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タイ事業爆速立上!日本、ベトナムの次の3ヵ国目!

Passion Monster の後藤陸と申します。
現在はHead of Thailandをやっています。


NOTEの目的

  • 今回のタイへ進出での学びを共有することで、社会課題の解決への挑戦を考えておられる方の参考に少しでもなればと思っています。

  •  特に、グローバル規模での社会課題解決に挑戦なさろうとしている方のお力になればと思います。


そもそもキャディとは?

我々は「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」というミッションのもと、製造業のバリューチェーン全体に潜む構造的な課題を、グローバル規模で解決しようとしております。
製造業プラットフォーマーとして「MANUFACTURING(特注加工部品の供給事業)」や「DRAWER(ソフトウェアクラウドサービス事業)」を提供しております。
是非こちらの記事やホームページをご覧ください。


タイへの進出、CADDi THAILAND の創業開始

2022年3月にキャディ最初の海外拠点をベトナムに設立しました。
そして2022年11月9日、三カ国目となるCADDi (THAILAND) Co., Ltd. が誕生しました。
ベトナムへの進出からまだ8カ月ではありますが、実際何をどう進めたのかをお話出来ればと思います。

CADDi (THAILAND) Co., Ltd. 設立までの経緯

7月20日: タイリサーチ開始
8月16日: タイ設立を決定
9月8日:   タイ国パートナーへのCADDi JAPANからの取引開始
11月9日: CADDi (THAILAND) Co., Ltd.
設立

具体的な事業進捗

・タイ進出決定から85日間(約3か月)、タイリサーチ開始から112日間(約4か月)で、CADDi (THAILAND) Co., Ltd. を設立
・BOI奨励業種であるIBC(International Business Center)事業区分としての認定をタイ政府機関より事前獲得。100%外資企業として登記を完了。
 ┗タイ国では、BOI奨励業種として認定を取得できない場合、外国人事業法上、49%までしか外国企業が株式を取得することが出来ません
・タイ国における優位性のある「製品カテゴリー」を特定、構造的に優位性があることを確認
 ┗キャディでは加工や製品特性を加味して、「製品カテゴリー」というメッシュを設定
 ┗それぞれの製品カテゴリーの市場規模として、日本だけでも少なくとも1兆円以上が存在
・上記、「製品カテゴリー」の内、4カテゴリーをタイにてサプライチェーン構築完了
・結果、順調かつ高速的に取引の積み上げを開始

タイの事業構想について

CADDi JAPANの創業期に遠い将来の事業展望を描いたように、CADDi THAILANDも2030年に向けた将来構想を持ち、事業を開始しました。

CADDi THAILANDの6つの事業構想
①MANUFUCTURING:グローバルへの特注加工部品の供給
②TECHNOLOGY:タイ国内の製造メーカー向けテクノロジーツールの提供
③HUMAN RESOURCE:タイの優秀な人材の採用によるCADDi GLOBALの事業加速
④MATERIAL:日本/ASEAN周辺国への競争力ある材料の供給
⑤LOGISTICS:製造部品の集約によるASEAN全体の物流最適化
⑥SUPPORT:上記、知見/ノウハウを活かした周辺国の新規立ち上げ支援
(⑦)CULTURE:キャディグローバルカルチャーの醸成(※事業ではないですが)


何故タイへ進出したのか?

シンプルにいうと、製造業マーケットとしての魅力が相対的に高いから、です。かつ、その仮説が一定証明出来たからです。
あえて、今タイへ進出することについて、一般的に出てくるネガティブな意見に対して、答えるような形で述べたいと思います。
また、一般的な情報については簡単に入手可能な他の文献に譲るとして、実際に一次情報に触れてみないとわからないことをお話ししたいと思います。

  • Q. 既にGDPも鈍化傾向にある中で、タイ製造業の魅力はあるのか?

  • A.  圧倒的成長意欲が高いサプライヤーが多数存在

・タイ国の過去10年のGDPは約平均3%程ですが、平均を大きく凌駕し、成長するサプライヤーが多く存在
・他ASEAN国と比較し、タイ国内での需要は成熟に向かいつつあり、だからこそグローバルへ進出を検討しているタイサプライヤーと実際に多く出会う
・わずか10年~20年の短期間で事業を数十倍、数百倍に拡大させ、更なる成長のため、既に設備/土地/人材を確保している

  • Q. モノづくりとしてのタイの価格競争力はあるのか?

  • A. 特定の条件下で競争力を生み出すことが出来る

・人件費はASEAN周辺国と比較すると高いが、周辺国からの移民の積極的起用やタイ国内の地域最適の採用により、競争力を維持することが可能
・タイ国のグローバル人材の起用は非常に積極的で、かつ、地方地域に立脚した採用を行うことにより、独自の競争力を築いているサプライヤーが多数存在
・自動車メーカーを中心として、多くの日系メーカーが50年以上前からタイへ進出。現在ASEAN内で、最大の日系メーカー進出数を誇っています。自動車部品以外にも、航空部品や半導体装置部品などの製造も行っており、高いモノづくり技術を保有する技術者がタイマーケットには多く存在
・結果として、「高精度/高品質を必要とし、長時間の製造時間を要する加工部品」の競争力が高い

  • Q. 品質に不安は無いのか?

  • A. トレーサビリティ(traceability)を担保できるインフラがある

・ モノづくり業界において品質を担保するには、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を前提として明らかにする必要がある
・古くからの日系メーカーのタイ進出により、特にトレーサビリティの担保が難しい母材(金属/樹脂材料)のトレサビリティが担保できるサプライチェーンが整っている
・具体、タイには、規模が大きいにも関わらず、小回りが効く、材料会社が多数存在


いつからグローバル進出を考えていたのか?

結論からいうと、創業開始時です。そもそも日本からビジネス展開をするべきか?から議論をし、結果的に日本からスタートしました。
将来的なグローバルでの事業成長を見据え、会社のコアとなるMISSIONやVALUEを、日本語だけでなく英語でも最初から用意しておりました。まだ10名も従業員がいない段階から、300人、3000人の組織を想定していたわけです。
なので元々キャディはGLOBAL COMPANYです。
私が4人目としてインターンをやっていた時代から海外のリサーチを開始し、2018年11月に実際私がタイのサプライヤーを訪問しております。
感慨深いことに、当時10名しかいないベンチャーに対して興味を示し、面談のチャンスをくれたそのサプライヤーが今回最初のタイパートナーとなりました。
なんて出会いに恵まれているんだろう、とつくづく感じています。
そして何より大事なのは、あるべき将来を構想し続けて諦めないことだと思います。パッションがあれば遅かれ早かれ、何事も成し遂げられると思います。


学び

今回タイ進出に伴い、改めて多くの学びを獲得しました。キャディ創業時に感じていた学びが、改めて重要だったと確信に変わった部分があります。
以下、不確実性が高い新しい挑戦をする際に大事だと思うことです。

  • 世を想い、事業展望を描く

・超短期間で新しい国で事業を展開するにあたり、社内外問わず多くの人から協力を得る必要があります。
・ベンチャーは、歴史は浅く、実績がないため、普通にいくと積極的な協力を得ることは非常に難しいです。
・そのハードルを超えるにあたって最も重要なことは、「夢を語り、共感する人にフォーカスすること」だと思います。
・大胆な挑戦をする際には、基本的にほとんどの人は不可能だと言います。それは仕様がないことであり、ただ世を想って挑戦していれば、絶対に協力者は現れます。

  • 少数精鋭部隊で垂直立ち上げをする

・不確実性が高い状況において、成果を出すためにはどれだけ強度高く早く仮説検証を回せるか、が極めて重要です。
・タイで競争力あるサプライチェーンを構築できるかは不確実性が高く、1か月間で約120社と商談をしました。
・極論、日次、ないしは、一商談単位で仮説検証を回す必要があります。
当然、人数が多いと組織のエントロピーは拡散し、何をするにしてもスピードが落ちます。
・大事なのは、不確実性の低減に向けてチャレンジし続けられる覚悟のある仲間を集めることだと思います。

  • とにかく一次情報と触れ、一般的に語られていることを疑う

・日本でリサーチしていた限りでは、
  ┗BOI税制優遇を獲得の上で、会社を設立するには最低でも半年間はかかる
  ┗タイの人件費は高騰しており、モノづくりの競争力はほぼ無い
  ┗タイのローカル企業との取引は、リスクが高いため現実的ではない
 などと言われました。
・しかし、実際はどれも間違っており、もしその間違った情報を鵜吞みにしていたらタイへの進出は出来なかったと思います。
・改めて思うのは、具体的でなく、平均でしか語られていない一般的な情報は、ほぼ意味がないと思います。

  • コトに向かう

・キャディでは、表面的なことではなく、本質的に正しいと思われることに向き合うことを良しとしています。
・私は幼少期に複数の外国で育ったのですが、どこの国でも最初イジメられました。最後、日本に期待していたところ、「日本人っぽくない」という要素からハブられました。
・誰しも知らない世界や人種に対しては不安が生じるとは思いますが、少しでも偏見があると絶対に上手くいきません。
・「日本に比べてタイはまだ発展中進国だから、色々と劣っているだろう」、という慢心があってはなりません。
・実際当然ながら、とてつもなくビジョナリーで優秀な人はどの国にもいます。
「正しいことを言っている人は誰か?」ではなく、「何が正しいか?」という公平な視点を常に持つことが重要だと思います。
「コトに向かう」ことこそが、多くの人から積極的な協力を引き出す秘訣だと思います。


日本の将来への危機感

日本の製造業の強みは沢山あると思っています。
が、磨き続けなければ、直ぐに廃れてしまいます。
タイで多くの優秀な若いアントレプレナーと触れ、日本ではあまり受けられない刺激を貰いました。
自分よりも年齢が3歳も若い27歳の社長は、300名規模の工場を経営しており、衝撃を受けました。5年後には従業員を800名規模まで拡大させるビジョンを持っており、負けていられないなと危機感を覚えました。
「イノベーションのジレンマ」は国レベルで起きていると思います。先人の努力によって国全体が裕福になったこともあり、ハングリー精神が薄れ、「今は大丈夫だし、何か変革を起こすことには逆にリスクがある」と考える人が増えることは一定仕方がないことだとは思います。
但し、少しでも日本の将来に危機感を感じるのであれば、戦後の日本の製造業がグローバルへ挑戦し、今の豊かな日本を創ったように、我々の世代も将来のためにグローバルチャレンジをし続けていきましょう。
Stay Hungry, Stay Foolish and Stay Ambitious


TO:CADDi THAILAND MEMBER

・難しいチャレンジに一緒に取り組み、CADDi THAILANDのDAY1を無事迎えられたことに本当に感謝しています。
・私からのプレッシャーのみならず、慣れない環境での挑戦は心身ともに相当にタフだったと思います。
・このメンバーであれば、絶対に新たな可能性を見つけ出すことが出来ると思っていました。
・常に初心を忘れず、更なる事業成長を一緒に創っていきましょう、DAY1。


最後に、どういう人を募集しているのか?

一番の経営課題は人です。
夢や実現したいことが、日々出てきます。が、人材が足りません。
よく「製造業の知識は必要か?」「どういう人を募集しているのか?」と質問を受けます。
キャディが創業以来、変わらず求めている人材は「モノづくり産業のポテンシャル解放に向けて、一緒に会社を創っていける人」です。
世の中的に「経営人材」が重要とよく言われますが、キャディは事業戦略や組織戦略の立案実行はもちろんこと、将来をビジョナリーに描き、強いリーダーシップで付加価値を生んでいくことが求められます。
「Passion×卓越経営人材」といったイメージでしょうか。
世のため、モノづくり産業のため、是非一緒にムーンショットなチャレンジをしていきましょう!是非お気軽にご連絡をお待ちしております!


キャディ日本採用

CADDi GLOBAL POSITIONS


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