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【中編】鹿児島、焼酎の旅。


鹿児島、焼酎の旅。
2日目、中編です。

「なぜ、ビールではなく焼酎?」はこちらから↓

1日目、前編はこちらから↓


万膳酒造

霧島市内から、一車線しかない山道を登った先にあるのが万膳酒造です。
携帯の電波は届かず、木立ちに囲まれ、すぐ脇には清流が流れるとても気持ちの良い場所です。

蔵の脇にあるゲストハウス。
と言っても一般の方用ではなく、来客や、蔵人が仕込み時期に寝泊まりするためだそうです。
しっかりとした梁が特徴の木造の建物ですぐ横に流れる清流を望める大きな窓ガラス。
蔵に入る前から特別な雰囲気を感じられる空間でした。

万膳酒造の特徴の一つともいえる、木樽蒸留機。

今現在、木樽の蒸留機を作れる職人は日本に1人しかいないそうです。

木樽でしか出せない味はもちろんですが、こういった伝統や文化を次の世代へ繋げるためにもこの木樽の蒸留機を使っているそうです。

原材料にもとことんこだわり、麹作りも昔ながらの麹室で手作業で行っています。
機械での温度制御と違って、麹の世話をするために夜中に起きて世話をすることも。

発酵・熟成に使う甕。
蒸留後の焼酎を甕で熟成することもあるそうです。

決して派手ではない蔵なのですが、その酒に向き合う姿勢にはかなり刺激を受けました。

自然の中に身を置き、自然の流れで酒を作ること。
人の領域を踏み出さず、自然の前に自分がいる。
自然に生かされ、自然を愛でる。


木立ちの中にあるので夜は星が綺麗だそうです。
麹の世話に夜中に起きて、空を見上げると満天の星空が広がります。
そして焼酎片手に「いい酒つくろう」と蔵人で話をするそうです。

万膳酒造の酒はとても「澄んだ」印象。
あの環境、すなわち自然が生み出す酒なんだなと思ったのでした。

寄り道

国宝に認定された「霧島神宮」に立ち寄り。
万膳酒造さんの後だったのでやや霞んだ印象。

昼食に霧島市の「黒豚の館」へ。
牧場経営のレストランで、納得のクオリティ。
かごしま黒豚のロースカツを食べましたが、最高でした。

軸屋酒造

4件目は軸屋酒造さんへ

これまでの蔵と比べると大きめの蔵でした。

力仕事による負担を減らす工夫として蔵が多階層になっており、上階からシューターを使って下階に原料を移していく仕組みになっていました。
3階に製麴機→2階で一次もろみ→1階で発酵・熟成→蒸留と行った具合です。


代表の軸屋さんが女性ということもあり、焼酎に馴染みのない方に向けた商品展開もされています。
茶葉を使った焼酎や、先にでた「色規制」の問題のある焼酎を「リキュール」の範囲に落とし込み商品化するなど興味深いものも多かったです。

伝統のある業界につきまとう「若者離れ」というフレーズ。
ビール業界も他人事ではないので、とても勉強になりました。


夜の部

再び天文館に戻り夜の部スタートです。

まずは、「さつま酒販店 和総」さんにて。
やっぱりこの日も鶏刺しが最高でした。


その後は日本で初の焼酎専門バー「S.A.O」 さんへ。
品揃えはもちろん、割り方や温度まで全てが高次元。
焼酎に対するイメージがガラリと変わりました。

色々飲んだ中でも「万膳」の前割り(水で割って1週間ほど置いたもの)を温めたものが特に印象的です。
ちなみに前割りに使う水は万膳酒造さんの蔵まで仕込み水を汲みに行ってるそうです。



長い長い鹿児島の夜は、なんとか朝日を見る前に幕を閉じたのでした。



つづく↓

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