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リングフィットアドベンチャー(任天堂)で腰痛が軽減する!

▼ 文献情報 と 抄録和訳

リングフィットアドベンチャー(任天堂)が慢性腰痛患者の痛みと心理的要因に及ぼす影響について

T Sato, K Shimizu, Y Shiko, et al.: Effects of Nintendo Ring Fit Adventure Exergame on Pain and Psychological Factors in Patients with Chronic Low Back Pain. Games Health J. 2021;10(3):158-164.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 近年、エクセルゲームの治療効果に関する研究が増加しているが、慢性腰痛に対するこの種の介入に関する研究はほとんどない。本研究では,任天堂のエクサゲーム「Ring Fit Adventure(RFA)」が慢性腰痛患者に有効であるという仮説を立て、無作為化プロスペクティブ縦断研究を行った。

[方法] 本研究では、慢性腰痛の患者を対象とした。無作為に選んだ20名の患者(男性9名、女性11名、平均年齢49.3歳)をRFA群とし、RFAエクサゲーミングを週1回、40分間(アドベンチャーモード30分+腰痛改善プログラム10分)、8週間実施した。20名の患者(男性12名、女性8名、平均年齢55.60歳)を対照群とし、8週間の内服治療を行った。両群の治療前と8週間後に、痛みと心理学的スコア(痛みの自己効力感,痛みの破局恐怖症,運動恐怖症)を測定し、分析した。

[結果] RFA群では、8週間のRFA exergamingにより、腰痛、臀部痛、痛みの自己効力感が有意に改善したが、下肢のしびれ、痛みの破局回避、運動恐怖症には有意な改善は見られなかった。対照群では、8週間の内服治療後に有意な改善は認められなかった。

[結論] RFA exergamingは、慢性腰痛患者の痛みの自己効力感を高め、痛みを軽減した。今後、痛みの自己効力感を向上させる治療プロトコルを開発する必要がある。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

私自身、RFAを休みの日は必ずしているが、単純に、めっちゃ楽しい。エクササイズに、「RPG」の要素を非常に巧みに取り入れている。全クリしてしまったので、早く続編が発売されないか待ち遠しい(話が逸れた)。上記の論文は以下の記事でも紹介されているので参照されたい。

また、RFAは非常に沢山のエクササイズが選択できる。今回は基本的に運動の選択はゲーム内の指示や被験者により行われている。理学療法士の視点で考えれば、ここに、私たちが関与できるところがあるのではないかと感じた。

[RESEARCH QUESTION] 療法士が患者を評価し設定したRFAプログラム(RFA-P)は、同一のプログラム(RFA)と比較し慢性腰痛患者の疼痛の改善に寄与するか

私自身も、腰痛改善プログラム(ゲーム内に元々プログラムされている)を行ったことがあるが、個々人の身体・精神状態によっては、エクササイズの組み合わせを変更した方が有効なのではないか?と思っていた。本論文の考察にも述べられているが、人によってはヨガセッションを多く取り入れた方が有効な場合もあるだろう。こうしたエクササイズの選択を、療法士の評価により行えばより効果的であると感じる。

例えば、週1回外来リハビリに通院していたとすれば、「○○の機能が良くなってきたから、今週からRFAのバンザイモーニングをヒップリフトに変更してみて!」などである(RFAをもっていない方には分からない内容ですいません)。エクサゲームを適切に取り入れ機能改善を図っていきたい。

少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。