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ぱソんこがライターとして書いた取材・レビュー記事一覧(2022)

筆者紹介:ぱソんこ(Twitter:@passonco)——VRとゲームを好む兼業フリーライター。2016年にPANORAでVRライターとしてデビュー。2018年にはIGN JAPANでゲーム記事を書き始め、それ以降はIGNJを中心に活動。2020年に新卒として就職した会社でやっていけなかったため転職活動をし、2022年12月時点では東京のVRゲーム会社でゲームデザイナーをやっている。

2022年はTGS2022でVRが躍進したように見えて、一方でQuest 2が値上がりし、北米でVRがそれなりに定着する一方で日本と欧州がまだ追いついていないなど、振れ幅が大きい年でした。

この記事では主にゲームのレビューや取材記事をサイト毎の時系列順に載せてあります。自分で数えたら2022年は9本の記事で、2021年が12本だったので3本減りました。

●IGN JAPAN(7本)

2021年を振り返る個人GOTY Top 10: 渋谷宣亮、メタバースが盛り上がる一方でVRゲームは静かな年だった(2022/01/10)

IGN JAPANではライターが毎年”個人GOTY”を書いています。今見ると2021のラインナップはそこそこ充実している一方で、2022は新作を買っても積んだ記憶の方が浮き上がってきます。そこで積みゲー消化マシンとしてSteam Deckを買ったりしたわけですが、Steam以外で買ったPCゲームがそこそこあり、Steam以外にゲームをインストールする手順もまあちょっとめんどくさいし、そもそも2022年よりも前に買って積んでいるゲームもいくらでもあるわけだし、積みゲーをカウントしはじめたらSteamやらNintendo SwitchやらPS5(PS Plus Extra)やらXbox Series(Xbox Game Pass Ultimate)やらEpic Games StoreやらGOG.comやらAmazon Prime Gamingやら無限に存在しており、罪を自覚しました。あとVRゲームはQuestストアで買ったやつもあるしね……

ゲーマーのためのメタヴァース宣言 インタラクティブな3DCGとの付き合い方(2022/05/08)

2022年の前半はほとんどゲームライターとしての仕事がありませんでした。自分の会社でのゲーム開発が忙しくなったり編集部側からもレビュー依頼を持ち掛けにくくなったりしたことがありそうです(だってゲーム会社に勤めている人にゲーム批評させたら”なにいってんだこいつ”ってなっちゃいますからね……)。

そんな状況でしたが、編集部の方から「メタバースを題材に記事を書かないか」といった提案を受けたように記憶しています。この記事をきっかけに自分は2022年をコラム系ゲームライターとして活動することになりました。

内容については、今見直すといいことを言っているのではないでしょうか。言ってしまえば3DCGアバターだとかシェーダーだとか人が興味を持ちやすい部分はすでにノウハウが充実している一方で、レベルデザイン(空間設計)は重要なわりに興味を持たれづらい側面があります。「メタバース向けのレベルデザイン教本とか欲しくない?」という話を雑談でしていたときに「じゃあ君が書けば」と言われたことがありました。よっぽど余裕が生まれれば書きます。

ゲーマーはなぜNFTが嫌いなのか?(2022/07/03)

自分の今までのライター仕事の中で1,2を争うレベルで反響があった記事です。自分の2022年のライターとしての仕事はこれで終えたようなものでした。6月に出したメタバースの記事である程度の感触があったのか、引き続きコラム記事としてNFTが題材になりました。また、2021年のVRゲーミングまとめ記事でNFTに触れようとしたものの自分の判断でカットしていたため、そのときの調査記録がこの記事の基礎になりました。

僕個人としては「ルートボックスのあるゲームはすべて成人指定すべき(そのかわり規制は緩める)」という意見なのでNFTゲームでモバイルゲームの賭博性と射幸性が増したところで、まあって感じではります。

リアル知り合いの人から「仮想通貨業界の知り合いがこの記事を読んで”やっぱそうだよな……”って言ってたよ」といった反応を頂けたのがうれしかったですね。Twitterでもゲーム系とかそうでもない系とかの人の反響が大きく、いずれにしろ「この記事に書かれていることは不正確だ!」という指摘がないのが印象に残りました。もしかしたらどこかのゲーム会社の会議で資料として使われているかもしれません(原神の考察記事で実際で使われたことがあったと連絡を頂いたことがあります)。

このNFTの記事は「NFTゲームと欧米の事例と日本の法律規制」についてゲームメディアが真面目に取り上げること自体が希少価値だったわけです。記事の執筆中は法律系や仮想通貨系のメディアを大いに参考にさせていただきましたが、記事は「内容自体の独自性」だけでなく、「どの情報を誰に届けるのか?」という点も大事なのだとちょうどいま実感しています。

東京オリンピック目前に揺れるコロナ禍の日常を描くADV『東京珈琲パンデチカ』プレビュー【東京ゲームダンジョン 2022】(2022/08/22)

東京ゲームダンジョンではいくつかの取材をして草稿を書いたのですが、気が付いたらこのゲームだけが記事になっていました。あんまりオムニバス形式の記事を書くのに向かないのだろうか。

『東京珈琲パンデチカ』は会場での展示前からメディアの人の注目度が高く(いかんせんブースの見た目も立派だったので)、実際にプレイした人の感想をプレイ前に聞いていました。ただ、「ピーキー」という単語が頻発していて、自分も実際にプレイして「ピーキーだな」と思ったのでそのように記事を書きました。

ただ、本作を取り上げた記事をあさっても概要の紹介にとどまるものが多かったのは、やはり取り上げ方にみんな苦労したのかなと思いました。とはいえインディー展示会に出ていて向こうはこっちに取材してくれと依頼したわけでもないのに「これはすごくピーキーです」と紹介するのってどうなんだろうと思わなくもないことがありました。ひとまず作者の方に記事をツイートしていただいて戦々恐々としたことは内緒です。

それで結局、メタバース版TGS”TGSVR”は誰のためのイベントだったのか?【TGS2022】(2022/09/23)

「VRゲーム会社の人なのにこんな記事書いていいんだ……」と周りの人から言われたり自分でも思ったりしましたが、書きました。NFTほどではないが反響がありました。

現実の代替としてのメタバースというのは2020年から2021年にかけては盛り上がったものの「やっぱり現実に戻りたいよね」という感じの圧があり、そういうわけでTGS2022もリアル開催に戻ったので「現実の代理としてのメタバース」というのは2022年および2023年でもまだきついわけです。

ただ、反省点としては自分の推測がけっこう入っている記事なので関係者から「その推測は事実に反する」との指摘をいただきました。とはいえ関係者の人から具体的に話を聞けたわけではないのでこちらも訂正しようがないので、ご容赦ください。いつかリベンジマッチがしたいです。

PlayStation VR2が普及するにはどうすればいいのかを本気で考えてみる

一方でこの記事は「VRゲームライターなのにこんなこと書いていいの?」とは言われませんでした。まあ、そういうことなのです。Twitterの反応など見ても特に異論はありませんようでしたし。つねづねVR業界の発展を祈っている私ではありますが、どうしようもないことはあります。私は予約しましたけど。それはそれとして購入条件にPS4/PS5起動時間が20時間以上とあり、ふだんSteemばかり使っていることの弊害がこんな場所で起きるなんて……と衝撃を受けました(自分が条件を満たしているかどうかが自信が持てないため)。

アニメに着想を得た学生開発のVRゲーム特集【デジゲー博2022】

自分がちょうど中学生のころにソードアートオンラインのアニメ1期が始まり、そこから爆発的な流行が発生した。ソードアートオンラインはVR業界(2010年代)に多大な影響を与え、VRマニア≒SAOファンといっても過言ではない状態だった。だけど僕は違った。VRデバイスをゲーム機だと考えて居たからだし、もともとアニメもそこまで見るほうではないからだった。

この取材で驚いたのは、友人から「むしろ自分たちよりも下の世代の方がSAOの影響力が強いだろう」とのことだった。とはいえ、VRChatを見ると「VR=VRChat」という図式が当然のように存在しており、「SAOの影響を受けてVRを始めました!」っていう人はそこまで見た覚えがなく、ただたんに自分が若い世代との断絶が起きているのか、それともやっぱりアニメファンとVRファンとゲームファンの層が違うのかと3か月に1回ぐらいの頻度でやきもきしてしまう。

あと、かんこれVRはいいアイディアだと思うので完成させてほしい(自分も似たようなものを考えたことがあったため)。

●note(2本)

VRゲームで三人称視点がマイナーなのは「主人公が"他人"になってしまう」から

僕はMark Brown氏のGame Maker's Toolkitが好きだ。ビデオゲームを開発者とプレイヤーの中間の目線で批評しているからだ(Mark氏はもともと評論家だが、最近はゲーム開発にも取り組んでいる)。それなら自分でVR界のMark Brownになってやろうか、という野望を持っていないこともない。ただ、自分の野望以前の問題としてビデオゲームを体系的に知ることは”暗黙知”となっており、「ゲームのことを理解したいならプレイしろ」が前提となっている。それはまあそうなんだけど、体系的に批評的にまとめることに価値を見出しても怒られはしないはずだ。

ということを考えていたが、残念ながらこれ一本で力尽きてしまったし、結論がけっこう投げやりである。ただ、「VRの情報を(批評に限定せず)体系的に知れる資料があればほしい」という意見を頂いたことはあり、その要望に応えられればと思う。

【#ぱソ天】Half-Life: Alyxをクリアまでプレイした二人が感想を語る:VRゲーム編

Half-Life: Alyxはあと3回は記事を書けるほどまだまだ語りつくせないし、時間が経過すればするほどHL: Alyxの価値が増していくことかと思うので今のうちに記事を書けるだけ書いておくことはまったく損ではない。とはいえ、対談記事を書き起こすのがびっくりするほどめんどくさいのは本当にどうにかしたい。AIでなんとかなるのかな。

なお、対談相手のアロハ天狗氏がけっこう2022年がたいへんだったようなので、今後も微力ながらお力になれればと思う(ただしリボ払いには手を出しません)。

2022年の総評:”ライフワーク”バランスの問題

他の人から「二足のわらじではなく一つに絞ってみてはどうか」とたびたび指摘された。ゲーム開発かゲームライターのどちらかにリソースを絞れば(とはいえ大抵はゲーム開発に絞るよう助言される)結果が出せるだろう、逆にいえば今の状態だと結果は出せないという指摘である。

これは本当に困った問題で、そういう気持ちはある一方で「ゲームライターとゲーム開発を兼業しているぱソんこ(渋谷宣亮)さん」という認識が周囲にあることで、自分もそれに頼っている面はあるんですよね。まあ自分の問題なので周囲は関係ないんですけども。これはアウトプットが(記事以外の単位で)出力されていないのが問題なので、本業で力を出すか、個人開発で力を出すか、フリーライターとして本(動画)を出すか、になるわけですね……ほんとうにどうしましょうかね……

あと記事の数が少ないからか補足の文章がいつもより長くなっていますね。2023年は何かを満たします。よろしくお願いいたします。


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