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旅立ち

私は修道院などに行きたくない。


目の前に広がる山々の谷間に広がる草原を見ながら思った。
私は十代の少女で、この風景を眺めるのが好きだった。
家族で牧畜を生業としていた。
山羊や羊たちを追い、緑の草原の中を走り回ることは何とも言いようのない至福のひと時を感じる時間だった。
私はこの場所に一生居たいと思っていた。
しかし、修道院へ行くことを母が決めた。
私は逆らう事は出来ない。
母の意見は絶対であり、周りから何と言われようとも変えることは無かった。

母は私が修道院に入りそこで出世することを望んでいた。
信仰心からではない。
ただこの暮らしが嫌だったのだ。
私にはとても幸せな暮らしでも母にとってはただの苦痛の連続の毎日でしかなかったのだ。
そして私を修道院に入れようと思ったのは、私が出世して権力を握れば自分もこの暮らしから抜け出せる、と母は考えていたようだ。
私といえば信仰心は厚くも薄くもなく、一般的な信仰の程度だったと思う。
そして、母の望むとおりに私はこの地から遠く離れた修道院に入った。


この過去世はあるイベントで見てもらったものでした。
私がヒプノセラピーを学んでいくうちにまた自分でこの後の人生を見ることになります。

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