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2018.11.19 「京のかたな」展貸切&音声ガイド覚え書き

5度目の「京のかたな」展は、JR東海ツアーズのWEB限定 日帰り貸切プラン。橋本麻里さんのイベント付き&500人限定の贅沢な見学でした!

13時に現地集合なので、それまでは大覚寺の戊戌開封会を見に行ったりしていました。とても居心地の良いところだったので、また別の機会にゆっくり参拝したいものです。

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トークイベントは能楽師(ワキ)安田登さん×橋本麻里さんによる「小鍛冶を中心とした能と刀の関係」。
全員で「小鍛冶」の謡曲を読み上げる時間がとても楽しかった。
文字で読んだり、能を拝見したことはあるのですが、実際に能楽師さんに倣って声に出して読み上げると、よりこの謡曲の芯にある力強さのようなものを感じることが出来た気がします。良い体験でした。

今回の見学では1階から順路を逆に見ていったので、最後の15分くらいずっと三日月宗近の佩表をじっくりと見ることができて大満足です。

後期からの来国俊の小太刀が本当に白鷺の首みたくほっそりと整っていてとても綺麗。例の身代わり国行もすっと優美でした。
刀の鑑賞をはじめたばかりの頃に一目惚れしたのが来派の太刀だったのですが、気品の漂うあの姿、何度見てもやっぱり好きだなあ。
あと、骨喰藤四郎は何度見ても見るからに強そうで勇壮でかっこいい……。

そして「京のかたな」展、その贅沢すぎる展示内容もさることながら音声ガイドが本当によくて。
行って聞くたびに、心の柔らかなところにじんわりと滲みとおるような、ああ、刀剣乱舞を好きでよかったな……と幾たびも思わせられました。

三日月の「ものが語るゆえ物語、でははじめよう」からスタートし、
膝丸の「物と伝承は必ずしも同じである必要はありません。物事を語り伝えるためには記憶を託す物が必要なのです。歴史を背負うにふさわしい名品だからこそ伝承が積み重ねられ、いつしか本物として語り継がれてゆくのです(ニュアンス)」という言葉を経て、
そして「ものを思い、ものが作られた歴史を思う人々がいる限り、みやこの刀のものがたりはこれからも続いていくのです」という締めくくられる音声ガイド。

刀剣乱舞の世界のなかで刀剣男士という存在が生まれた理由、戦う理由、彼らの担った役割と、この「京のかたな」展の音声ガイドで一貫した核として言語化されている思いが、綺麗にリンクして重なっているような気がしました。

私は2016年に東博の表慶館で開催されていた「黄金のアフガニスタン」という展覧会の入口に掲げられていた「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」という言葉がとても好きなのですが、刀剣男士たちも同じなのだなあって。

私たち人間が、彼らのことを忘れずに、思い、学ぼうとする限り、存在しなくとも形が失われても、彼ら刀のつくも神たちはいくらだって生きながらえる。
彼らの物語に終わりの訪れる日など来ないよう、いつまでも何度だって語り継いで伝えて、美しい物たちを大切に愛おしんで守っていきたいものです。

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「京のかたな」展を見られるのはこの日が最後だったので、名残惜しく豊国さんに寄ってご実家里帰りを大満喫している三日月宗近くんを見てから帰路につきました。

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