あまりにもあいまいな  - もうひとつの「三池争議」 -あとがき ・・・#実験小説 #あまりにもあいまいな

数十年後、大人になった巧くんは、京都鞍馬寺のウエサク祭が深夜に終わった後、麓の駐車場にとめた自動車の中で仮眠しました。
尊天のサナトクラマが、とても意外な夢を見せました。巧くんが父親にしっかり抱かれている夢でした。
巧くんは、こどものころからとてもリアルな夢をよくみるのでした。まるで現場にいるようなリアリティがあるのです。
そのとき、父親の温もりすら感じました。
目覚めてから、とてもびっくりしました。
人間は、奥深いもの。
巧くんの深層の深層では、前編の最後で書いた巧くんの救いがたい父親否定とは違った感情、意味があるのかもしれません。
実は、巧くんは、幼児PTSDのせいもあるのか、不思議な体験をなんどもしているのです。
前編の基調となっている一本の糸を巧くん自身も家族も「封印」し続けていたのですが、じつは、深層レベルで見るとまた違った糸につながっていくのです。

文章に書くという行為は、漠然としていたものから何かひとつの意味をあぶりだしてくれるものなのかもしれません。長年にわたって構想していたものを具体化できて、とてもうれしいです。
お読みいただいて、ほんとうにありがとうございました。

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