愛すべきミゲルくんとフリオとシエロについて

カルトワインではシエロとフリオの事しか考えられず、狂ったように出力しては自己満足していたけれど、ふときっかけを頂戴したこともありミゲルとフリオからみたシエロについて初めて(!)考えてみた。

ミゲルを演じるのは宙組の研5真白悠希くん。研5とは思えないほどの堂々たる演じぶりで大いに沸かせてくれた。とくに連日のシエロとの車内のアドリブはみんなわくわく見守っていた。

ミゲルってどんな人なのかな。
出たがりで、おしゃべりで、実は愛情豊か。
でも愛情表現は決して上手くもなさそうで・・・そんな一面は「盗んだん で・す!」とシエロに言い直させるようなところからも垣間見れる気がする。これ、敬愛するチャポへのミゲルの親愛表現故と思うけど、、、遠回りだぜ。

ミゲルはお調子者に見えて実は繊細、の典型を地で行くタイプじゃなかろうか。
シエロには必要に迫られて身につけた図太さやスルー力があるけど、ミゲルにはそんなもの備わってない。

昼間に言われたささいな一言 例えば「お前いっつもチャポの言いなりかよ」とかそういう一言 を夜のシャワー浴びながら思い出してそうだなー。

いやむしろ「あれえ?お前コーヒーはブラックって言ってたのにガムシロ2個も入れてんじゃん」とかもシャワー中に思い出しては奥歯ギリギリしてそうだな…。

・・・・ミゲルーーー!ミゲル―――!かわいいなミゲル―――!!

裏と表の社会を行ったり来たりしながら、それなりにこなしてるように見えて隠しきれない少年性が垣間見えるのがミゲル、って感じがする。

チャポはミゲルが自分を慕っていることもわかっていて、きっとミゲルをかわいがっているんだろうな。
チャポはコルミージョの出身だけど、ミゲル一同とはコルミージョを脱してからの関係性だと認識してる。

チャポとはいつ頃出会ったんだろう。

ミゲルはチャポが…拾ったのかな。いつぞやのシエロに「おもろいやつ。困ったら連絡してこい」とメモを渡したように、ミゲルも困窮してたとこにチャポに手を差し出された口なのかもしれないな。
ミゲルも十分、おもろいやつ、だもんね。

チャポとミゲル一同のこと考えてたらこのメンツ、桃太郎とイヌサルキジに見えてきたぞ。この場合キビ団子は…カルトワインですか。

♫チャ〜ポナンデス カルナンデス お腰につけたカルトワイン 一つ私にくださいな♫

話は進んで、そんなミゲルはフリオの知らないシエロの10年間を知っている存在。

チャポの側近が(出演上の都合もあり)入れ替わったり姿を消したりする中、最後までチャポのおひざ元に置かれるミゲル。それはシエロがカミロとして過ごした10年間を一番近くで見てきた存在ともいえる。

ミゲルとシエロを語るうえで、これは記しておかなきゃと思うこと二つ。

ひとつは、チャポの事務所でスクリーミングイーグルを売りつけようとしたシエロとフリオのシーン。すぐにバレてしまい、チャポにそんな大金いったい何に使うつもりだ、と問われたフリオが「妹の手術代だ」と答えると、ミゲルはいつでもヤってやると戦闘モードで握りしめていたこぶしをフッと緩めた。

何もセリフはない中の、注目を集めるような所作でもないのだけど、初めてそれをみたときはハッとした。妹の手術代の捻出が簡単な額ではないこと、そして妹という存在はとても大切に守られるべき存在であること。それをミゲルは瞬時に悟ったようだった。
これはわたしの妄想なのだけど、こぶしを緩めたミゲルを見た瞬間、あ、もしかしてミゲルにも妹がいたことがあったのかな・・・と思った。・・・泣いちゃう。妹どうなったの。元気してるの。

ふたつ目はミラに偽造がばれ、チャポとシエロがオークションの出品の継続をやりとりする電話のシーン。
出品は中止すべきと食い下がるシエロにチャポが「芝居のし過ぎで自分の立場をわすれたか。俺はお前を葡萄畑の肥料にすることだってできるんだ」と脅しとも本気とも言えるトーンで言い渡す。この時は逆に、かみしめるようにうつむきこぶしをぎゅっと握っていたミゲル。

きっとミゲルにとってシエロは10年間ですっかり、苦楽を共にした戦友になってたんだよね、きっと。

ミゲルはシエロの事、、、好きだったろうなぁ

わんたや聖くん演じるチャポの取り巻き仲間とはあくまでビジネス仲間で、チャポに仕えるという共通点でつながっているような関係だったように思う。

でもシエロとの関係はそうじゃなかった。
シエロは平気で軽口を叩いてくるし、先輩であるミゲルにドギマギするどころか上からものを言ってくるくらいの図々しさを持ち合わせている。しかしその図々しさは角度を変えれば親近感であり、人懐こい愛情を胸の内に飼いならしているミゲル君にとってはくすぐったくも嬉しいやり取りの時間だったんだろうな。

そんな二人の関係を、グランピーガイズの帰り道の車内で表現した(そしてアドリブたっぷりの時間にした)栗田先生の脚本、どこまでも素敵だなぁ。
だってこれ書き下ろしだってことを念頭に置けば、後輩に慕われ、人と自分の距離が人一倍近いずんちゃんを形容するようなシーンでもある。ひとたらしずんちゃんのミゲルたらしシエロなよだれモノのワンシーンだったな。

とにかくこの10年を共に過ごし、きっとミゲルはシエロを戦友のように思っていたことだろう。ちょっと記憶にないのだけど、ミゲルが最後に出てくるのは葡萄畑の肥料宣言のところだったんじゃないかな。チャポに、やつが逃げ出さないように見張ってろと命じられて、はい、と答えるしかなかったミゲルの胸の内は、思うに余りある。

さて、そんなミゲルくんのことをフリオはどう見ているのか。
ここまでミゲルに心を寄せて書いておいてなんなんだけど、フリオからみたミゲルの存在ってほとんど”無”に近しいと思ってる。

フリオからすればチャポ一味はシエロを手放そうとしない裏側の組織。その一味のボスの側近なんてきっと、チャポの手下A,チャポの手下B、くらいの認識だろう。たとえミゲルがおれがこいつの世話を焼いてやったんだ!と主張したところで「だからシエロは10年間も抜けられなかったんだ!」と返されておしまい。

それくらい、たとえ10年間シエロがどこで何していたのか知らなかったとしても、二人の関係というのは年月などで切り込めない強靭なものなのだ。

当然、外からのチャチャに影響されるような軟弱さは皆無で、ミゲルくんがニャーニャーワンワン言おうが、「オレたちの外側のやつ」 という認識だろうなと推察する。

とはいえフリオも脳内で完全に割り切れているかというと正直そうでもなくて、出所後シエロの口から”あのときのミゲルとの珍エピソード”を面白くてたまらないというようにクックック…と語られる度、ぴくぴくと眉間のシワが発生しちゃうのであった。フリオくんジェラシー。

フリオ頑張って!いつか一緒に笑ってあげて!眉間のしわがシエロに悟られませんように。

そして当の本人、シエロはどうか。
それは言わずもがな、シエロの中のフリオの位置づけとミゲルの位置づけでは天秤にかけるまでもない雲泥の差。フリオ一択なのです。

ごめんミゲル、シエロがフリオに用意した玉座は永遠の玉座なんよ・・・
不動なんよ・・・シエロ国のグリーンカード発行済みなんよ・・・

出所後フリオとのバカ話の中でシエロが話すエピソードも、「いつかフリオに再会したら聞かせたいと思ってたおもしろエピ」として話してるにすぎない。おいしいケーキを好きな人にも食べさせてやりたい、と同じ温度で、面白話をフリオに共有したい、と思ってる。

ミゲルは10年の間にシエロへ親愛の念深めたでしょうね…。しかしシエロは…?
そりゃシエロも人間だから、夜な夜な偽造ワインを作る裏作業をしながら、軽口を叩けるミゲルという相方のような存在に救われてた一面も当然あると思う。でもそれは現世で言う仲のいい会社の同僚くらいの温度だったんじゃないかな。シエロにとっては気楽に付き合える一番の同僚ミゲルちゃん、位の思い入れだと思う。

ごめんミゲルーーーーー!
シエロってそんなやつなの。そう簡単に心をあけっぴろげないのよーーー。それはかつて幼少期を過ごした国で大変な目に遭ってきたからさ。でも、一見仲良くなったように錯覚しちゃうの。それがシエロの本能的才能でもあるの。(これ、ずんさんに重なるな…)
だから狂乱のオークションを渡り歩いてこれたのよ・・・

罪だわ・・・罪だわ・・・

罪でもいい、わたしも・・・わたしもシエロに錯覚させられたい・・・(あ、突然のオタクの欲望を観測)いや、すでに十分、シエロ演じるずんちゃんに錯覚させてもらってる。宝塚の男役ずんちゃんにずっと夢を見せてもらってる。この夢は醒めない、ずんちゃんが男役でいてくれる限り。
ずんちゃんの男役に全身をたゆたわせ、今日も私は元気に生きていく(なんの話?)

ちょこっと書こうと思っただけだったのに、3000字も書いてしまった。
いかに今までシエロとフリオの事だけ考えてきたか思い知りながら書いた。ミゲルのことを振り返るいい機会になりました。カルトワインの魅力あふれるミゲル。

シエロにとってのフリオには追い付けないかもしれないけど、私たちは存分に愛したよミゲル――――!元気でいろよ、ミゲル―――!!!

ましろっちの演じるミゲル、最高に愛すべきミゲルだったよ―――!ラブ!!!

読んでいただきありがとうございます!ニャー―――――!!!



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