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EVERYTHING FLOWS #08 by illustrator はるやまひろし

絵を描くことを音楽で言う『レコーディング』と称するイラストレーター・はるやまひろしによる、日々のドローイングイラストの記録(REC)を毎週紹介していきます。ライブハウスに貼りだされているチラシのようなイメージで、音楽やバンド、あらゆるサウンドからインスパイアされた、妄想爆発のアートワークが日々描かれていきます。テキストと合わせてお楽しみください。


2021.06.08(TUE)
ARTIST:BROKEN SOCIAL SCENE
ALBUM:BROKEN SOCIAL SCENE

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『BROKEN SOCIAL SCENE』はカナダのトロントにてケヴィン・ドリューとブレンダン・カニングを中心に結成された大所帯バンド。

ステージ映像だと10~15人位。最新作「Hug of Thunder」(2017)では18人のクレジット。ほとんどのメンバーは違うバンドやソロ活動をしていて、多いときは20人を超えることもあるという。またバンドが所属するインディーレーベルの『ARTS&CRAFTS』は、ケヴィン・ドリューが共同で運営している。世界的なシンガーの FEIST がメンバーに居た or 居るバンドでもある。

私は本作品で『BROKEN SOCIAL SCENE』に出会った。モダンなコミューンの楽団の音楽という雰囲気をまとっていて、たのしく聴いた事を覚えている。形態はバンドと呼ばれている基本的なスタイルからは外れていて、楽器はたくさんあるし、メインボーカルも男女何人もいる。ノイズ&カオスもあれば、エレクトロもあり、オーケストラもあって、不揃いのコーラスもある。まさになんでもありって感じだ。

中心メンバーが居ながら、不定形で流動的なので、形態を今時の呼び方に当てはめると、まさに「コレクティブ」になるけど、「コミューン」と呼びたくなる。どこか牧歌的なんだよね。

頭に浮かんだ画では、

曲によってスタジオに出たり入ったりしながら演奏を続けて続けて、最後はみんなでオーケストラしながら、笑って泣いてみんなで歌って終わる。そんな行程でアルバムを作った。

... か、どうかは知らないけど、そんなたのしいことがイメージ出来てしまう。

アルバムを通して大所帯バンドならではの高揚感が味わえるが、本作品のフィナーレ「It's All Gonna Break」は、9分超えの曲で圧巻だ。このまま続いて終わらなければいいのにと思わせてしまう。スタジオに一緒にいるような気分になる。

CD を聴きながら、体験を感じられるようなアルバムって言うのは、シンプルにいい作品ということになるけど、自分にとって本作はその1枚。

『BROKEN SOCIAL SCENE』にとってもいい時期を切り取ったアルバムなんじゃないかな。

大所帯でメンバーがそれぞれの活動をしているから、この先の数年で新しい情報が入ってくるかはわからない。最新作と前作の間も声明はなく6年の間隔があった。でも集まろうぜって時には集結する雰囲気はあるね。

活動や音からは、アートや音楽、DIY 精神への野心はありながらも、ヒットチャートへの野心や継続への義務感はあまり感じず、自然なグルーヴを大切にしているような気がする。

それが『BROKEN SOCIAL SCENE』のチャーミングなポイントだと思う。


今週の一曲 ...

BROKEN SOCIAL SEAN
MAJOR LABEL(FAST)

 / ツアーと音楽のごちゃっと具合が楽しそうな MV ♪ \


はるやまひろし
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama

これまでの収録曲はマガジンからチェック !!


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