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脛骨内旋はVMOの活動を活性化させる?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

健常者のSLR、short arc quad、脛骨内旋ー股関節内転エクササイズにおけるVMOとVLの筋電図解析

Kumar M, Srivastava S: Electromyographic analysis of VMO and VL across straight leg raise, short arc quad, medial tibial rotation and hip adduction in normal individuals, Work 65(1), 2020, 153-159.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] 膝蓋骨の横方向のずれは、膝蓋大腿部痛症候群(PFPS)の主な原因と考えられている。PFPSは、職業的には、長時間の座位、階段の昇降、しゃがみ込み、膝をつくなどの動作によって悪化する。内側広筋斜走線維(VMO)の強化は、外側広筋(VL)の横方向の力に対抗し、膝蓋骨を安定させるのに役立つ。本研究の目的は、6つの一般的なリハビリテーション・エクササイズ(RE)を比較し、職業労働者のPFPSを軽減するためにVMOを選択的に活性化できる可能性のあるエクササイズを特定することであった。

[方法] PFPSの既往歴のない10名の被験者に、6つのリハビリテーションを実施してもらった。すなわち、ニュートラルな股関節位置でのストレートレッグレイズ(SLRN)、外旋した股関節位置でのストレートレッグレイズ(SLRER)、ニュートラルな股関節位置でのショートアーククアド(SAQN)、外旋した股関節位置でのショートアーククアッド(SAQER)、脛骨内旋および股関節内転(HA)である。REは、VMOとVLの筋電図活動の統合に基づいて比較した。

[結果] その結果、すべてのREにおいて、VMOの活動がVLの活動を上回っていた。しかし、この差は6つのREのいずれにおいても統計的に有意ではなかった。HAはSLRN、SLRER、SAQNよりも有意に高いVMO活性を示した。

[結論] 今回の結果により、PFPSと診断された患者の治療に適したREを選択するための選択肢が広がった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

前回の記事でも記載したが、「脛骨内旋」と膝疾患との関わりは、一つの重要なトピックであるだろう。「脛骨内旋および股関節内転」のエクササイズは具体的にどのような内容だろうか?OKC?CKC?これから研究が増えていくだろう。

少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。