NATUMI 個展 『スキマ』 インタビュー by PARK GALLERY
—— 自己紹介をお願いします。
NATUMI(ナツミ)です。グラフィックデザイナー職を経て、イラストレーターとして活動しています。空想を織り交ぜた日常の景色を、構図にこだわって描いています。
—— 絵を描き始めたきっかけがあれば教えてください。
子供の頃からよく描いていましたが、就職後は7年ほど絵から離れていました。転職などで久しぶりに自分の時間ができたことがきっかけで再び描き始めました。その後パレットクラブスクールに通い、本格的に活動を始めるに至りました。
—— タイトル「スキマ」の由来を教えてください。また「スキマ」を表現してみてどう感じましたか。
心惹かれるものには共通の感覚が含まれていて、無理やり言葉にすると「日常のちょっと気になる場面、ほんの少しの「切なさ」「おかしさ」を含んだ瞬間」なのですが、それを「スキマ」と名付けてみました。
個展の準備は、すごく個人的な感覚の「スキマ」を自分の中で整理するところから始めました。自主制作は自己完結になりがちなので、せっかくの個展では観に来てくださる方と「スキマ」的感覚の共有をしてみたいという気持ちが生まれました。
—— デジタルからアナログへの移行されたかと思いますが、違いなどはありますか?それぞれ魅力に感じているところがあれば教えてください。
線が歪んで「しまう」とか、塗りむらができて「しまう」ところが手描きの魅力だと思います。丁寧に頑張った絵にも絶対ある「しまう」部分が好きです。でも、ひとつ前の段階に戻したい、コピペしたい、一時保存したい … とよく思います。私にとってのデジタルの魅力はやっぱりそこかなと思います。
—— NATUMIさんの作品を見ていると映画のワンシーンだったり小説を読んでいるかのような気持ちになります。好きな映画や小説、音楽があれば教えてください。
柳田國男さん「遠野物語/山の人生」、宮本常一さん「忘れられた日本人」など民俗学の本が好きです。小説ではないですが、実話や伝承の中に物語が想像できるのが好きです。読書は昔から好きですが、映画はドキドキしてしまうのであまり観られません。音楽もあまりこだわりがなく、ラジオを聴きながら描くことが多いです。
—— 今回はパークでも初の VR 展示も同時開催です。VR に挑戦してみてどうでしたか? VR の世界の中のオススメポイントと合わせて教えてください。
クリエイティブユニットの『KARAAGE.INC』さんにお声がけ頂いたのがきっかけで同時開催を決めました。初めは私の絵が VR の世界に合うのか心配でしたが、完成してみるとアナログな絵とのギャップが面白いと感じました。絵の動きはひとつひとつ さんとイメージを共有しながら作っていて、ぜひ見ていただきたいポイントです。特に鳥がいる絵の動きがリアルで気に入っています。あと、私が当初からやりたい!とお願いしていた走り回る張り子の群れと逃げる犬も。来場者のアクションによって現れたり動いたりという、VR ならではの表現が楽しいです。ぜひ音声も ON で会場を探索してみてください。
—— 最後にご来店いただくみなさんへメッセージをお願いします。
ご興味を持っていただいてありがとうございます。会場では、手描きの原画の質感や SNS 用にトリミングしていない構図を楽しんでもらえたら嬉しいです。展示作品には大なり小なり「スキマ」的な景色やモチーフが含まれていますので、もし気になる絵がありましたら、物語を想像しながら楽しんでいただけたら嬉しいです!
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