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がん患者が運動を継続するために必要なことは?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

がん治療中およびがん治療後の運動介入へのアドヒアランスの予測因子-システマティックレビュー

H L Ormel et al.: Predictors of adherence to exercise interventions during and after cancer treatment: A systematic review, Psychooncology. 2018 Mar;27(3):713-724

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 運動介入はがん患者にとって有益である。しかし、これらの介入を遵守する患者の数は少ない。本レビューでは、がん患者の多面的がん治療中および治療後の運動介入アドヒアランスの予測因子を特定することを目的とした。

[方法] 電子データベース(PubMed、Embase、Cochrane)を用いて文献検索を行い、2017年2月1日以前に発表された関連論文を特定した。多重療法によるがん治療中および/または治療後に運動介入に参加した成人がん患者を対象に実施された無作為化対照試験を報告し、運動の継続を予測する因子の結果を提供している論文を対象とした。論文は、Physiotherapy Evidence Databaseスケールを用いて方法論的品質を評価した。

[結果] 検索の結果、720件の関連する可能性のある論文が見つかり、そのうち15件が適格性基準を満たした。これら15件の研究では、2279人の患者が対象となり、このうち1383人が運動介入に無作為に割り付けられた。がん治療中、運動の継続を予測する因子は、リハビリテーションセンターの所在地、豊富な運動歴、運動に対する高いモチベーション、運動制限の少なさであった。がん治療後、運動の継続を予測する因子は、次のとおりでした:手術の範囲が狭い、アルコール消費量が少ない、以前の運動継続率が高い、家族の支援、トレーナーによるフィードバック、運動の知識と技能。収録された論文の方法論的質は「高い」と評価された。

[結論] 運動介入のアドヒアランスの最も顕著な予測因子は、リハビリテーションセンターの所在地、豊富な運動歴、運動に対する高いモチベーション、および運動制限の少なさであった。利益を得るがん患者の数を増やすために、これらの結果を今後の運動介入の開発と実施に考慮すべきである。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

聞けば当たり前だと思う結果かもしれないが、「リハビリテーションセンターの所在地」、「アルコール消費量が少なさ」も予測因子に入ってくるところは興味深い。また、改めて運動に関する知識をしっかりと情報提供していくことが大切だと感じた。

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