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弁理士試験の勉強を始めて9ヶ月。だいぶ疲弊してきたので色々思うことを書いていく。

パトラッシュぼくはもうつかれたよ。

デンマークの童話に出てくるフランダースの犬。ネロの気分です。

何で弁理士試験の勉強なんてしてるんだ?毎日。と疑念が湧き出す今日この頃。3月に勉強を開始した時は「絶対1年で受かってやる!」と意気込み、何かこう可も不可もなく点数をつけるとしたら60点。一応単位はあげるよみたいな自分の人生が劇的に変わるんじゃないか?なんていう思いで始めた弁理士試験の勉強。

そしてあれから9ヶ月経ちました。通信でやってるから「同期」の雰囲気はあまり伝わってこないのですが、私は10月11月は完全に中だるみ時期でした。(とは言っても月110時間ほどは勉強してました。)

大人になって「受験勉強」をしていると高校3年生の頃を思い出すんですよね。当時学校ももちろんほぼ皆勤で行ってたのですが、高校は土日が休みで予備校は年中無休である分、予備校に通ってる日数の方がはるかに多いっていう生活でした。

夏休みに予備校に行って物理選択者はみんな通る「重要問題集」を朝から解いてたんですが、この問題集が本当に難しいんですよね。

ようやく1/2mv^2=mghだとか向心力とか反発係数eとか力積とかそんなのを覚えて人生で初めて"大学入試の物理"に挑戦する機会だったと思います。毎日朝の9時から昼12時までは"重要問題集・物理"と決めてコツコツ解いていたんですが、3時間で進むのはたったの3問。

あっ、弁理士試験の問題を解いている自分ってこれと同じ時期だ…と感じます。3問を考えるんですが、わからない。わからないから解説を読む。解説を何度も何度も読んでとりあえず理解して白紙に"→mgsinθ"だの"mgcosθ"だの書いて水平方向と垂直方向に力のベクトルを分けていたあの頃。

あの時の私なんですよね。今って。アドバンステキストに掲載されてる過去問を読んでても「え?どういう意味?」って何度も読み返して結局わからんから白紙に時系列を書いてみて。

本当に進まないんですよ。大体1ページあたり2問あるんですが、1ページ進むのに5~6分はかかってると思います。毎回の授業で50ページ進むので100問を毎回こなしていくことになります。つまり500〜600分。

本当にきつい。というか進度がえげつない。文句を言ってても仕方がないんだけれど。大体、今の職場に対してそこまで大きい不服もなく人間関係も特段問題がなく、化学の模擬試験を作ったり生徒に化学の話をしたりしてるのに楽しみを何となく感じられているのにこれを壊して次の段階に進もうと苦労しているのが全くもって理解できず笑

ただ、人間苦しくなってくるとやらない言い訳が思いつくんですよね。で、やらないときに限って万能感に満ちてくるんですよね。あの頃に戻ったら絶対こうするって。いやいや今やらないあんたは戻ってもやらねえよって笑

だから外野がごちゃごちゃ言ったりやってない人がやったらできるというのはナンボでも言えるけど、実際当事者になって仕事から帰ってきて勉強してみたり、昼ごはん食べながら、風呂に入りながら講座を聴いたり、休日返上したりみたいな泥水すするような生活はやってみないと実感は湧かんのだよ。

仕事しながら毎月130時間勉強するってマジできついよ。ほんま。(ただやる気は戻ってきた)

後学のために

後学というか今後の自分のためになのですが、"受験勉強"をしていて感じたこと、こうしておいたらより効率化を図れたかもしれないと思うことを書いておきたい。

1つ目は、入門段階ではまとめノートは完全に不要であること。

はっきり言ってまとめノートというのは無駄でしかない。理由は入門テキスト自体が余計なことはほぼ書いていないからわざわざまとめる必要性がない。全部覚えてまえと。

確かに勉強を進めていくと、マニアックな知識だったり、ここ苦手なんだよねという知識があったりする。そういうところを勉強が進んできた段階(入門講座以降)でまとめておくのは有効だと思う。

2つ目は、まとめノートは一元化するべきであること。

大体色んな媒体にまとめてていつ見るんやと。どうせ見ないだろーがと。カードに書いてみたり、ノート作ったり、エクセルに打ち込んだり。

どれか一つにしろと。ということで私は宮レジの巻頭に白紙をつけてそこにまとめることにした。どうせそれ以外見ない。「自分の覚えてない内容」をたくさんの媒体から探し出すのがだるい。

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3つ目は、隙間時間を最大限に有効に使うために机に座っている時の準備をすることが大切であること。

は?って感じですが、例えば風呂の中でテキスト持ち込めないし、歩いてる時にスマホで講義を"見る"のは無理。

だから例えば歩いてる時は宮口ボイスだけを聴くことになるわけです。で、何も見ずに聴いてるだけで内容や状況を把握できる状態ってそこそこ理解できる内容じゃないと無理なんですよね。

つまり、1回しか聴いたことがない講座の内容を次に歩いてテキストも映像も見ずに音声だけで理解するというのは甚だ超人離れしているということです。無理ですよそんなの。

だから、聴く音声は、前日に聴いた講義内容であったり、もう聞き飽きた内容(つまり9割くらいは理解している話)を再度聴いて、「思い出す(または残りの1割を聴きながら探す)」イメージで聴く必要があるんですね。

理解できないのに聴いてても聞こえてるだけですから。英検2級しか持っていない人がBBCのニュースをリスニングしてもまあ効果ありませんって話です。ばじとーふーです。

質問制度が個人的にほんのちょっとだけ微妙

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質問できる制度があるのですが、このシステムが個人的には微妙だなと。いやもうこれ以上がないから仕方がないんだけど。それにきっと回答者さんも忙しかったりたくさんの生徒からの質問があるから仕方ないのかなとは思うんだけど、

質問に対する回答が遅すぎる(概ね2週間が目安)というのと、1行から数行程度の回答しかもらえず。もちろん私の質問の仕方が良くないということだとは思います。

以下のような質問をしたんですが回答はあまり得られませんでした。(ちなみになるほどと理解する回答も得られる時もあります。)

【過去問】実案登録無効審判において、答弁書提出があった後でも承諾を得ることなく審判請求取下ができる場合がある。

これの答えは○です。確かにアドバンスで調べてもそう書いているのですが、実案権者は答弁書を出して審判請求に対して受けて立つ、つまり戦う気満々のくせに46の2をして逃げるというのはいいのでしょうか。そういったことは理論上可能だから答弁書提出したけど、46の2をして逃げた。請求人側に立ってみれば戦う気なのか逃げる気なのか不明瞭な気がするのですが、こういったことはありうるのでしょうか。

弁理士の先生方や受験生の方でわかる方は教えてください。まあ確かに微妙な質問なのかな笑??

あと、今日、中用権の問題を解いていて抱いた疑問があります。

【過去問】意匠登録を無効にして同一の意匠について正当権利者に意匠登録をした場合における原意匠権者であって、意匠登録無効審判の請求の登録前に、意匠登録が意匠法48条1項各号のいずれかに該当することを知らないで、日本国内において当該意匠に類似する衣装の実施である事業をしているものは、当該意匠登録出願が当該正当権利者の意匠登録出願の日前にされたものである場合に限り、同法30条1項(意匠登録無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)の通常実施権を有する。

答えは×です。出願の先後に関係なく、30条1項の要件を満たせば、中用権を有する。とのこと。

答えはまあ納得いくのですが、これが仮に特許権の話で特許法80条の中用権に関する話だと、

特許権:同一範囲に独占排他権 つまり先願と後願は全く同じ特許出願をしている。

意匠権:同一類似範囲に独占排他権なので先願と後願が全く同じだとは限らない。

ここから導かれるのは、特許の場合は完全に同じ出願を2つしている状態なので「必ず」"後願出願人"が"無効審判被請求人"になると思うんですよね。だから、80条1項の場合も2項の場合も後願が無効審判で潰されて中用権を得る形にしかならないと思うんですよ。

でも意匠権の場合先願と後願がぴったり同じということはないので、特許と違って必ずしも"後願出願人"が"無効審判被請求人"になるわけではないのかな?なんて思ったり。

というかこの問題「日前にされたものである限り」というか「日後にされたものである限り」の方が問題として良くないのか?「日後にされたものである限り」と言われたら悩ましいよね。でも出願の先後に関係なくと書いているから×になるんだろうけど。同じ問題が特許で出たらどうなんだろ?って話でした。

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