satsukim 連載 『ひびときめき、きょうてりやき』 〈11〉

真夏日。じめっとした晴れ。

８時に頑張って布団から這い上がる。
最近朝がつらく、身体が重たい日々が続いている。
前日の酒のせいか？と思って数日控えてみたけれどなんとなく変わらず、昨日はひさしぶりにビールを飲んだら、いい気分だった。

今朝もおかえりモネ（朝ドラ）を観る。
もうすぐ登米を出て東京にいくモネの心情と周りの心情が、じぶんが知っているそれで、観ていて当事者のように心がざわざわとする。
うー。がんばれモネ。

ここ２日くらいで、蝉のような鳴き声が聞こえてくるようになった。
アブラゼミかな。梅雨が終わったのかはわからないけど、夏が来ているのだな。
季節の変化を部屋の中にいても感じることができる今の環境がうれしい。
外に出ると、もっとすごい。匂いがぜんぜん違う。　

午前中は、Hitohana さんの絵の色付けをしたり、展示用の作品制作も少し進めたけれど、集中力がなんとなく続かず、ひさしぶりに北鎌倉の方へ自転車で出かけた。
とんでもなく暑いけれど、吹く風が気持ちいい。

お寺さんへお参りに、そして帰りに吉野に寄って少し仕事と読書をして帰る。
わたしにとって、だいじなパワースポットだ。

今週、ある鎌倉のギャラリーとの打ち合わせがあって、来年たのしいことがやれそうだったり、その後すぐくらいのタイミングで、地元にちかい地域のギャラリーから声をかけてもらったりと、来年に向けてたのしいことが少しずつ増えてきた中で、わたしは気持ちが少し浮ついていた。

夕方、ラジオで大相撲中継を聞いていたときに、綱取りがかかった照ノ富士がインタビューで、「（綱取りのことは気にせずに）一番一番に集中して、自分のちからを出し切るだけ」と話していて、はっとした。
わたしも、まずは目の前のことを一つ一つやらねば。何を浮ついとんねん。
と、喝を入れられたような気分。
まずは真っ直ぐに、大阪での展示と、いま進めている仕事のことを考えよう。


夕方になると、大相撲中継が終わる頃のタイミングにヒグラシが鳴き始める。
うちのまわりでヒグラシが鳴くのは知らなかった。
はじめての夏は、暑いけれど心地よくてうれしい。
毎晩焚き始めた、ベランダの蚊取り線香のにおいも、たまに入ってくる虫も、早めにお風呂に入ってダラダラする日も。

いつも追い込まれると部屋の中が爆発するのだけれど、例外なく今回も大荒れの部屋の中より。

（今回、スケッチはおやすみです。）

satsukim
絵描き、イラストレーター
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