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サマソニの思い出.3(第10回:2009年)

サマソニの思い出・第3回、完結編(今のところ)です。これも13年前の事なので、記憶があやふやな箇所も…ご了承ください(^_^;)


3回目のサマソニ参加は、前回から4年後の2009年だった。
この年は記念すべき第10回ということで、初の3日間の開催となった(8月7日・8日・9日)。
しかも、僕が観たい人たちが集まっている日があり、それが大阪会場1日目の8月7日(金)であった。

前回のサマソニのすぐ後、僕は今勤めている会社の面接に行き、パートとして勤務し始めた。そして3年後に社員になった。
その1年後であるこの年、僕はこのサマソニで初めて有給休暇を使うことにした(金曜日だし、普通に仕事だったのだ)。

ところが、問題が。
8月7日の段階で僕は社員になってギリギリ1年経っておらず、その場合社則では「有給休暇が付与されない」ことになっていた。
それまで約4年間、病気や怪我以外で欠勤がなかったのに、そんな殺生な・・・
と思っていると、当時の部長が「私の一存で有給休暇を3日付与する」と言ってくれたのだ。
どうやら、僕の直属の上司が口利きをしてくれたらしい。ありがたい!
(しかし、これ(有給を付与しないことになっていた事)は労働基準法に抵触しないのか?というのは今も疑問である)

ともあれ、有休を使ってサマソニに行ける!大喜びで初の前売りチケットをローソンで買った。



↑例によって公式サイトから画像をお借りしています。
ステージは6つに、そして3日間開催ということでもはや文字が小さくて見えない(^_^;)


僕が観たかったアーチストというのは
邦楽勢は、ユニコーン /エレファントカシマシ
そして洋楽勢は、THE FLAMING LIPS/SONIC YOUTH / TEENAGE FANCLUB / THE VASELINES
と今までで一番多かった。ちなみに邦楽勢は屋外のオーシャンステージ(トリはビヨンセ)、洋楽勢は皆ソニックステージ(通称:体育館。トリはTHE FLAMING LIPS)であった。


この日観たい中では多分エレカシが一番出番が早かったのでそれに間に合うように会場入りした。ちなみにこの時はど平日なので一人参加。まだ少し時間があったと思うので、ビールとタコスか何かで一人乾杯した。天気も良かった。いやー、サイコ―!

そしてオーシャンステージでエレカシを観る。ブレイク前後から結構好きで聴いてはいたものの、ライブは初めて。パフォーマンスはあまり覚えてないが、お酒のCMソングになってた「ハナウタ」をやってたな。宮本さんやっぱ声量あるし歌うまい。バンドもかっこいい。楽曲にスケール感があるから、デカいステージが似合う。気持ちいい演奏だった。

その後、体育館に移動してTHE VASELINESを観た。彼らはニルヴァーナが「Molly's Lips」「Son Of A Gun」と言った曲をカバーしたことで有名なイギリス・スコットランドはグラスゴーのバンド(男女デュオ)である。アルバム1枚とEP数枚を出して解散していたが、この数年前に再結成してセカンドアルバムを出していた。このアルバムもポップで良かったので楽しみにしていた。
ハイライトは、彼らと同郷である我らがTEENAGE FANCLUBのノーマン(・ブレイク)がゲスト参加した時だった。
「Molly's Lips」のCD音源には、サビの部分で”パフパフ”という『笑点』でおなじみ?の効果音が入っていて、その”パフパフ”をやるためにノーマンが登場してきたのだ。”パフパフ”を高く掲げてのノーマン登場に、がぜん盛り上がる観客!
そして曲が始まった。サビが近づく。来い!”パフパフ”!!


しかし、アレ?音が聴こえない!?

この曲はAメロ→サビ→Aメロ→サビ→間奏→Aメロ→サビ、というシンプルな構成で長さも2分足らずである。”パフパフ”はサビで2回ずつ、計6回。
最初はうまくマイクに音が乗ってなかったのかなと思ったが、やっぱり聴こえない。。
音が出ていないことにノーマンも当然気付いていたが、曲は容赦なく進んでいく。次のサビでも鳴らす動作はしているものの、音が聴こえない。ノーマンも「おかしいなー」と言う感じで首をひねっている。
そして、結局そのまま曲が終わってしまった(笑)
ノーマンは「鳴らなかったよ~。ごめんね(照)」という感じでそそくさと退場。申し訳ないけど、おかしくてめちゃ笑ってしまった(^_^;)
ちなみに翌々日の東京では無事に”パフパフ”鳴ったそうな。めでたしめでたし。

そしてオーシャンステージへ移動して、ユニコーンを観た。彼らは僕が初めて自分でアルバムを買ったバンドである(多分)。兄の影響で音楽を聴くようになり、音楽雑誌を買って読んでいたらユニコーンのアルバム『服部』が紹介されていて、何故か気になって当時出ていたカセットテープを買ったのだった。それからもアルバム・シングルとも聴き続けていたが、ライブを観ることがないまま1993年に解散してしまった。
その後は各メンバーソロになったりバンドを組んだりしていたが、2009年にまさかの再結成!
というわけでこれも初めて観るライブだった。

解散した当初は30歳前後だった彼らも、この頃には40代半ばくらいである。「我々も年だから、野外は辛いんです、暑いし。」みたいなMCがあり(^_^;)曲数も全5曲と短かった。確か再結成後の新譜『シャンブル』から「ひまわり」「WAO!」、そして代表曲の「服部」などをやったと思う。正直短いなーと思ったが、初めてみれてうれしかった。
しかし、実は次に見たいTFCのスタート時間が迫っていた。そして、確か最後に新譜のラストにに収録されている「HELLO」をやったのだが、それを聴きながら体育館への移動を始めた。最後まで聞けなくて無念・・・


そして体育館へ。するともうTFCの1曲目が始まっていた!
えーっ!登場してワー!!!!ってなる所がライブの醍醐味のひとつなのに(泣)・・・気を取り直してライブを観る。
この時は確か5年ぶりの新譜が出る前の年(発売が遅れたのかもしれない)で、新曲も結構やっていたと思う。派手さはないが、良い曲を真摯に演奏するバンドである。
ライブでも曲によってはギターの二人(ノーマン・ブレイクとレイモンド・マッギンレイ)がディストーションを効かせたギターを掻き鳴らしてカッコよかった(ノーマン、先ほどのTHE VASELINESでのパフパフ失敗の汚名を見事に返上)!


そして、そのまま体育館でSONIC YOUTHを観た。
彼らは1970年代から活動しているベテランだが、所謂キャリアなりの成熟とも商業的な成功とも無縁なバンドだと思う。とはいえ90年代にはグランジブームの影響も受けてか注目度が増していた。
当時僕も「Experimental Jet Set, Trash & No Star」や 「Washing Machine」といったアルバムを好んで聴いていた。そしてその頃から?ギター・ボーカルのサーストン・ムーアと同じくらいベースのキム・ゴードンがボーカルを取る場面が増えてきたように思う。

ライブがいよいよ始まり、一体どんな感じなのかな?と思っていた所に、突然キム・ゴードンが楽器を持たずにセクシーな女性シンガーっぽいいでたちで現れ、演奏が始まった。彼らの音楽は、変則チューニングのギターで不協和音を鳴らすという感じでポップさとはかけ離れたもので、その上でキムが煽情的なパフォーマンスをしていたので、僕も周りの客も何かあっけにとられたような感じだった。リアクションとしては薄くなってしまう。
その上、この体育館は空調が効いていて涼しい為に、屋外のステージで暴れ倒した客が後ろの方で大勢寝ていたりした。
演者としては面白くないであろう。無論、この頃はコロナなどないから、歓声が制限されているわけではない。
キムは更に客を煽る。ちょっとキレていたかもしれない。客は戸惑う。悪循環・・・。気の毒な気もするが、なんかその印象が残っていて演奏がどうだったか、正直覚えていない・・・


そんな少し不穏な雰囲気になった後、THE FLAMING LIPSがトリで登場した。
彼らの音楽は1999年の『The Soft Bulletin』や1995年の『Clouds Taste Metallic』が好きで聴いていたが、ライブはどんな感じなのか知らなかった。
やがてライブが始まった。と言っても演奏が始まるわけではなく、ステージセットの壁面に電飾映像が映し出された。女性がダンスしている。やがて女性が横たわり、その股間が光りだしアップになる。光が大きくなってある瞬間、そこから大きな球に乗った(球の中に入ってた、かな)ボーカルのウェイン・コインが現れ、バーン!と曲が始まるというような(こんな説明で分かってもらえるのか不安・・・)オープニングだった(誕生、ってことなのかな)。
曲は確か、『The Soft Bulletin』の1曲目「Race For The Prize」だった。この曲はダイナミックなドラムと祝祭感のあるシンセのリフが印象的で、最初に聴いて一発で心をつかまれた覚えがある。

↑これは大阪か東京かわからないけど、動画があったので貼らせてもらいます。百聞は一見にしかず(ライブレポみたいなの書いておいてナンですが)


はっきり言ってウェイン・コインはボーカリストとしては弱い。けど、ソングライティングとライブの演出においては立派なエンターテイナーだと思う。
とにかくステージが大がかりで遊園地に来たような非日常感・楽しさがあった。これは、トリにふさわしいわと思った(←なんか偉そう)。観られてよかった。
そして、満足感や複雑な気持ちや色々な思いを持ちながら帰路についた。

この年は、この数週間後に仕事中にケガをしたり、冬にはインフルエンザをこじらせて肺炎になったりと色んなことがあった。社員になってストレスもあったと思う。そして、仕事ばっかりじゃダメだな~息抜きしないと、と行きたいライブには平日でも行くようになった。


これ以降今のところサマソニには行っていない(一度、ストーン・ローゼスが出た年に行こうか迷ったけど)。自分の観たいバンド・アーチスト以外にも色んな音楽に触れられるのがフェスの良い所だ。そういう意味では自分はまだまだだなと思う。
段々年齢的に体力がきつくなってはいるけど、観たい人達を観られるように体力を維持しないとなー、と思っている今日この頃である。

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