リット

お手軽な恋愛小説を作っています。 小説を元にゲームも作っています。

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最近の記事

reply 第7話 「うん、可愛い。」

森高 「えー。皆さん、お集まりいただきありがとうございます!」 「今日は仕事のことは完全に忘れて、たくさん楽しみましょう!」   「完全に忘れちゃまずくないか!?」 森高 「あーそうでした!みなさん、せめてやり方だけは忘れないでくださいね!」   司会を務める森高先輩が勢いよく盛り上げる。 上からも下からも信頼されている彼は、飲み会での司会役も毎度好評だ。 森高 「それから先日統括部長に就任した糸川君も出席しています!」 「時間がある人は彼におめでとうと伝えてくだ

    • reply 第6話 「変化した日常」

      クラリ 「うっあー…」 しんとした中、自分の声だけが室内に響く。 クラリ 「沙利ちゃん、まだ仕事終わんねーのかなあ。」 テレビのリモコンを掴み、次々にチャンネルを切り替える。 しかし、放送されているのはなぜかクイズ番組ばかり。 不機嫌そうにテレビを消して、大きくソファーに寄り掛かった。 クラリ 「カイシャってとこに行かなきゃ仕事出来ないのかな。」 「ここですればいいのに。」 “つまんねぇの”と呟き、そのまま横になる。 …ソファーの心地良さにだんだん眠気が襲ってきた

      • reply 第5話 「彼の詳細」

        ――変な同居人が出来た次の日の朝 クラリ 「沙利ちゃーん!起きてるー?」 コンコココン、コンコン、コココン、コココココココココ… 沙利 「…な、うるさ…」 そう叫びながらクラリは寝室のドアをリズミカルにノックした。 あまりにうるさくて、夢の中から一気に現実へ引き戻された。 沙利 「ちょっと!」 「何なのよ、何時だと思ってるわけ!」 寝室のドアを開けて怒鳴りつけると、 しょんぼりとこぎつねの時みたいにうなだれる。 クラリ 「朝の6時。…だけど、」 あまりの落ち込

        • reply 第4話 「正体」

          reply 第4話 「正体」 鍵を差し込み、クルッと回す。 カチャリという音とともに玄関のドアが開いた。 素早く靴を脱ぐ。 わくわくしながらリビングのドアを開けると そこにこぎつねの姿はなかった。 ――あれ、? 一体どこに行ったんだろう。 置いておいたこぎつね用の御飯を確認する。 油揚げは、なし。 ちゃんと食べたみたいだ。 隣の部屋? ...いない。 じゃあ寝室に行ってみるか。 バッグを床に置き、コートを脱いで寝室に向かった。 その時 開かれていた

        reply 第7話 「うん、可愛い。」

          reply 第3話 「鳴き声」

          reply 第3話 「鳴き声」 ―――...なんか、顔が 変な感じ...、 あれ。私今起きてるんだっけ。...それとも、 いや...寝てるんだ。 でも、この頬の感触は、何? ...... 舐められて...る? パチッと目を覚ます。 目線を下にずらすと、ピンクの舌が飛び込んできた。 あまりに驚き、無言で飛び起きる。 するとその持ち主も私に驚いて後ずさった気配がした。 なになになに!? パニック状態になりながら、ベッド近くの電気スタンドに手を伸ばし明かりを

          reply 第3話 「鳴き声」

          reply 第2話 「狐」

          reply 第2話 「狐」 未だに震え続けている。 何時間、あの雨の中に居たのだろうか。 自宅に戻った私は、タオルに包んだ動物をストーブの前に置いてあげた。 毛は汚れて、雨でペッタリと張り付いている。 少しだけ温めた、ぬるめのミルクを近くにそっと置いた。 私はコートも脱がずに考えた。 ――犬よね? それも子犬。 犬種はなんだろう。 柴犬とか? 持ってきたタオルで頭を優しく拭く。 大丈夫かしら...。 動物病院を探して、今から診てもらえるか電話してみようか

          reply 第2話 「狐」

          reply 第1話 「雨の中」

          reply 第1話 「雨の中」 「終わったー!」 ――やった・・・これで家に帰れる。 早速カバンをデスクの上に置き、私物を掴んで押し込む。 それに気づいたのか隣のデスクで作業していた、有美が振り向き声をあげた。 「えー!?沙利、終わりなわけ!?」 「フフン、まーね。いいでしょ。」 ニヤリと笑ってみせると、有美が少し不機嫌そうに眉を寄せた。 「・・・私と残業、代わんない。この後、デートの約束が」 「冗ー談!悪いけど、代わってあげられないわ。もうきついし・・・」

          reply 第1話 「雨の中」