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魔物とかき揚げそば

この土日で埼玉ー茨城間を行き来した。運転が嫌いな私にとってこれは大変な重労働で、埼玉に戻ったあとは2日は休みが欲しいレベルの肉体的精神的疲労が身体に残る。

できることなら高速道路なんて使わない一生を終えたいが、時間効率を考えると使わずにはいられない。
とはいえ、私にとって三郷ジャンクションは割り切って利用するには複雑怪奇すぎるので、いつも圏央道を使って茨城に行くことにしている。

この圏央道が曲者で、茨城ゾーンに入ると片側一車線になるためせっかちなボーイズ&ガールズはインター付近でおとずれる追い越し車線登場エリアでわずかなチャンスをものにしながら先を急ぐ。
私のような運転嫌いは他のドライバーを信用していないので「調子に乗って追い越し車線を走ったら意外とずっと車が続いてて、追い越し車線区間が終了し本線に戻らなければならないタイミングで全然入れてもらえなかったらどうしよう」という思考になるため茨城ゾーンの追い越し車線は使わない。

あと、地元が茨城なので茨城のドライバーの素性は知っている。正直、彼らにはやさしさのかけらもない。全員が異様に行き急いていて、子供たちもそれを当たり前の景色にしてすくすく育っていくので大人になると優秀な行き急ぎドライバーとして花開く。
茨城の県民性としての運転のあらさはこうして脈々と受け継がれていく。

・・・言い過ぎたとは思っていないけど、一応バランスとります。

「茨城大好き!!!」

茨城のみんなは車に乗っていなければ優しいから、この郷土愛で許してくれるはず。よかった、茨城の人が優しくて。

話を圏央道に戻すと、圏央道茨城エリアはそんなカーキャングあるいは県民のほとんどがこち亀の本田である茨城県民に対して「まぁまぁ、そんな焦っていいことないよ?高速道路で信号がないだけマシだろう、気長にゆっくりやろうや」というネクスコ東日本からのメッセージをひしひと感じるつくりなのだが、夜になるとそんなのんびり穏やか高速道路に魔物が現れる。
高速道路に一番来てほしくない悪魔、睡魔だ。

圏央道の茨城エリアは緑生い茂るスーパー田舎の景色が続く(五霞からつくば中央くらいまで)。
道中ほとんど画変わりがなく、例の建物が見えると「あ、もう常総か」と思うくらいであとはずっと木々と田んぼの連続。
その建物すらさすがに夜間はライトダウンしているので、夜の圏央道は闇の中の信号のない一本道をただひたすら進むという「これで眠らないほうがおかしい」というくらいの試練の道となる。

私はこの試練に耐えられず、思えばよく体が無傷だったなと思うくらいの事故を起こしたことがある(以後、夜間にひとりで圏央道を運転することは絶対にやめようと心に誓った)。
それでも不可抗力というか、必要に迫られて夜間に走行することがある。
そんなときは、時間はかかってもいいから少しでも不安がよぎったら下道で行くという厳格なマイルールを課している。

そして今日、私は試練の道を越え、無事埼玉へと戻ることができた。
茨城を出る前に晩御飯を食べていたが、試練が過酷すぎてお腹がすいたため自分へのご褒美として、帰宅後にかき揚げそばを作って食べた。
夜11時を過ぎており、最近太り気味の私にとってあってはならない行動だったが、もうそんなことどうでもいいくらい疲れていた。

スーパーで買った50円くらいのそばに冷凍のかき揚げをのせたもの

美味しかった。


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