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デザインを解説する6つのコツ #PATHCOOL

この度、「パスクール パススキル&アイデアの学校」というデザイン書籍を発売しました!この本は作字の制作過程にそって、パスの引き方・ツールの使い方・デザインの知識を同時に解説していくというもので、とにかく内容をまとめるのが難しく、苦しみながら2年間かけて制作しました。

ということで、その2年間で学んだ「デザインを解説するコツ」6点をまとめていきます。※この記事は現在クリエイティブ系の仕事をしている人にオススメです。(文:村石)

①意図や効果を伝える

一番重要なのは、「なぜこのデザインにしたのか、そしてどんな効果があるのか」を伝えることです。例えばこの解説みたいな感じ。

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これを上手く伝えることができず、ただ単に見た目を文章化しただけだと、読者(またはクライアント)は「それは見て分かる…聞きたいのはそこじゃないねん…」となってしまいます。例えばこんな感じ。

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②図と文章を使い分ける

内容に合わせて図と文章を使い分けることで、より情報が伝わりやすくなります。例えば箇条書きできる内容は文章、言語化が難しい内容は図だと伝わりやすいです。そのため、どちらも使える必要があります。図と文章それぞれを使いこなすためには、以下の知識が必要だと感じました。

 イラストやデッサンの基礎知識。また、操作による変化を図で表す場合、動画やアニメーション、マンガの構成などの動きを表現する知識があると有利だと思います。

文章 「結論から書く」といった、メール・作文・履歴書の書き方でも必ず触れられる文章構成の基礎知識。加えて、知っている単語を増やしたり、文章のリズム感を身に付けたり、漢字/ひらがな/カタカナを使い分けれるようになったりすると、より文章の質が上がります。耳に残るあの音楽や芸能人のトークテンポとかにヒントがあるかも。

資料に落とし込む場合は、上記に加えてレイアウトや文字組の技術も必要になります。ちなみにパスクールで特にこだわったのは、「勉強している感を与えない紙面構成」です。従来の教本にあるようなPC画面のスクショはほとんど使用せず、代わりに図を大きくすることで、読むことへの抵抗感を軽減させています。

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③説得力を持つ

自分の話を信じてもらうためには説得力が必要です。その際に有力なのが自分の作品です。作品の質が高ければ説得力が生まれ、逆に低い、もしくは作品を見れなかったら、情報の信憑性は低いと判断されてしまうと考えています。例えるなら、友達からの電話と、非通知電話くらいの印象差があると個人的には感じています。

なので、自分の作品でデザインの解説を行うと、作品を見せつつ解説ができるので一石二鳥です!

④解説内容をしぼる

解説内容をしぼって、伝えたいことを明確にすると良いです。パスクールが解説作品を「案件実績」ではなく「自主制作」にしたのはこのためです。自主制作は制約(目標・予算・納期・クライアントやターゲットの趣味趣向など)がなくて自由なので、制作に関する解説に注力することができます。

一方、案件には制約が沢山あり、最初にそれらを整理した上で解説する必要があるため、内容が複雑になりやすいです。その制約を乗り越えていく過程は物語として面白いのですが、かなりピンポイントな解説になる分、大半の読者にとっては再現性がやや低いのではと考えました。(たとえばパスクールのロゴの話など!)

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⑤相手の欲している情報を渡す

人によって欲している情報は異なるので、それに合わせて内容を変える必要があります。パスクールはページが進むにつれて難易度が上がっていくので、前半と後半で雰囲気が違っているかと思います。

で、難しいのは初学者の欲している情報を把握することで、自分の技術が上がるにつれて、どんどん分からなくなっていきます。しかし、私自身2019年の春ごろからAdobe After Effectsという動画制作アプリを学び始めたことで、偶然にも初学者の気持ちに立ち返ることができました。制作系のアプリはどれも考え方や操作性が近いので、何かしらゼロから学び始めると初学者の気持ちになれると思います。

また、私の場合はYoutubeとTwitterで動画チュートリアル投稿者(ダストマンさん、サンゼさんなど)や、イラストレーターのさいとうなおきさんをフォローしており、初学者からの質問や傾向を日々収集していたことが大きいと思います。

ところで、実はプロモーションムービーも私が作ったので良かったらご覧ください!

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⑥モチベーションや興味を引き出す

解説の途中で「制作してみよう」と声をかけたり、問いかけて考えさせるなど、読者に行動を起こすきっかけを与えてみましょう。自分で行動することで経験値を得て、それがモチベーションに繋がっていきます。そのためパスクールでは、あえて解説しないツールや、作品のパーツなどを残してあります。

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結論、特定のデザイン知識以外も幅広く知らないと難しい

こんな感じのコツが幅広くあって、その合計値が高いほど分かりやすくなっていくのかなと思います。 私もまだまだ勉強中の身なので、引き続き精進します…

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実例として「パスクール」を読んでみて

パスクール パススキル&アイデアの学校」では、この記事に書いたことをたくさん活用しています。その部分を探しながら読んでみると、違った楽しみ方ができるんじゃないかなと思います。(もし改善点とか見つけたら、こっそり教えてください!)

また、仕事でクライアントやデザイナーと連携するときにもすごく役に立つので、ぜひ試してみてください。では、次の記事もよろしくおねがいします!(村石)

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