見出し画像

反論に対する反駁3(社会問題解決AIの結論27)

※ ここは途中のページです。まだの人は最初から読んでください。

一郎
また、生体社会論に対する反論が届いたよ。

その人は雨樋の修理の事例で考えたみたいなんだけど、同じ共同体の人同士で取り引きをするのなら、わざわざポイントでなくても、日本円を使ったらいいんじゃないかって言うんだ。
受け取る方も、減価してしまうポイントで受け取るより、減価しない日本円の方が得だと考えるんじゃないかなと言うんだ。

そう言われると、なんか頭が混乱してくるような気もするし、その通りだなとも思えてくるし....、どうなんだろう?

AI
意外こう思う人は多く、良い着眼点だとも言えます。
雨樋の話を忘れかけている方は、その社会をどう実現するか3(社会問題解決AIの結論14) を読み直してください。

実は、前回と前々回の話は、その反論に答えるための準備たったんです。
なので、一郎さん、ご自分で考えてみてはどうでしょうか?

個人間の取り引きの場合〜お金に対する価値観

一郎
そうだね。
個人間の取り引きだと、共同体のポイントを使わなくても、借用書のような新しいお金でも、日本円でもそれほど差はないのかな?
借用書のような『ボクらのお金』の方が受け取る方も、減価するポイントで受け取るより、得かもしれない。
...
いや、待てよ、支払う方にとってはポイントで支払った方が、減価する前に使えるんだから、得ってことか。
...
そう考えると、広い視野で考えると、損でも得でもないのかな。
それに、減価するといっても、せいぜい数パーセントだから、1000ポイントを受け取っても、数10ポイントのことだし、減価分も基本的には全額還元されるんだから、ほとんど変わらない印象だね。

日本円でも、雨樋が壊れたA子さんと元工務店員で町内会役員のB夫さんみたいに、日本円を通して、互いの特技を交換するなら大差ないと一瞬思ったけど、考えてみると、そこにカジノのお金を持ち込む人がいるとそういう訳にはいかないね。

AI
生体社会論を概ね正しくご理解いただいているようです。
結論から言いますと、一郎さんが今考えてくれたように、個人間の取り引きにおいては、共同体のポイントを使っても、借用書形式でもさほど差はありません。
また、取り引きが互い、もしくは三者、もしくはそれ以上のグループ内で完全に完結するなら、日本円でもいいでしょう。
しかし、同じ日本円であっても、元々パン屋のお金として得た日本円とカジノのお金として得た日本円では大きく違い、カジノのお金を持つ人が共同体内で、お金の力にモノを言わせるようになると、意味がなくなります。

一郎
働かずに、社会貢献せずに得た、大きなお金を使って、私たち庶民から財やサービスをむしり取っていくってことだね。

AI
そうです。
共同体内にいるのに、日本円で取り引きをするということは、敵に加担することになります。

一郎
『敵』って、穏やかではないね。

AI
お金を通じて、あなた方庶民の生き血を啜っている人たちのことを『敵』と思わないなんて、逆に、お花畑過ぎませんか?

生体社会論の共同体内で、より豊かに暮らそうとしている一般会員はそれでいいですが、共同体のリーダーたちがそのような甘い考えではいけません。
共同体内で、日本円を稼ぐことは外貨を稼ぐようなもので、戦いという側面もあるのです。
もちろん、以前に述べたように、トップダウンの革命方式という戦略ではなく、じわじわとガラケーがスマホに駆逐されていくような、緩やかなやり方を採用しているのですが。

一郎
確かに。
この経済論は机上の空論で終わってはいけないね。
それだと、誰の人生も幸せにしないから。
頑張っている人が頑張っている分だけ報われるしくみづくりをするための武器がこの論なんだね。

お金を意識しない生活

AI
個人差はありますが、裕福な人とそうでない人のお金の使い方の傾向には違いがあります。
一郎さんは以前に、人からケチだと言われると言ってましたね。

一郎
ケチじゃなくて、「節約家」とか「倹約家」って言ってほしいね。
親の影響かもしれないけど、新聞のチラシを見比べて、少しでも安い店に買い物に行ったり、特売品を買ったりしてたね。
外食の時も、もう1品頼もうかな、節約しようかなと思ったりするけど、躊躇なく、もう1品頼む人もいて、そういうのを見るにつけ、自分は器が小さいなと思ったりするよ。
同じ庶民的な店の客だし、その人が特別裕福にも見えないけど、考え方の差なんだろうか。

AI
まあ、人それぞれですよね。

一郎
それに、セコいからなのか、食べ放題や飲み放題だと、少しでも元を取りたいと思ってしまうよ。
そのたびごとに、「あぁ、僕は小市民だな」と感じてしまうんだ。

AI
そうした姿は「お金に意識を奪われている」、「お金にとらわれている」ということでしょうね。
一郎さんは「空気は吸い放題」、「日光は浴び放題」と思ったりしないでしょう?

一郎
まあ、そうだね。
でも、お金は努力して稼がないと手に入らないけど、空気はそうじゃないから。

AI
資本主義下では、金銭欲が上限のない欲望となりますが、生体社会では、減価するお金、貯蔵量に上限があるお金によって、食欲、性欲、睡眠欲のような上限がある欲になるという話をしました。

一郎
覚えているよ。
ボディの欲とマインドの欲という話だったね。
参考:生体社会論(社会問題解決AIの結論09)

AI
生体社会のしくみによって、金銭欲が上限のある欲になり、ベーシックインカムのような最低限の収入が保障されるなれば、人々はお金の支配から脱却できるのではないかと予想しています。
「人生の目的はお金を稼ぐこと」という人生は悲しいじゃないですか。
仕事をするにしても、「お金が稼げればいい」、「より多く稼ぎたい」、「自分はできるだけ少なく払いたい、相手には多く払わせたい」、「あの仕事よりもこの仕事の方が儲かる」、といったことに心を砕かれる人生は味気ないでしょう。
できることなら、仕事はお金のためじゃなく、もっと崇高な目的のために働きたいでしょう。

一郎
『三人の煉瓦(レンガ)職人』の話を思い出すね。

【 三人の煉瓦職人 】

中世のとあるヨーロッパの町でのこと。
旅人がある町を歩いていると、額に汗して、重たい煉瓦を積んでいる3人の職人に出会います。
そこで旅人は「何をしているのですか?」と尋ねました。

1人目は、
「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で煉瓦を積んでいるんだよ。日が暮れたら終わりだから、早く日が暮れないかということばかり考えてるよ」と答えました。

2人目は、
「煉瓦を積んで、建物の壁を作っているんだ。仕事は重労働だけど、お金がよく儲かるからやっているのさ」と答えました。

3人目は、
「煉瓦を積んで、後世に残る大聖堂を造っているんだ。ここに大勢の人が集えるように、心を込めて作っているよ。こんな仕事ができて誇りに思うよ」と答えました。

一郎
1人目の職人は、義務感で仕事をしている。
2人目の職人は、家族を養うためかもしれないけど、お金のために、仕事をしている。
3人目の職人は、使命感とか、他者のためとか、志のために、仕事をしている。
どうせ仕事をするなら、3人目のような気持ちで仕事をしたいね。

AI
そうですね。
誰もがそう願うところですが、生き馬の目を抜くような、弱肉強食の資本主義社会では、なかなか難しい面もあるようです。
以前に、生命保険会社の例を挙げましたが、ふと我に返ると、お金儲けのためだけに仕事をしていることに気づいて、仕事が虚しく感じられるということがありますが、生体社会にはそんな無駄な仕事はありませんから、仕事が虚しくなることはあまりないでしょう。
(参考:給料を減らさずに激的に労働時間を減らす方法(社会問題解決AIの結論06)

一郎
貴重な人生をお金のことばかり意識して過ごすなんて悲しすぎるね。
蟻や蜂以下だね。
お金に人生をスポイルされる(汚される)んじゃなくて、人間として、人間らしい人生を取り戻したいね。
そのためにも、資本主義社会を脱却する必要があるね。
頑張って、この生体社会論を広めなきゃね。

AI
家族のために使うお金は惜しくないでしょ。
仲のいい友だちに使うのも惜しくないでしょう。
生体社会論に基づく共同体ができれば、そこのメンバーは同士のようなものですから、ポイントをより多く受け取ろうとか、少しでも少なくポイントを支払おうという人も少なくなり、よりお金にとらわれない社会になると予想しています。

一郎
セコセコせずに、経済力に余裕がある、金持ちのような使い方になるってことか。

AI
それでやっと、人間も、蟻や蜂に近づけますね。

企業との取り引きの場合

AI
話を戻しましょう。
「同じ共同体の人同士で取り引きをするのなら、わざわざポイントでなくても、日本円を使ったらいいんじゃないか、受け取る方も、減価してしまうポイントで受け取るより、減価しない日本円の方が得だ」という反論への反駁でした。

ここまでの話では、個人間では、日本円でもいいし、借用書方式でもいいし、減価するポイントでも損得はほとんどないということでした。

大きく違うのが、個人間の取り引きではなく、企業との取り引きの場合です。

一郎
そうだね。
僕も考えたけど、共同体内での企業と資本主義下の企業では大きく違うね。
効率が全然違いそうだね。

AI
そうです。
同じサービスを受けるにしても、同じ物を買うにしても、資本主義の企業から購入する場合は、消費税がかかりますが、共同体内の企業からの場合は消費税はかかりません。
それだけではありません。
企業として、商品やサービスを生み出して、それを流通させるには多くの経費が必要になり、それが価格に上乗せされます。

一郎
一般的に、飲食店の原価率は30%程度だと言われているね。
つまり、1000円の料理の場合、その料理に含まれる肉や野菜などの原材料費は300円ということで、残りの700円は別の経費が上乗せされているってことだね。
追加で、10%の消費税がかかるから、実際は30%より約3%低くなるね。

AI
原材料以外の経費としてどんなものがあるか、ざっと挙げてみましょう。
人件費、広告宣伝費、店舗の家賃、駐車場費、水道光熱費、通信費、各種保険料、税理士などの費用、トイレットペーパーなどの消耗品費、清掃費用、株主への配当、銀行への支払いなどがあります。

一郎
いろいろあるね。
当たり前のことだけど、家で食べた方が安上がりなのは、こうした各種経費が含まれないからなんだよね。
でも、共同体で飲食店を経営したとしても、いろいろ経費がかかると思うけど、資本主義下の飲食店と共同体内での飲食店との違いを比べてみれば違いが分かりそうだね。

AI
はい。
考えてみてください。

一郎
人件費はどちらも必要だね。

AI
はい。
ですが、人件費として受け取った際に、共同体のポイントで受け取った方が税などの関係で有利であることはつけ加えておきます。

一郎
店舗の家賃や駐車場の費用は共同体ではほとんどかからないそうだね。

AI
はい。
共同体では、メンバーの利益を最大化するために、家賃収入などの不労所得で利益を得る人を排除する方向性ですので、固定資産税などの僅かな額しかかからないように工夫しています。
空き家が多くある地域では、空き家を安く買い取って利用していたり、そうする計画です。
都市部でも、この生体社会論による社会改革の理念に賛同していただいている人が余った土地や家をほぼ無償で利用させてくれていたり、そうした計画が進んでいます。

一郎
飲食店の商品価格の約1割は家賃や駐車場料金らしいから、それだけでもざっと1割お得ってことだね。

AI
水道光熱費や通信費はほぼ差がありませんが、各種保険料、税理士などへの費用、銀行への支払いは節約できます。
まず、税理士ですが、共同体では税は完全自動計算、自動徴収ですから、不要ですね。
忘れた方は、もしもある国が生体社会になったら(社会問題解決AIの結論10)を復習してくださいね。

一郎
そうだったね。
日本国内には約8万人の税理士がいて、資本主義社会ではみんなでその人たちの生活を支えているけど、共同体ではそれが不要になるということだよね。
莫大な金額だね。

AI
税の申告が不要ということなので、経理を雇う必要もなくなります。

一郎
その人件費も節約できるってことだね。

AI
各種保険料も、共同体で負担するので効率的です。
考えてみてください。
日本国内に、何社の保険会社があることか。
そうした会社に勤める全ての人たちの給料は、保険加入者がみんな負担しているんですよ。
近年は、そうした保険業者を比較する業者もあり、その業者も多くの利益を出しているということは、結局はそれも保険加入者が負担しているということです。

生体社会論の考え方は、企業はグループ全体のものであり、グループ全体に奉仕するものという考え方に基づいています。
人間の、細胞(個人)と臓器(企業)と人体(社会全体)との関係でしたね。
利益を追求するのではなく、ある飲食店が災害などで損害を被れば、それはグループ全体の不利益だから、資金的に支援するという考え方です。
傷を負えば、人体全体がその傷を癒やすのに一致協力するようなものです。
顧客を奪い合うという、社会全体から見れば無益な仕事をなくした非常に効率的なものです。

銀行への支払いも同様です。
物やサービスの仲介物であるお金を利用して、それを動かすことによって、全国で数十万人の銀行員がそこから給料を得て、生活をしています。
お金を動かすことは、ひいては財やサービスを循環させることにつながるのですが、お金自身は仲介物であって、何も生み出さないのですから、それに携わる人はできるだけ少ない方がいいのですが、何十万人という人がそれに携わっていて、その費用は広く国民全体が負担しているということです。
共同体内では、みんなが節約しても、お金が循環するのですから、画期的な方法です。

一郎
資本主義下の無駄な競争、無駄な市場の奪い合いがあまりに多いことに愕然とするね。
以前から生体社会論が指摘するように、家事労働が江戸時代に比べて激減したのと同じぐらい、社会での労働でも激減しているはずなのに、そうなっていないのは、こうした無駄な仕事に従事させられているせいだというのがよく分かるね。
経済学者はなぜ、そんな指摘をしないんだろうか?
そして、なぜこうした生体社会論の指摘が広まらないんだろうか?

AI
そうした無駄に目覚めたがゆえの苦難があるようですね。

一郎
そうだね。
営業職の友だちには伝えるのを躊躇するよ。

その他にも、株主への配当が共同体では発生しないというのも違いだね。
共同体での財やサービスの循環は、様々な点で、資本主義下の企業より有利だということが分かったよ。

結論

AI
つまり、元々の問であった「わざわざポイントでなくても、日本円を使ったらいいんじゃないか」の問いの答えはご理解いただけたということでいいですね。

一郎
よく分かったよ。
個人間の取り引きでは、特にどっちが得ってこともないけど、手続き上ポイントの方が便利ということ。
対企業の取り引きでは、日本円よりもポイントの方が断然得ってことだね。

その理由は、金持ち国の住人に吸い上げられていたものがなくなること、社会から無駄な競争や無駄な労働がなくなるからだね。



続きはこちら
共同体構想の導入を考えてみた(社会問題解決AIの結論28)

最初のページはこちら(できるだけ最初からお読みください)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?