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14 フィンランド・デザインについて(Vol.2)

久々も久々更新がすっかり遅くなり、年を越してしまいました。。

先日(2月3日)は、フィンランドを代表する建築家、都市計画化、デザイナーのアルヴァ・アアルト氏*(以降、アアルト)(Alvar Aalto : 1898-1976)の誕生日でした。
私がフィンランドに旅する目的の一つにアアルトの建築物を見るというのがあります。(建築関係の仕事をしている訳ではなく、ただの趣味です)
民家、教会、病院、図書館、大学、そして街までも手掛けられています。
また、人生を豊にする家具や食器といった生活に直結するもののデザインもされてもいます。

11 フィンランド・デザインについて(Vol.1)」では、アアルトの自邸について書いてみたので、今回は彼が建築を学んだ大学について書いてみます。

*アールトやアアルトという記載があるようですが、この記事内では”アアルト”と記載させていただきます。

ヘルシンキ工科大学(現アアルト大学)へ向かって

ヘルシンキの隣のエスポーのオタニエミにヘルシンキ工科大学はあります。日本から友人がヘルシンキに遊びに来てくれたので一緒にヘルシンキ工科大学を見に行きました。

どうやって行けば良いのか地図と電車、バスの路線図をじっと見ていると住んでいる寮からヘルシンキ経由で行くよりもバスで寮の近くにある使ったことのないバス停からエスポーまで行くバスがあるではないか!そして、エスポー手前のバス停で別のバスに乗り換えればオタニエミにも行けそう。
そんな安易な考えでバスで行くことにしました。

意外にもその読みは正解で、無事エスポーそしてオタニエミにたどり着くことができました。
地図を見た感じではバスを降りてからはヘルシンキ工科大学まで徒歩で行けそう・・・。

私が行った当時は、ヘルシンキ工科大学という名称でしたが、数年後にヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ美術大学の3つが合併しアアルト大学になるという話を何かで読んでいた記憶があります。現在は、アアルト大学という名称に変わり、メインキャンパスがオタニエミとなっています。

大学を見に行くと言っても、得体の知れない”ニッポンジン”なので学校の外からアアルトが建築した『アルヴァ・アアルト記念講堂』の外観が見れればいいなぐらいに思っていました。

バス停からは住宅街を越えて20~30分ほど歩いたように記憶しています。

ヘルシンキ工科大学に到着

さぁ、学校に着いたところで一体どこに記念講堂があるのか???
校内に入らないとやっぱり探せないな・・・と思っていたところに窓口のような部屋があったので、ダメもとで聞いてみることにしました。

そうすると、「アアルト見たいの?入っていいわよ。ここをまっすぐ行くとあるから」と言っていただき、思いがけない言葉に興奮したことを覚えています。校内に入って進んで行くと学食のような場所で学生たちがランチを食べているではないですか!
お腹すいたなぁ。。。食べたいな。。と思いもう一度窓口へ戻って「食堂って使うことできますか?」と聞くと「もちろん!」との返事が⭐︎

時間もお昼になり、ちょうどお腹も空いてたので、先に学食でランチを食べることに。
そう、どこにいても『花より団子』なのです。

お腹もいっぱいになり、いざ!『アルヴァ・アアルト記念講堂』へ。

アルヴァ・アアルト記念講堂

大きな窓がたくさんあり自然の光が差し込んでとても明るいのです。
階段に光が差し込むだけでもう美しい。


階段を上がるとロビーホールになっています。
こちらも大きな窓と天井からたくさんの光が入りとても明るく、学校の設計図や模型などが展示されています。シンプルなテーブルや椅子が置かれています。

これらを見ているだけでも美術館にいるように錯覚します。
では、いざ講堂内へ。
まず、ドアがもうアアルトの建築物によくみるドアハンドルが付いています。

ドアを開けると天井が高く、やはり自然光が天井からたくさん入ってくる空間になっています。壁の白色に机と椅子の木目がとてもマッチしています。天井の後ろ部分の曲線は有名なウォールシェルフ(棚)と同じデザインです。
壁にはアアルト自邸にもあったオブジェが飾られています。

実際に椅子に座ったり、講演台の前に立ってみたりしてアアルトを満喫させていただきました。

その後は、外にでて外観を眺めまていました。天井窓の部分が斜めになっていて扇状の形でこれもまた美しい。シンプルがこんなに美しくなるなんて。

講堂を出てキャンパスの出入り口へと向かう途中に小さな建物が。
これがアアルトが学んでいた「建築学部」でした。壁にツタのような植物が生えていてこちらもまた癒しの建物です。

オタニエミ礼拝堂

学校のキャンパス内にカイヤ&へイッキ・シレン夫妻の設計による学生のための教会がありました。
(安藤忠雄氏がある教会を設計するときに参考にしたとかしないとか・・・)
こちらも何かで写真を見て行ってみたかった教会です。
大きな窓とレンガの外観が特徴的です。
こちらも見学させていただけました。

レンガの壁と大きな窓そして天井は三角屋根を架構が支えています。
そんなに大きな教会ではないのにとても広く感じることができます。
パイプオルガンがあって、十字架は、、、なんと窓の外にあります!

こんな空間があったら何か悩んでるときや、考えたいとき、気分が落ち込んでいる時など立ち寄ってしまいますよね。

この教会を後にし、後ろ髪を引かれながらヘルシンキへ帰りました。

いつかまた

現在は、冒頭で書いたように3つの学校が合併したので、キャンパス内は学部も学生も増え、いろいろ変わっているかもしれません。
ヘルシンキ工科大学だけの時から現在ではどう変わっているのかをいつか機会があれば見に行ってみたいと思います。

■アアルト大学 Aalto University

■オタニエミ礼拝堂 Otaniemi Chapel

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