トリドーシャ（त्रिदोष）をわかりやすく 2
前回より引続き アーユルヴェーダ（आयुर्वेद）の3つの性質（トリドーシャ（त्रिदोष）、体質ともいいます。）のお話です。
ヴァータ（वात）、ピッタ（पित्त）、カパ（कफ）の特徴を解説してみたいと思います。ご自分の性質に一番しっくりくるのはどのドーシャか考えながら読んでみてくださいませ。
ヴァータ（वात）空と風のエネルギー
ヴァータは他の２つのドーシャの親分とも言われています。最初にヴァータが乱れて体調を崩す素でもあります。またヴァータのバランスを良くすることが、他のドーシャのバランスが崩れないことにつながります。
ヴァータタイプの人はどんな人？
華奢で、色黒、動きまわる（移動が多かったり、気が変わりやすかったり、早足）、食事・消化が不規則、眠りが浅い、熱中しやすく飽きやすい、気分にムラがある、朗らか、想像力に富む、エネルギーに溢れている、理解のスピードが速いがすぐ忘れる、心配性、頑張りすぎてすぐ疲れる、便秘気味、ヴァータの座は大腸や耳にあるので、乱れると便秘やガスが溜まったり、耳鳴りがすることがあります。
ヴァータのバランスが崩れてしまったら？
十分な休養と、規則正しい生活習慣、乾燥を避け、オイル（ギーなど）、乳製品を摂って、アビヤンガ（オイルマッサージ）をします。温める（暖かい食事、白湯、入浴など）、窓辺で日光に当たり（外出でなく）、陽気になる音楽を聴いたり、本を読んだりします。
ピッタ（पित्त）火と水のエネルギー
火と風のエネルギーをもつピッタは激しく熱いタイプです。
ピッタの人の特徴は？
中肉中背、中位の体力、忍耐力、チャレンジ精神旺盛で、鋭い知性の持ち主です。ストレスを受けるとイライラしやすく、すぐカッとします（短気）。肌は白い、または血色が良く、そばかすがあったりします。夏、暑い天候と日差しが苦手です。的確で、ハキハキとしたしゃべり口で、討論好きだったりします。頭の切れる、野心家、大胆で嫉妬深い傾向にあります。食事の時間が遅れると我慢できない、時間の無駄を嫌う、リーダータイプ、早足。
ピッタの座は小腸や胃、目などです。強すぎる食欲、喉の渇き、眼精疲労に注意します。
ピッタのバランスが崩れてしまったら？
激しい情熱で仕事に頑張りすぎた場合は、徐々に仕事の量を減らして生活にゆとりを持たせます。呼吸法（プラーナーヤーマ）や瞑想（ディヤーナ）で心の熱を鎮め、バランスをとります。暑い時、カッとしてしまった時には冷たすぎないシャワーを浴びます。刺激物（食べ物、音楽、映画、行動）を避けます。純粋な食べ物、水、空気、思考を摂り入れるようにします。できるだけ多く美しい自然に触れるようにします。
カパ（कफ）地と水のエネルギー
地と水のエネルギーを持つカパはたくましく、体力と持久力に優れており、健康にも恵まれているといわれています。
カパの人の特徴は？
安定していて、ゆったりとした物腰、物静かで、すぐに怒ったりしないタイプです。皮膚が冷たく、滑らかで、色白です。物覚えはゆっくりですが、一度覚えたらなかなか忘れません。たっぷりの睡眠（寝起きが悪い）、体格が良く太りやすい、消化が遅いので空腹感をあまり感じません。
愛情深く、優しく、寛容、争い事は避け、穏やかな性格です。誰からも好かれそうですね。
カパの座は胸、気管支にありす。なので、気管支炎や喘息などに注意が必要です。
カパのバランスが崩れてしまったら？
安定感があり太りやすいタイプ、なので日頃から体を動かして散歩やエクササイズをします。食べ過ぎにご注意！です。ホットジンジャーティーを飲んだり、スパイスを振りかけた食事をします。乳製品、小麦、砂糖は控えます。ただし生蜂蜜は大さじ1〜2杯/日までは良いそうです。湿気と冷たさを避け、暖かくし、お白湯を飲みます。マッサージにはオイルを使わずに絹の手袋（木綿の手拭いでも可）をして乾布摩擦をします。
我慢強いのですが、病気の時は素直に体の声を聞いて休養します。
いろんなタイプに当てはまってしまう
いかがでしょう、どの性質に自分が当てはまっているかでしょうか？おそらく1つの質には収まらない場合が多いと思います。
生まれ持った性質（प्रकृति プラクリティ）と現在の状態の性質（विकृति ヴィクリティ）など2つの性質が混じっている場合がほとんどです。3つの割合も様々で、ひとりひとりの個性となっています。
ヴァータ・ピッタ、ピッタ、ヴァータ
ピッタ・カパ、カパ・ピッタ
ヴァータカパ、カパ、ヴァータ
まれに3つのバランス型もあるそうです。
鎮まった心で自分の体と心を良く観察してみましょう。
今の自分の性質が観えてきて、何が今の自分に必要なのかを理解できるようになるかもしれません。
前回のトリードーシャの投稿も合わせてご覧くださいませ。
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