これ読んで荷造り③
ずいぶん前に買ってから何年も読んでない本が結構な数ある。今回引っ越しの荷造りを契機としてそんな本たちを読み返そうという、ざっくりそんな話。
とはいえ引っ越しの日が近づいてきて、全部読み返すのは難しそうだなぁ…残りは荷解きで読み返そうかな。
今回読んだのはいくえみ綾の「スカイウォーカー」。
私はいくえみ先生の他の作品は持っておらず、この作品は完全に奥田民生のファングッズとして購入したのでいくえみ先生情報はひとつもない。
ただ、この短編集はすごい好き。
なんせ奥田民生大好きな大物作家がその才能のすべてを奥田民生愛にのせて物語を紡ぎ、それを奥田民生大好きな読者が読むんだから楽しいし好きだろう。
内容としては以下の曲をモチーフにしたショートストーリーを集めた短編集で、その曲を脳内で再生しながら読むと尚良しの素敵な物語だ。
MANY
スカイウォーカー
無限の風
マシマロ
特に表題になっている「スカイウォーカー」がすごい好きで、もちろん曲も最高だがその歌詞世界と優しいメロディを十二分に表現したストーリーがもう、なんか「ありがとう!」って思えてくる。
物静かで漫画を描くことが趣味だがひときわ背が大きいことから悪目立ちして周囲から距離を置かれている中学生男子と、歌を趣味にしている、クラス内のやんちゃな男子から「イジメ」と言って差し支えないレベルの仕打ちを受けている小柄な男子中学生がひょんなことからお互いの趣味を知り、静かにゆっくりと友情を深めていく物語。
身長差のある二人が並んで町を歩く後ろ姿なんて、スカイウォーカーのサビの歌詞「二人で歩いたら 頭はからっぽで 悩みは消えてしまったんだ」が絵から聞こえてきそうな素敵なカットだ。
今、いくえみ先生がこの企画をやるとしたらどの曲をチョイスしてどんな漫画を描くんだろうな。またやってくれないかな。
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