25年間独力でアニメを作ってきた人

少女雑誌に投稿を続け、編集からは先ずは画力、しっかりしたテーマをと指摘され、落選した作品を自らアニメーションにしてきたと言う。

クリアファイルに作画を行い、ハンディカメラで直接撮影をして、アフレコは自身の裏声、作詞作曲もすべて自分自身で手がけてきた。

はっきり言えば、回りくどいにもほどがある手法で25年間続けてきたのだとか。

投稿を始めた当時からすでにパソコンで作画も出来るし、アニメーションも作れる時代である。まだ、アナログセル画が優勢であったけれど、PCを使うことが出来ていれば…。

この作家の作品ははっきり言って拙いことばかりで、作画は安定していないし、動画もメチャメチャで、音割れもひどければ、テンポもあったモノでは無く。

商業レベルどころか、アニメ同好会のレベルで背比べがやっと出来るところである。

ただ、この作品を見ていると執念と一言で形容できない、熱量があって今まで、作り上げてきたというバイタリティーは素直にすごいと思うし、そんな熱量を間近で見たら、うかつなことを口に出せないとさえ思う。

ここで言ううかつなこととは、手はこう書くんですよ、とか、デッサンおかしいですよ、とか、PC使った方が絶対効率的ですよ、とか、そんな方法論は必要ないんだろうって。

本人のエネルギーは「作る」というベクトルに注力していて、作品の完成度や読者に対する意識、社会的な認知度には人並み以上に関心が無いのかもしれない。

あくまで、頭に浮かんでくるアイディアを吐き出さないといられないとのことで、「排泄」と表現しているのは言い得て妙である。

このような生き方は自分には出来ないなと思いつつも、1/10くらいはそのモチベーションをいただけないものかと思うのであった。

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