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EVERYTHING FLOWS #28 by illustrator はるやまひろし

—— どこまでもクールにやりきっているよね。そこまでやりきるバンドはなかなかいない。それが音に示されているような気がする。格好いいね。

絵を描くことを音楽で言う『レコーディング』と称するイラストレーター・はるやまひろしによる、日々のドローイングイラストの記録(REC)を毎週紹介していきます。ライブハウスに貼りだされているチラシのようなイメージで、音楽やバンド、あらゆるサウンドからインスパイアされた、妄想爆発のアートワークが日々描かれていきます。音楽への愛が溢れるテキストと合わせてお楽しみください。


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2021.10.28(THU)
ARTIST -
『TAME IMPALA』
『HYUKOH』
『REX ORANGE COUNTY』
『CLAUD』

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TAME IMPALA(テーム・インパラ)

アルバムが進むごとに不思議な存在感を放つロック・バンド。近作ではひとくくりにロックバンドと言えないかも。

ロックの中に他のジャンルを取り込んでいったり、継ぎはぎ的に繋げていくバンドは多いんだけど、テーム・インパラは境目を溶かすように取り込んだり繋げていく。

演奏していたり、ギターのリフも沢山あるんだけど、ループしているように聞こえたり組み立てや仕上げが精巧で、どこかエレクトロニックミュージックのようでもある。

最近ではロックバンドらしからぬポップミュージックのように洗練された音をフットワーク軽く鳴らしている。
ギターロック好きとしてはちょっと寂しいけど、ケヴィン・パーカーのやりたいことなんだろうと思う。

でもまぁ、取り組み方がプログレロックっぽくて、不思議と?orやっぱり?ロックな存在感なんだ。


Tame Impala - Feels Like We Only Go Backwards



HYUKOH(ヒョゴ)

最初はちょっと格好いいなぁという印象のバンドだった。

聴き進めるうちに、良い意味で「異質」なところが魅力に思えてくるんだけど、その異質さはなんだろう。

音楽の輪郭部分は、デビュー当時から色んな音を鳴らしていて、格好いい。けど、そんなに異質さを示しているかな?

MV を観ることで、少しだけわかった気がした。佇まいかもしれないな。と。

特に歌い手であり、フロントマンのオ・ヒョクの存在感は強い。艶やかで良い緊張感がある。

どこまでもクールにやりきっているよね。そこまでやりきるバンドはなかなかいない。それが音に示されているような気がする。格好いいね。


HYUKOH - Gang Gang Schiele(Live)



REX ORANGE COUNTY(レックス・オレンジ・カウンティ)

曲がどこまでもいいミュージシャンだ。

本当はパーフェクトに仕上ったようなポップミュージックに興味が湧かないことを、自認しているつもりなんだけど。

REX ORANGE COUNTY から流れ出てくるメロディーには振り返って聴きたくなった。

声や歌から判断できる人柄や演奏に隙があるからチャーミングで隙が見当たらないよ。

たいへんよくできました。みたいな、パーフェクトな音楽なら文句もいいやすいんだけどなぁ。

曲がどこまでもいい。

Rex Orange County - Loving is Easy (feat. Benny Sings)



CLAUD(クロード)

CLAUD の魅力は、音楽を聴きさえすればわかると思う、感性の柔らかさ。

聞いた感じはシンガーソングライターという感じの音楽ではないけど、歌の伝わり方はシンガーソングライターそものという感じで、感情がパーソナルに伝わってくる。

先週記事にしたボーイ・パブロとも同じ世代なんだけど、この世代特有の最初からジャンルなんかないみたいなところも面白い。

音楽性が幅広いとも言えるんだけど ”CLAUD” という個性で1つにまとまっている。

注意深く聴いていけば、聴き手それぞれに発見の多いアーティストだと思う。どう歩んでいくのか楽しみ。


Claud - Sideline Star


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はるやまひろし
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama

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