買ってよかった漫画とか
家庭崩壊した一家の末っ子、梅はその荒んだ家庭環境によって誰にでもキレて暴力を振るう少年になってしまう。中学の入学式で一波乱を起こしたあと、上級生の報復に会い、刃物を手にしたときに目が憎悪に染まった。
梅の持つ刃物が上級生にむけられたとき、飛び込んできた人影に梅の身体は一回転した。
梅を抑えたのはダニエルという名のカナダ人と合気道だった。梅はこの不思議な武道に出会い、その理念に触れて、自身に巣食った荒ぶる心に向かい合っていく。
梅の家庭はどうにもならないほどすさんでいて、姉と一緒に健気に住んでいるんだけれど、弟の梅は素直なごく普通の男の子であるのに母親の傷害事件から、キレやすい子供に。
このままだったら、いずれは取り返しの付かない暴力沙汰になって鑑別所、もしくは少年院のお世話になって、札付きになって引き返せないところまで落ちてしまう下り坂に踏み外すところだったろう。
勝敗の無い武道、相手に合わせて技を磨く鍛錬、梅は疑問を抱き、いらつき、他人にぶつかりながら、心を産(むす)んでいく。
皆が悩み、もがいて、それでも耐えて、自分の心と向き合って進んでいく。
家族の再生と未来に続く大団円のエピローグまで気持ちが温まった読後感。
この作品は一度だけ本誌で見かけて、名前も知らなかったのだけれど、数年後の本屋でその続編を見つけて買い揃えました。
某古書店で連載当時の単行本を発見したのですが、最終巻だけ売っておらず、しかたなく割高なネット通販で手に入れたのでした。
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