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台北でひとり ⑤ 『長澤まさみが好きだ』

2日目。友人に紹介してもらった写真家の展示を見に『臥龍貳玖』というオルタナティブスペースへ。100年以上も前からある大学かなんかの施設の跡地をそのままアート空間にしたという感じ。リノベーションとかではなく。

入口の雰囲気

建物

キョンシーとか出てきそうな感じ。

中もレンガ作り。薄赤い空間にモノクロームの写真が鮮烈。まぶしいくらい。

写真家のパーソナリティもステータスも作品のコンセプトも会場のストーリーもあまりわかってない状態で作品を見るという機会がなかなかないので、不思議な気持ちになる。真夜中に目が覚めてふとテレビをつけたら知らない国の古い映画が流れてた。みたいな感じ。

かわいい

日本でもよくあるモチーフ・コンポジションかと思うので、『異国』というバイアスをなくした場合、つまり台湾のひとが見るとどう感じるんだろう。

主観的に言えば、日本と台湾ってすごく似ているのに、日常を切り取ったような写真がこんな風にエキゾチックでロマンチックであることっていうのは素敵だと思うし、それはこの国の亜熱帯な気候や排気ガス混じったよな空気、または歴史的な背景を含む建築や家具などのロケーション、その上での文化形成などが要因かと思う。この被写体たちが台湾の原住民ならばともかく、街の若者や友人である以上『異国』というバイアスは作家の意図ではないと思うけれど、それも含めて多角的に『作品』であると認識した場合、評価の基準はシンプルに「強さ」「美しさ」となるのだろう。あとは「こうであるはずだと思ってる世界が、少しだけちがう」というズレを楽しむのがアートの楽しみ方のひとつだとすれば、満足。

<異人時間> 劉哲均影像創作展
"Unhuman time" Liu Che Chun solo exhibition
https://www.facebook.com/events/2136095996604512/

こんな時に、現地でああだこうだと言えればもう少し作品や作家の輪郭が見えてくるのかもしれないけれど、ここは台北でひとり。ぐっと噛みしめて次の目的地へ。

長澤まさみが『好きだ』と公言している台湾の『涼麺』という料理。臥龍貳玖の近くで発見したので寄り道。劇的においしい。からだにピース。120円。

つづく