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水とエーテルと量子場脳理論 Vol.7【最終回】

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

記憶の貯蔵庫としての水の分子の電気双極子

哲学者のミゲル・デ・ウナムーノ※1は、「こころ」は記憶の上に存在し、記憶によってのみ存在していると洞察したが、まさにそれが量子場脳理論の結論でした。量子場脳理論においては、まず記憶の場として、細胞骨格や細胞外マトリックスと呼ばれるタンパク質フィラメントが大脳皮質の中に織りなす網目状の立体構造として、大脳皮質ゲージ場が定義されている。

量子論に示される世界像と言霊の世界像との類似性に注目すると、記憶とはすなわち言霊に相当し、人の「こころ」は言霊によってのみ存在しうるということになる。普通、私たちは「こころ」がまずあって、そこから言葉が生まれると考えるわけであるが、言霊学においては、まず天津神としての言霊があり、そこから「こころ」が生まれてくる、と考えられる。それは量子場脳理論の説くところと類似的に同じ考え方だといえるのである。

従来、記憶や意識などの高次な機能は、ニューロンの神経回路の中を行き交う電気的な信号や化学的な信号によって生み出されると考えられていた。しかし、ニューロンの神経回路の作用は本質的なものではなく、むしろ記憶や意識などの脳の高度な機能の本質は量子の世界にある、と考えられるようになった。私たち人間は、森羅万象のすべてを光波、音波、そして脳波に置換して大脳皮質ゲージ場に電磁エネルギーとして蓄積している。

大脳皮質ゲージ場はその90%近くが水でできているため、水の分子の電気双極子凝集体と言われている。水はあらゆる細胞内外、そして細胞と細胞の間隙に媒質として存在し、すべての生物学的プロセスにおいて、分子の固有の周波数の重要な伝導物質として作用し、さらに水の分子自らが組織化されて周波数の持つ情報を増幅することが明らかになっているのである。さらに、水は情報を記録して保持するという、驚異的な能力を持っている。これはホメオパシー療法において、溶液中の薬効成分の分子が一つも存在しない状態にまで水を希釈したときにも、薬効が持続するという現象でも明らかにされている。

90%近くが水分で出来ている大脳皮質場が外部からの視覚・聴覚・触覚などの五感エネルギーを電磁波(光波・音波・脳波等)媒体にして受信すると、大脳皮質場において、電磁場の量子であるゲージボソンと水の分子の電気双極子凝集体であるコーティコンが対発生・対消滅をくり返し、お互いが複雑に絡み合うことにより、外部からの電磁波エネルギーを記憶として取り込んでいくと量子場脳理論では考えられている。

宇宙の真空のいたるところで、多数の粒子が対発生&対消滅しているという現象が、量子場脳理論におけるゲージボソン※2とコーティコン※3との対発生&対消滅の現象と、きわめて類似的なのである。

では、記憶を想起したりして、思いを巡らすときは、大脳皮質ゲージ場において、どのような量子的反応がおこっているのだろうか? 大脳皮質場ゲージ場に、内部発生的な微少な揺乱(記憶想起)が微弱なエネルギーとして入力されると、南部・ゴールドストーン・ボソン※4が生成される。南部・ゴールドストーン・ボソンは量子場脳理論では、記憶想起エネルギーと言われている。そして、記憶を想起するエネルギーとして発生した質量ゼロの南部・ゴールドストーン・ボソンは、電磁場のベクトルポテンシャルの中に取り込まれることにより、質量を有する隠れ光子として、エバネッセント光子として姿を変えて大脳皮質ゲージ場の中に蓄積される。このエバネッセント光子こそが、フレーリッヒ型※6のボース・アインシュタイン凝縮体※7であり、想起した記憶の無限個の来歴を固定化する、いわば記憶を書き留める「黒板」としての役割を担い、さらには人間の意識の場を育む、「こころ」として機能するのである。

私たちの脳は、あくまで類似的ではあるが、電子や光子が絶え間なく運動状態にあり続けている量子場の海といえる。絶え間なく動き続ける量子場の中でゲージボソンやコーティコンなどの粒子が生まれ、このような粒子が集まることで物質世界ができていて、電子や光子が絶え間なくやり取りをしている脳で意識が生まれることで「こころ」ができているとするならば、どちらの場も運動状態のエネルギーで溢れていることになる。

宇宙全体にあまねく存在し、運動する量子場の海の中に私たち自身も存在していて、同じように私たちの脳も量子場の海であれば、相互に作用しあい共振共鳴しあう関係にあり、絡み合い(量子エンタングルメント)があるといえる。私たちが脳で何かを考えれば、その考えは波動となって周囲の量子場に影響を与え、その波動の動きにしたがって状況が変化して、物質や肉体の波動、あるいは周囲の人の思考にも何らかの変化が起こることが予測できるのである。あらゆるものは分割不可能な全体として、非局所性として存在するという「記憶ホログラム仮説※8」が、私たちの脳機能として実証される日も遠くないことであろう。(了)

※1. スペイン・ビルバオ出身の哲学者、著作家、詩人、劇作家。いわゆる「98年世代」にあたり、真のスペインの思想・国家・人民のあり方について模索し続け、スペイン思想界に大きな影響を残した。実存主義的な思想家として知られ、哲学と詩の両面から生と死、あるいは自己の問題などに取り組み、「私とは何者であるか」「死後の私はどうなるか」の2点に強い関心を持った。特にデンマークのセーレン・キェルケゴールに強く影響され、「南欧のキェルケゴール」と呼ばれる(出典ウィキペディア)。

※2.素粒子物理学において、ゲージ相互作用を媒介するボース粒子の総称である。 特にその相互作用がゲージ理論で記述されている素粒子間において、(仮想粒子として)ゲージ粒子の交換により力が生じる。 標準模型においては、電磁相互作用を媒介する光子、弱い相互作用を伝えるウィークボソン、強い相互作用を伝えるグルーオンの3種類がある。 また重力相互作用もゲージ理論で記述されていると考えられており、これを伝える重力子がある(出典ウィキペディア)。

※3.細胞内外の水分子電気双極子場の量子をコーティコンと呼称する物理モデル。コーティコン場を「脳細胞の内外に広がった水の電気双極子の凝集場」であるとする。また、ミクロな量子の世界において、コーティコン場と互いに影響し合って生じる波動現象によって記憶や意識を生み出すスチュアートン場は電磁場であるとした(出典:「脳と場の量子論」)。

※4.系の大域的連続対称性が自発的に破れているときに現れる質量=0の粒子のことを言う。ローレンツ対称性を持つ理論における連続な内部対称性が自発的に破れた際は、質量0のスカラーボソンが現れる。この場合は破れた生成子と現れる南部・ゴールドストーン粒子の数とは1:1に対応している。大域的超対称性が自発的に破れた際は、ゴールドスティーノと呼ばれるフェルミオンが現れる(出典ウィキペディア)。

※5.6.フレーリッヒ型のボース・アインシュタイン凝縮体とは、絶対零度の環境でなくても常温で超電導が起こって、マイスナー効果によって、横波の光が、縦波の南部ゴールド・ボソン(ポラリトン)を食べて、質量のある光子、隠れ光子、もしくはエバネッセント光子に相転移して、それが記憶の素になるという説の説明知>:量子力学の研究で有名なソビエトの物理学者ダビドウと超伝導現象の理論的大家であるイギリスのフレーリッヒによるものですが、<フレーリッヒ>は、1967年に細胞膜直下のアクチオンフィラメント(マイクロフィラメント)に沿って電気双曲子を持つ分子が並んでいて、そのためフィラメントに沿った方向に電気的な波動が伝播し、それに付随する電化の流れは超伝導のように損失が無いことを理論的に唱えた。これは今日ではフレーリッヒ波と呼ばれ、実験的にも徐々に見いだされはじめているようです。<ダビドフ>は、1979年に細胞質内のタンパク質タンパクフィラメントに沿って電荷がソリトンという特殊な孤立波によって運ばれることにより、やはり超伝導の電化の流れが生じることを示した。細胞膜外部では、コラーゲンと呼ばれるタンパク質のフィラメントが多い。電子は光子をやりとりすることによって互いに作用し合うという性質を持っている。

※8.記憶は脳ではなく、外部に保管されている仮説
       (出典 http://www.voynich.com/brain_memory.html)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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