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トナラー考

前書き

この記事は、約二年前に書き出してからしばらく放置したり書き足したりを繰り返してようやくまとまり?ました。二年前と少し状況が変わって変な所があることをご了承ください。

トナラーとは?


ある時、職場で若ぇの(後輩のことです)と話していた時のこと。
僕「こないだドトール入ったら、わざわざ隣に座ってくる人がいてさー。他にたくさん席空いてんのに。鬱陶しいから一つ席ずらして座ったわ」というと、
ああ、それトナラーってやつですね。俺もイヤっす。何なんですかね?あれ。」
そこで初めて「トナラー」って言葉を知った。

いつからか知らないが、チマタでは「〇〇ラー」という呼び方が流行り出した。
マヨラー(何にでもマヨネーズをかける人)
アムラー(安室ちゃんの恰好を真似する女子)
クチャラー(クチャクチャ音を立てて食べる人)みたいに。

「トナラー」は区分としては「クチャラー」と同じ、言わば「嫌われ族」で「他に席が空いてるのにわざわざ近くに座ってくる人」だ。こんな言葉が作られるくらい、嫌がっている人が多いのだろう。

人間にはパーソナルスペースというのがあって、ごく親しい人以外の立ち入りを嫌う距離がある。赤の他人がそこに入ってくると、緊張・危険・不快感などを感じるものだ(詳しい解説はウィキぺディアを参照のこと)。


では、何故満員電車はさほど気にならないのか?というと(耐えざるを得ないんだろうけど)、乗客全員がぎゅうぎゅうでパーソナルスペースのない状態だからであろう。
そして何故トナラーが不快かというと、十分相手と距離が取れるのにもかかわらず相手がこちらのパーソナルスペースに入ってくるからである。

一体彼らは何故我々のパーソナルスペースに侵入してくるのか?考えてみた。


人の近くに居たい

外で一人で食事するのが苦手という人がいる。誰かがそばにいないと心細いというか、人の近くが安心するのだろう。

僕も、近しい人からは距離を置きたいけど完全に一人になるのではなく適度に人がいる方が気が紛れるという事はあるので、その気持ちが少しは理解できる。距離は近くない方がいいけど。


人の近くに座りたい

こんな人いるのかわからないが、さっきの「安心するから」というのではなく、その人に興味があるといった理由で近くに来る人はいるように思う。

電車なんかで周りの人をジロジロと見る人間観察好きな人や、若い女の子の隣に座りたいおじさん?もこれにあたるかな。

僕は電車なんかでは、7〜8人掛けの長いシートならなるべく端の方に座りたいが、その真ん前に人が座ると席を移動する事もある。スマホ弄ったり本読んだり二人で話をしてる人達なら気にならないが、さっきの人間観察系の人の場合はなんか嫌なのだ。つば付きの帽子をかぶっている場合はそのままやり過ごすこともあるが。


座る場所が決まっている

よく行く喫茶店やなんかではだいたい座る場所が決まっていたりする。僕の場合も一番はあそこ、そこが空いてなければあっち、と言う具合になんとなく決まっている。

そしてトナラーと呼ばれる人もいつもの場所に座ってるだけなのかもしれない。たまたま僕が先にその人のお気に入りの席の近く(もしくはその席そのもの)に座っていただけなのかも。

例えは悪いが、元々屋外に生息していたゴキブリが、そこに人間が家を建てた為に、雨風をしのげて餌もある家に住み着いたのと同じようなものか。彼らの方が先住民なのである。


トナラーのいろいろ

喫茶店や電車の席だけではなく、いろんな所にトナラーは居る。

例えば駐輪場。

買い物をして出てきて自転車のカギの開錠に手間取っていると、買い物を終えた他のお客が隣の自転車の持ち主だったりする。たまたまなんだけど、パーソナルスペースに入って来られると何となく落ち着かなくて、自分の自転車を横にずらしたりする。

同様に駐車場。

上と同じく自分が買い物から戻ってきたら、隣の車の持ち主も戻ってきたという事もある。運転が不慣れな自分などは少し落ち着かなく、先に出て行くまで待つこともある。

また、駐車する時に既に駐車している他の車を目印に駐車する人もいるようだ。結果、トナラーになっている。車の場合は人と人の距離的には空いているが、車同士が近いと接触しないかが心配になるだろう。駐車場が混んでいたり、狭かったりすると特に。

あとは、ロッカーや銭湯の下駄箱なんかもそうか。隣だと物理的距離はゼロに近いし。中の荷物だけ取ってその場を離れる事も多い。

コロナ禍のトナラー

2020年のコロナ禍以降、いつからか「密を避けるように」ということが頻繁に言われるようになった。主に飛沫感染予防の為であるが、パーソナルスペースを確保していればおのずと密は避けられるだろう。
そして、それがスタンダードになればトナラーともおさらばできるかもしれない!

感染対策を考えても、隣に人が来ることは避けたい。電車なんかだったら隣の車両に移動するなどできるけど、飲食店の場合は少し難しい。自分の場合は席の移動がしやすいように、なるべくセルフサービスの店に入るようにしていた。

しかし、それでも時にトナラーはやってくる。そして、飛沫感染防止のために各テーブルに衝立が立てられていたりする(した)。一人掛けの席なんかでは非常に邪魔である。いびつな状況のまま、日々休める場所を探している(いた)。


トナラーを避けるには


なぜ嫌われるのか?

本人たちは無意識にやっているけど他人から見たら不快だ、という事はよくある。

何度も例に出している「クチャラー」も、本人はいたって普通に食べているつもりだろう。一人で食べるなら問題はないが。

他に家の中での生活音(ドアの開け閉め、階段の昇り降り、足音、いびき、咳払いなど)がうるさいのも他人から見たら不快である。家族ならまだしも、賃貸住宅の隣人なんかだとトラブルになる可能性もある。

気にし出したらキリがないが、他人がいる所では少しは気を使ってほしいとは思う。マナーとかエチケットと言った類の話である。


で、結局のところ

トナラーを避けるにはどうしたらいいのか
究極を言えば「家から出ない」のが一番だ。だけど、家の中にいる場合だってある(風呂やトイレの時間がかぶる、といったこともあるし)。

相手をコントロールすることは難しいし、無駄な労力を費やす。
「気にしすぎだ」という声もあるかと思うが、自分の意識が変えられるなら苦労はない。

考えてみても結局わからない。
ただ気にならないようにすることはできるかもしれない。
例えば周りの騒音が気になる場合なら耳栓やイヤホンで音楽など聴くとか、その場から立ち去るとか。

その点でいえば、やはりトナラーにそのスペースを譲り、その場を離れるのが一番かなと思う。結論としてはそこにたどり着く。
もしくは「トナラーが成り立たない状況を作る」か。物理的に衝立などがあったりして相手の姿が見えないと必要以上に気にせずに済む。

避けれるストレスは避けて過ごす方が良いに決まっている。
そんなわけで、トナラーを避けるために今日も仕事終わりに某所(ネットカフェ)のブース席に入ってこれを書いているわけである。。


後書き

トナラーとは、知らずのうちになってしまうものなのかもしれない。結局のところ、受け取る側の意識次第という気もするし、僕はトナラーについて語りたかっただけなんだなと今思った。


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