呪術廻戦の「黒閃2.5乗問題」について真面目に考えてみた

こんにちは、しろです。

みんな大好き呪術廻戦、漫画もアニメも盛り上がってますね。
というわけで、唐突に呪術廻戦の「黒閃2.5乗問題」について考えてみます。

『呪術廻戦』第6巻(第48話)より

「黒閃2.5乗問題」とは

いわゆるクリティカルヒットである「黒閃」ですが、上記のとおり第48話で「黒閃の威力は平均で通常の2.5乗」と解説され、ジャンプ掲載時に読者から大いに突っ込まれました。

(ツッコミの例)
 「何を基準として2.5乗なの?」
 「元の威力が1未満だと弱くなるやん」
 「威力の単位って何?」

「なぜ威力がべき乗で増すのか?」という点について、作者の芥見先生は第6巻のおまけで「倍より乗の方がすごそうだから」と言っています。
案の定、担当編集者から「1は2乗しても1ですよね」と突っ込まれて、「1の呪力って何? 呪力は2から!」とちょっとよくわからないことを仰っています。

『呪術廻戦』第6巻 おまけページより

本記事では、この「黒閃2.5乗問題」へのアンサーとしての仮説を紹介します。

「威力」って何?

まず、「黒閃の威力」の「威力」とは何なのかを考えてみます。

黒閃の威力は通常時の2.5乗というからには、「通常時の威力」と「黒閃時の威力」とが互いに比較可能な物理量である必要があります。ここから、「威力」は無次元量であるといえます。
というのも、仮に「威力」が次元のある力やエネルギーだとすると、これを2.5乗したものは物理量として力でもエネルギーでもなく、元の「威力」とは比較不可能だからです(「次元」についてはこちらの説明がわかりやすいです)。
もし威力がエネルギーだとすると、通常の威力が2J(ジュール)であれば黒閃時の威力は以下のように5.66 J^2.5となり、物理的な次元が違う量になってしまいます。「1メートルと1平方メートルってどっちが長い?」と考えるようなものです。

さらに、黒閃をキメると明らかに力が増加していることから、2.5乗する前の「威力」は1より大きいことがわかります(芥見先生は2以上と言ってますが、「2.5乗したときに大きくなる値であればよい」という趣旨であると理解できるので、ここでは無視します)。

ここまでをまとめると、「威力」は「1より大きな無次元量」である必要があることになります。

「威力」の条件:1より大きな無次元量

2.5乗されるのは「呪力強化率」と考えればスッキリ

この条件を満足する最もわかりやすい量は、「通常の打撃が呪力でどのくらい強化されるか」だと思います(以下、この値を「呪力強化率」と呼ぶことにします)。

呪力を込めた打撃が、通常の打撃よりも強化されることは作中で示されています。

『呪術廻戦』第2巻(第12話)より

仮に打撃のエネルギーE0(エネルギーではなく力などでもよいです)が呪力によってc倍に強化されるとすると、呪力強化後の打撃のエネルギーEcは以下のとおりです。

このとき、この「c」が呪力強化率に当たりますが、これは「1より大きな無次元量」ですよね。
したがって、黒閃時には呪力強化率が2.5乗になると考えれば、「黒閃2.5乗問題」はめでたく解決です☆

つまり、黒閃時の打撃のエネルギーをEbとすると、呪術師平均で

であり、簡単にいうと「通常のパンチを呪力でブーストするとき、黒閃をキメるとブースト力が2.5乗になる」ってことです。

打撃に呪力を込めることでどのくらいブーストがかかるのかは不明ですが、たとえば虎杖くんの普通のパンチが呪力を込めると5倍の強さになるとすると、黒閃時は5の2.5乗倍≒56倍になるわけです。
五条先生クラスだときっと普通のパンチも呪力を込めると100倍くらいの強さになるでしょうから、黒閃時は100の2.5乗倍=100000倍の強さになります。つまり普通の呪力パンチの1000倍の強さ。黒閃ヤバイ。


こういうこと

もし黒閃の威力が2.5乗じゃなくて2.5倍だったら、ゴジョセンが呪力を込めたパンチの強さが普通のパンチの100倍としても、黒閃をキメてもせいぜい普通のパンチの250倍。
試しに黒閃の威力を2.5乗で計算した場合(青)と2.5倍で計算した場合(オレンジ)とを比較するグラフを作ってみると、2.5乗の方が圧倒的に強くなることがよくわかります。
芥見先生の意図どおり「倍より乗のが強い!!」となるわけですね。おめでたい!

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