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『後七日御修業(ごしちにちみしほ)』を終えて

一般財団法人 白川学館 理事 山口周行

一般社団法人白川学館では、お正月を神道式だけでなく、仏教式でも過ごすことになります。松の内を過ぎての1月8日~14日に、今年も「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」が修されました。

昨年は会員向けに公開、祝殿での拝観が行われましたが、今年は昨今の世相を鑑み、インターネットでの24時間配信によるご参加を募りました。

「後七日御修法」は、遡ること835年1月8日、空海により宮中で初めて後七日御修法が行われてから、国家安泰(こっかあんたい)玉体安穏(ぎょくたいあんのん)万民豊楽(ばんみんぶらく)の祈りは、お正月の宮中の恒例行事となり、南北朝時代の戦乱期や応仁の乱以後などに何度となく中断しながらも、明治維新まで国家を鎮護する最重要の儀式として執り行われてきました。

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804年、遣唐使の留学僧として唐にわたった空海は、密教の第七祖恵果和尚に師事します。当時、唐では密教が全盛期。空海は、類稀なる才により恵果和尚に認められ、最速で阿闍梨位の灌頂を受けます。

当時、留学生として唐に渡った者は、20年間日本への帰国が許されなかったところ、空海はわずか数年で帰路につき、その後、宮中でその実力を買われることになります。

ここに共通するのは、言霊であり真言。その50音を母音、父韻、子音として、一番はっきり現しているのが胎蔵・金剛の両界曼荼羅であり、五大明王ということになります。

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開催期間中、毎日沢山の方々に観て頂きましたことを、ここにご報告しますとともに、厚く御礼申し上げます。

お正月に行われる恒例のこの行事は、文化継承の白川学館事業の目的の一つとしても、今後も続けられていく予定です。機会がございましたら是非、皆様にご覧いただければと思います。


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