見出し画像

カルトワイン、放送だってよ!やったー!~カルトワインとわたしのあゆみの棚おろし~

今日こそその日 思いを果たす日 byティボルト
ティボルトじゃないんですけど、今日こそその日です。そう、カルトワインの放送日です。

2022年6月17日から始まったカルトワイン。
言わずもがな、宙組の桜木かっこいい最高だいすきみなとさん主演のミュージカル。

初日早々に観劇した猛者たちによる驚嘆の声にならないうめき声が、まだ見ぬ人々に「カルトワイン、なんかやばそう」と察知させ、直前いくつか出回っていたブリリアホールのお譲りチケットを数日のうちに焼き払ってしまいました。

当初「どんな話なの?」と手探り状態だった人々に、「いやなんかわからんけどとんでもないイリュージョンが池袋で起こってるらしい」と届くのに時間はかからなかった。

評判は評判を呼ぶもので、雪山をころがる小さな雪の球はみるみるうちに膨れ上がり、観劇したものを次々と狂乱させていきました。

わたしはずんちゃんのオタクとして、自らも狂い海の底深くに沈んでいきながら、誇らしい気持ちでいっぱいでした。
ずんちゃんが、ずんちゃんのチームが、宝塚で嵐を呼んでいる。どうやらそれも、ずんちゃんや宙組のファンだけでなく、他の組のファンの方までしっかり届いて足を運んでいる。

こんなうれしいこと、ある?

いや、ない。


しかし、このご時世、どんな狂乱でもかなわないこともあり、東京公演を走り切ったのち、大阪で始まったカルトワインは突如、幕を下ろすことになりました。ドラマシティでの公演が始まって、三日後の事です。

どうやら収録ができていないらしい、という情報が噂レベルでざわざわと広がり、私たちファンは悲しみと絶望を味わいました。
どれだけ悲しんでみたところで、「じゃあ、やります!」とはならないことが明白なだけに、なすすべもなく呆然としていました。

そんな中、ふと始めた偽造ルサンク作りが私を救いました。
※偽造ルサンクとは、泡沫と消えたカルトワインを少しでも脳内にとどめておきたくて、脳内の記憶だけを頼りに各場面のセリフを書き出していったものです。

別箱の公演であるカルトワインにはルサンクの発売予定がありません。それゆえ公演が映像収録されなかった今、私たちの手元に残ったのは一冊のプログラムだけでした。

「失ってなるものか 幻にしてたまるか」という気持ちだけでした。
公演中止が決まった翌日、何となく大好きだったメキシカンフェスティバルのシーンを書き出してみました。

フリオ、ひとめぼれのシーン

書き出してみると不思議なことに、スラスラセリフがつながっていきます。東京公演で受け取ったシエロが、フリオが、私の頭の中で勝手に動き出す感覚。思い出せないシーンは飛ばして筆を進めてみれば、また少し先でつながる。
自分で思っていたよりもずっと、私の記憶装置は仕事をしていました。それはおそらく執念と失いたくない気持ちから湧き出てきた奇跡のパワーだったと感じています。

同じ釜の飯を食ったずん友さんと力を合わせ、強力なサポートに支えられながら、数日の後に大筋をしたためる作業が終わり、そこから数週間かけて思い出しては修正し、と繰り返しました。

カンタンに書きましたが、正直血を吐くような気持ちでパソコンに向かっていました。

ほんとうにほんとうに、もう二度と聞けない、みられないかもしれないカルトワイン。劇中に「のめばのむほど 渇いていく」という歌詞がありますが、カルトワインを欲すれば欲するほど、その願いはむなしくほおりっぱなしになるようでした。
希望の一つも見いだせず、ただひたすら、どうかこの公演のつたない記録だけでも反芻したいと、その一心でパソコンに向かっていました。
寝る間を削って過ごしましたが、全く惜しくはありませんでした。
一晩眠れば、昨日まで覚えていたあのシーンがかすんで遠くにいってしまう。これが現実でした。
薄れていく2幕の記憶に格闘しながら、とにかくとにかく、カルトワインに頭の中だけでも動いてほしくて、カタカタカタカタと必死でした。
数週間の後に作業を終え、私にできることはやった、とパソコンを閉じました。

それから時がたち、忘れることのできない、あの日の早朝。
High&Low 宝塚大劇場 千秋楽の日の、それはそれは早い朝の出来事です。

\\\\カルトワイン 緊急放送決定////


目を疑いました。布団から飛び起きました。スカイステージのページをスクロールし、何度も何度も確認しました。

間違いじゃない・・・・

あの日消えたカルトワインは、劇団とスカイステージの決定のもと、映像が放出されることになりました。もう二度とみられないのかと、ずっとずっと苦しかった思いが、文字通り ぱぁぁー! っと花咲いていきました。

放送を夢見ていたし、信じていたし、諦めたくはなかったけれど、それでもないものはない。どこかのルキー二じゃないけど、ないものはないんじゃないかと。

今回は全編放送を想定していなかった、本来はタカラヅカニュース用のカメラ映像を使用し(どこまで放送されるかは見てみないと分からないものの)緊急放送をきめた、というものでした。

予定されている放送は10月の2回のみ。今後放送が追加されるかは未定です。それくらい、本来外に出すための規格とは異なる撮影のものなのだと思います。

それでもなお、放送する、という事に重きを置いて決断してくれた歌劇団には感謝の念が堪えません。

いよいよ今日がその日。

7月のあの日以降、タッグを組んで一緒にセリフを思い出してくれていたずん友さんから、久しぶりに連絡をもらいました。

”あの頃は一緒にセリフを、脚本を思い出す作業が心の支えだった。今も振り返ると、あの時頑張ってよかったなって思います。明日はいよいよ放送日。あの頃は焦る気持ちで必死だったけど、今は楽しみな気持ちでいっぱい。こんな気持ちでカルトワインを待てる日が来るなんて”

・・・とても嬉しかった。一語一句、わたしも同じ気持ちです。

ハイローに夢中になりながら、どこか時が止まったような感覚も持っていました。でもきっと、そんな気持ちも、今日でおしまい。

2か月早いサンタクロースが私たちのもとに最高のプレゼントをもってやってきます。

サンタさん、ありがとう!
劇団さん、ありがとう!
ずんちゃん、おめでとうございます!

そしてそして、とってもいろいろがんばったずんちゃんとカルトワインチームのおたくたち、、、

おつかれっした~~~!!!(ドアバーーン!)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?