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膝OAに対する筋電図バイオフィードバックの効果は?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

変形性膝関節症患者の疼痛、機能および内側広筋の最大厚さに対する筋電図バイオフィードバックの有効性:無作為化臨床試験

Seyed AR et al. : The efficacy of electromyographic biofeedback on pain, function, and maximal thickness of vastus medialis oblique muscle in patients with knee osteoarthritis: a randomized clinical trial, J Pain Res, 2018;11:2781-2789

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 本調査の目的は、変形性膝関節症(OA)患者において、等尺性運動に筋電図バイオフィードバック(EMGBF)を加えることが、疼痛、機能、厚さ、斜角広筋(VMO)の等尺性収縮における最大電気活動に及ぼす影響を検討することであった。

[方法] この臨床試験では、変形性膝関節症と診断された患者46名を募集し、2つのグループに分けた。症例群はEMGBFを併用した運動を行った23名で、対照群は等尺性運動のみを行った23名で構成された。データは、ベースライン時と試験終了時に、視覚的アナログスケール(VAS)スコア、ペルシャ語版Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis IndexおよびLequesne質問票、VMOの超音波検査、およびこの筋肉の表面筋電図によって収集された。各群の運動プログラムの前後および2群間で変数を比較した。

[結果] 試験終了時には、測定された変数に関して両群間に有意な差はなかった。VASスコアのみが症例群で有意に低かった。VMO筋厚を除くすべての評価項目が各群で有意に改善されていることがわかったが、VASスコアを除き、その変化の度合いは両群間で有意な差はなかった。VMO筋厚は、いずれの群でも運動療法後に有意な変化は見られなかった。

[結論] EMGBFを伴う等尺性運動と、バイオフィードバックを伴わない同じ運動を2ヶ月間行ったところ、どちらも膝OA患者の痛みと機能を有意に改善することができた。本物のEMGBFは、VASスコアを除いて、いずれの測定変数においてもバイオフィードバックなしの運動よりも優れていなかった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

筋電図バイオフィードバックによって、筋力は変わらず、疼痛が軽減したことは興味深い。考察ではVASは主観的評価であるため、被験者の満足度の変化によるものでは?としているが、さらなる研究が期待される。

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