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#267 学級担任の思い込み

学級担任の思い込み

学級担任としての経験を積んでくると、ついやってしまうことがある。

「○○さんは、△△さんと似ているなあ。うん、△△さんタイプだな。」

目の前の子どもを、以前担任した子どもと同じタイプだと決めつけてしまうのだ。
「子どもは一人一人違う」とは分かっていても、過去の経験に当てはめて捉えようとしてしまう。

思い込みの正体

なぜ、僕らは思い込みをしてしまうのか?

どうやら、思考には2つの思考があり、そこに原因がありそうだ。

行動経済学者ダニエル・カーネマンが「ファスト&スロー」の中で提唱している「速い思考」と「遅い思考」だ。

システム1 速い思考
直感や過去の経験に基づき、日常生活で大半の意思決定を素早く下している

システム2 遅い思考
慎重に考えるときの脳の働き

なるほど。
ということは、思い込みはシステム1がきっかけで起こるということだ。

だったら、システム2を使えばいいじゃないかと思うのだが・・・
システム2は集中力を大きく使うため、脳のエネルギーを消費する。これは大変だ。なんでもかんでもシステム2を使っていては、負担が大きすぎるというわけだ。だから、僕らの脳は、大半の物事をシステム1で処理している。

「思い込みの壁」を超える

目の前の子どもをありのまま受けとめる。しかも、30人同時に。しかも、年度初め早々に。

ん~、難しい!

そこで、システム1を使って、これまでの経験に当てはめ、仮の認知をするのは有効な手立てだ。

しかし、ここで忘れてはいけないのは、「仮」であること。日々の生活の中で見せる子どもたちの様子から、自分の認知が「仮」であることを自覚し、再定義していくことが大切だ。

○○タイプと決めつけてしまう、始めの印象の色眼鏡で見てしまう、などの「思い込みの壁」がいつでも現れる。システム1が駆動するのが通常運転なのだから仕方ない。この自分の認知を自覚することで、子どもをシステム2で捉え直すことができるのではないかと思う。

あなたの「子どもの認知」は、システム1のままになっていませんか?
 

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