必要とされる企業になることが大切だと感じながらも、企業がセーフティネットを提供するのはちょっと違う、と僕は思っています。 企業が雇用を生み出せる、仕事を創出できるのはもちろん素晴らしいことです。ただ、雇用が発生するのは企業の成長の結果であって、目的ではない気がします。 僕にとっての目的は製品やサービスで世の中に良い影響を与えることで、仲間は必要ですが、ただ、集めることを目的にはしていないためです。 もっと言うと、企業は自由競争に徹して、世の中に届けられる価値という

      • 未来の自分・今の自分

        2022年7月のひどい暑さが続く中、いつの間にか体調を崩していた。体は思うように動かず、頭はぼんやりとし、目が覚めても気力は出ない。 回復しなければと焦る気持ちもあったが、そもそも焦っても何かできるほどの活力が残っていないことに、ある朝気がついた。 急に休むわけにいかない自分の仕事以外のことを、とりあえず手放すことにした。なんとか仕事だけはしっかり続けられるように、自分自身に無理をさせず、時間配分に関する計画をより慎重に立てるようにした。 それまでほどたくさんのことを一

        • 10年かけて何かを身につける

          Googleで研究部門のトップを務めているPeter Novigという人が「10年で学ぶプログラミング」という有名な記事を書いているので、改めてシェアしたい。(記事には少し古いものの、日本語訳もある) Pearsonという出版社 (結構良い本をたくさん出版している) の有名なシリーズで Sams Teach Yourself シリーズ、というのがある。彼もこの記事を書くにあたって、おそらく「21日間で独習するJava」とか「24時間で学ぶPHP」とかいう感じの、この人気シリ

        落書きとしての事業構想 (Business Plan as a Scribble)

          良いソフトウェア・エンジニアが日本にいない3つの理由

          TL:DR; 「日本のAIは世界に遅れている」、「デジタル敗戦」などと言われる理由を考えてみた。「日本には優秀な技術者がいない」、「若い人たちにやる気が足りない」などという理由があり得るかもしれない。しかし、原因は 優秀な人がいないのではなく、優秀な人が働く場所がないだけ だと僕は思う。 1. 「良いソフトウェア・エンジニアが日本にいない」と言っている人たちの周りに、良いソフトウェア・エンジニアはいない例えば「うちの会社にはろくな営業がいない」と普段から文句を言っている

          良いソフトウェア・エンジニアが日本にいない3つの理由

          なぜスタートアップはトヨタ生産方式に学ぶべきなのか

          なぜ「ムダ」を省くのか?スタートアップは一般的に資源の限られた集団だ。ムダを許容できる範囲は極めて小さい。可能な限りムダを省きつつ、サービスや製品を軌道へ載せていかなければならない。 会社が立ち上がってすぐは、マーケティングも営業も、製品も確立していないことが多いだろう。そして、そのような状況下で自社のコストをいきなり全て価格に上乗せしていけるとは考えにくい。であれば、やはりこつこつとコストや原価を下げていく工夫がスタートアップには必要だ。 また退職者が出た時、すぐに代わ

          なぜスタートアップはトヨタ生産方式に学ぶべきなのか

          力をつかう

          もし自分に何かの実力や立場があったら、皆さんはどんなことがしたいですか? この話を進める前に、高校の頃に聞いてからずっと忘れられない話をご紹介します。 今でも地方には公立高校がたくさんありますが、そういった学校のうち戦前から歴史があるところの多くは、男子校や女子校であったケースがほとんどではないかと思います。 僕が通っていた福島市内の高校は明治時代の設立であり、当時は男子校かつ制服は学ランであり、怖い応援団のいる学校でした。自由を重んじる校風をいいことに、同級生たちと一

          力をつかう

          データから学ぶ

          僕らはデータから何かを学ぶことはできるだろうか? 僕がデータ分析や統計的な解析の仕事を始めた当初、完全に誤解していたことが一つある。それは「優れた分析者はデータだけを使って結果を導く」という誤解である。 ある日どこからか天才が現れて「現場にいる凡庸な人たち」に見えない何かを、データ分析を通じて発見する。このストーリーがなぜ現実の世界では成立しないのだろうか?データ分析で使う統計学に立ち戻って少し考えてみたい。 統計的に何かの分析や推論を行うときに、最も重要なのは

          データから学ぶ

          これからのデザイン

          これからの時代、僕ら作り手はどうサービスや製品をデザインしていくべきだろうか? この先、環境へのインパクトという観点からも、企業として事業を持続させていくという意味でも、「必要とされないものをつくらない」ということが、極めて重要になってくるように思う。 僕らの身の回りには、もしかしたら「本当はそこまで必要でないサービス」や「それほどなくても困らなかった製品」はそれなりの数があるかもしれない。もちろん企業にとって、本当に必要とされる・求められるものを提供するということは、利

          これからのデザイン

          リーダーシップ

          仕事帰りに寄った安曇野の温泉であたたまりながら、リーダーシップって何だろうか?と改めてふと考えた。 いろいろ悩んだ末に思ったのは、やはりリーダーというのは「見渡して方向を決める役」であり、かつ、それはあくまでパート(役割)であり、ポジション(地位)ではない、ということだ。 このテーマについて考えるときには、いつも10年前に読んだ「リーダーシップの旅 - 見えないものを見る」という本の中のたとえを思い出してしまう。 「リーダーとはみんなが危険だと知っていても、その先に素晴

          リーダーシップ