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七夕決戦を前に…。

 明後日7月7日は東京都知事選挙です。まあ茨城県民の私には投票権があるわけではないのですが。今回の選挙で注目されている候補者の一人が、前安芸高田市長の石丸伸二氏(41歳)です。彼は人口約25,000人ほどの広島の小さな市の首長を一期務め上げることもなく、辞任してこの選挙に立候補しました。そんな小さな街の市長がなぜここまで注目されたのか、それはyoutubeで彼の市議会での振る舞いがバズッたからに他なりません。地方のとくに高齢の市議会議員をバサバサと「論破」していく様は、ある意味痛快に見えるのでしょう。私はうすら寒いものしか感じませんでしたが。

 石丸氏が一部に熱狂的に支持される理由はわかります。それは政策だとか結果だとかではありません。なにか自己陶酔的というか、自分を絶対的な存在と信じていて、カリスマ性を持っている人間は他者を吸い寄せる何かがあるのです。強そうに見える人間に弱い自分を同化してしまっているのでしょうか。 ある人は「石丸氏自身というよりも、彼を熱狂的に支持する人たちの様子が怖い」というコメントをしています。私も同感です。カルトの信者たちやQアノンに近いものを感じます。

 石丸氏のインタヴューなどを見ると、いかにも自信満々で、自己肯定感が恐ろしく強く、物事に対して逡巡する様子がまるで見えません。私はそういう姿を見せない人は警戒してしまうのです。

 さらに石丸氏は、市議会を「敵」とみなして「自分はこのような物事をわかっていない市議会によって攻撃されている」状況を作り出して、議員たちバッサバッサと断罪しまくる手法はカルトの教祖とか、権威的な宗教者とかのそれです。そしてこのような手法をとる政治家が増えていることは、私たちの生活にとって良いこととは思えません。

「郵政民営化に反対する人間はすべて抵抗勢力だ」
「府は破産会社。皆さんは破産会社の従業員だ」
「悪夢の民主党政権」
 皆さん、聞き覚えがあるでしょう。その時は世間の多くがこうしたフレーズに熱狂しました。しかしどうでしょう。小泉政権下で郵便局のサービスは民営化される前より悪くなり、非正規労働者が日本中に溢れることになりました。大阪はコロナ対策はボロボロでコロナによる死者は最多でした。その背景には保健所の削減があったと言われています。現在の大阪は万博で迷走しています。安倍さんの死はあってはならない事件でしたが、その後に自民党と統一協会のズブズブな実態が明らかにされました。
 現在の都知事もこのような手法を繰り返して政界を生き抜いてきたことは言うまでもないでしょう。

 私は医師でも心理士でもありませんが「narcissistic personality disorder」というフレーズが浮かびました。牧師人生で何人もこのような人(牧師や信徒)を見てきました。人を傷つけても平気な一方で、熱狂的な支持者を生み出すのです。

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