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縄文・旧石器時代の祭祀と黒曜石 Vol.2:黒曜石の名称は●●●だった!?

リレー連載・執筆:ラボラトリオ研究員T → 研究員 G

先日、私は日本百名山の一つである霧ヶ峰から下山してきたばかりの研究員T氏から、あるミッションを受けた。

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そのミッションとは……。

「黒曜石の謎を解明せよ!」

これだけである。

ただ「巨石」好きだからという理由で選ばれ、
詳しいミッションは聞かされず、
私は研究員のT氏から
霧ヶ峰近くの深い森の中に続く、
この謎だらけのミッションを
突然バトンタッチされたのだった……。

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<まだVol.1をお読みになっていない方は、こちらからお読みください>

■リレー連載「縄文・旧石器時代の祭祀と黒曜石」
▼Vol.1-研究員T:2020年10月23日
https://parole.laboratorio.ltd/n/nfef3c06dc6a9

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読者の皆さん、はじめまして。

この度、研究員から、
謎だらけのミッションを引き継ぎました、
研究員Gです。

ここから先は、この研究員Gの私が、
今回からスタートする、
「黒曜石の謎解きミッション」先鋒
「黒曜石の謎解きツアー」コンダクター
を務めさせていただきます。

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ということで、
読者の皆さん、
たいへん長らくお待たせしました……!!


皆さんもう既に、
謎解きツアーに出発する準備はできましたか?

は新品ではなく、履き慣れた靴にしましょう!

おっと、おやつも買いましたか?

大人は金額制限なし、子どもは500円までですよ!!

もちろん、除菌ティシュマスクを忘れずに!!

それでは、皆さん!!

世界初(?)の
黒曜石の謎解きツアー」にレッツゴー!!

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……。

……。

……。

……。

な、な、なんて、コト……。

言えるわけがないです……┐(´~`;)┌

確かに私は、巨石が大、大、大好きです。

過去30年にわたり、巨石との出会いを求め、
全国各地を訪ね歩いてきました……。

ですので、まぁ、いわゆる、
巨石オタクの類ではあるかも知れませんが、
ぶっちゃけ「黒曜石」のことなんて、
何も知らねーっス……(^^ゞ

そもそも、
黒曜石」の研究なんて、
鉱物学、地質学、火山学、
歴史学、遺跡学、考古学、
郷土史研究などの専門家の仕事じゃね????

T氏は「超優秀な研究者」とか、
探偵」だなんて、
勝手に持ち上げてくれるけど、
オイラなんて、しょせんは、
単なる「探偵」だっちゅーの……(*_*)

あぁ、困った〜!!
巨石オタク」のオイラなんかに、
黒曜石」の謎解きなんて、
できるわけ無いっしょ……(T_T)

私の心は、そう呟いていた……。

そう、
まるで「黒曜石」のような
真黒色猛毒を吐きながら……。

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■T氏からの贈り物

……と、
私が心の中で、真っ黒け猛毒を吐いていた、
まさしく、その時だった。

T氏から、突然。

「G さん、はい、これどうぞ、お土産です……!!」

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それは、
彼が霧ヶ峰で発見した「黒曜石」だった……。

何の加工整形もされていない、
黒曜石」の原石、荒々しい欠片である。

・発言-T:「この黒曜石、差し上げます。」

・発言-G:「えっ、いいの?ホントに?」

・発言-T:「もちろんです。お好きな石をどうぞ!」

     「だって、黒曜石って心を鎮める働きがありますしね。」

・発言-G:「へ〜っ、そうなんだぁ。」

・発言-T:「は〜っ? 今さら何言ってるんですか? だって毎朝『鎮魂(ちんこん / たましずめ)』の時に利用しているじゃないですか!」

・発言-G:「えっ、『鎮魂行』の時に利用する黒い玉黒曜石だったの?」

・発言-T:「え〜っ? Gさん、そんな事も知らなかったんですか?」

・発言-G:「ゴメン。実は黒水晶シュンガイト(Shungite)かと思っていた……。」

・発言-T:「わ〜っ、マジっすか? Gさん、しっかりして下さいよ!」

発言-T(やや強いめの口調)
「いいですか、Gさん!
今回の謎解きのミッションは……。

なぜ、古くから黒曜石鎮魂行に使われてきたのか?

なぜ、他の石ではなく、黒曜石でなければならなかったのか?

いったい、黒曜石はどこで産出されたのか?

はたして、黒曜石はどこから来たのか?

黒曜石が産出される地域の遺跡や遺物との関係性は?(例えば諏訪湖、諏訪神社とか……)

全国、全世界で発見される黒曜石の遺物と、どういう関係があるのか?

なぜ、いつから、どんな理由で、黒曜石球体にしたのか?

黒曜石球体に調整する技術はどこからきたのか? 等などの、疑問や謎を調べることなんですからね……!!」

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▶参考URL:(社)白川学館 > 鎮魂
https://shirakawagakkan.jp/chinkon/

・発言-G:「あーーそうかーーなるほどねーー!」

鎮魂行黒曜石ミッションとの関係、いま理解できたよ!」

「もしかして、だから、TさんはGに黒曜石を渡そうと思ったわけ?」

「今のGさんには、黒曜石鎮魂が必要だぞ……と。」

「ねぇ、Tさん、そういうこと……!?」

私は、そう質問した後、
T氏を見た。

T氏の真っ直ぐなは、
☆☆キラキラ☆☆と輝いていた……(*^_^*)

「ありがとうT君!」(Gの心の声)

・発言-G:「それじゃぁ、この石を貰ちゃおうかな……。」

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■ファーストコンタクト

これまで私は、
博物館などに陳列されている「黒曜石」の石器等はよく見かけてきたが、
実物の「黒曜石」を直に手にするのは、人生初の体験だった。

・発言-G:「あれ、意外と軽いんだねぇ〜」
・発言-T:「そうなんですよ。驚きですよねぇ〜」

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続いて、「黒曜石」の黒く輝く表面に目を移した。

他の鉱物とはまったく異なる、独特なテクスチャー(※1)。
私は、一瞬で、このテクスチャーに心を奪われた。

※1. テクスチャー
テクスチャーとは、材料の表面の視覚的な色や明るさの均質さ、触覚的な比力の強弱を感じる凹凸といった部分的変化を、全体的にとらえた特徴、材質感覚、効果を指す。(出典:Wikipedia)

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そして思わず、
黒曜石」を太陽にかざしてみた。

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・発言-G:「これ、縄文人たちも、きっと同じ行動をしてるよね!」

・発言-T:「ですよね! つい私も同じ行動をしてしまいました!」

そんな会話をしながら「黒曜石」を、マジマジと眺めてみた。

!! 警告 !!
・肉眼で太陽を見るのは危険です!!
・決して筆者の真似しないでください
!!

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とても、キレイだ……。

と同時に、
黒曜石」を見つめ続けていると、
黒曜石」に吸い込まれていく……
そんな感覚がある……。

この「黒曜石」の欠片の中に、
数千年、数百万年前の数々の元素たち、
生成にいたる出来事、数々の物語が残されていると意識するだけで、
その瞬間に思考は止まり、
時間も止まるような気がする……。

もしかすると、
心が鎮まるとは、
こんな状態なのだろうか……!?

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そういえば、
日食」を観察した時も、
こんな感覚に似ていたような気がする……。

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こんな光景、こんな心情を、
縄文人たちは、
なんという言霊、言葉で表現したのだろうか……!?

そんなことを考えていたら、ある疑問が生じてきた。

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