三嶋さつき 連載 『ひびときめき、きょうてりやき』 〈35〉
2022/02/03
木曜日
今日もお天気。
裏の森のすずめたちがよく鳴いている。
日曜日の夜、鎌倉に帰ってきてからもう3日?4日?経っていた。
この数日、ここ数週間走り続けた疲れなのか、なかなか身体が(心も)うまく動かずに少し仕事のメールを返したり、スケッチしてみたり、ごろごろしたり、という日々だった。
(この日記を、仕事相手の人たちが読んでいないことを祈りたい)
気分転換の散歩に出掛けたり、本を読んだりする元気もない。
朝も、気づいたら朝ドラが終わっている時間帯に目が覚める。
こういう時はとにかく籠ってだらだら、のろのろ虫になるのが、回復がはやいと思っているのだけれど。そうできるような環境を、自分でつくっていかないとだなあ。
朝のいぬの散歩に出かけたが、森(いぬ)がなかなかうんちをしてくれなくて、いつもより長めに歩いたらこころがすこしすっきりした。
すこしずつ、溜まった仕事を進めていこう。
ふと作業部屋の窓を開けていたら、おじいちゃんちの匂いがした。
そういえば今日は節分なので、近くのコンビニへ巻き寿司を買いに行く。
一緒に、何かを買いにいこうと思っていたのに、全然思い出せない。
買ってきた恵方巻きを食べながら、いぬの健康・長生きと、自分や家族の幸せを祈りました。
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2022/02/04
金曜日
9時ごろ、だらだらと起きてくる。
今週、全く朝がだめです。
なんだか夜しっかりと眠れなくて。
今日は朝から午後にかけて、2本新しい仕事の打ち合わせをリモートでする。
どちらもすごくたのしみだし、頑張りたい。
ここ数週間、ある仕事でこころがかなり参ってしまっていて、それが生活にも響いてしまっている感じ(Twitterに思わずダダ漏れてしまうくらい。良くないね)。
わたしの力不足や、経験値不足のせいだとも思えるのだけれど、やはり「イラストレーター」という立場の、さまざまな人の価値観ってあるんだなあと感じています。
わたしはイラストレーターだって、1人の作家であるし、作風もあるものだと思っている。
そこで、自分の作風とはまったくちがうものを要求された時に「わたしに頼まない方がいいんじゃないかい?」と思うことがたまーーーーーに、ある。
「イラストレーターだから、やれるでしょ?」って、言われる。
うーーーーん。
そういった仕事に対してしまった場合は、こころをロボット化して「承知いたしました」しか言わないマシーンになる。
会社で勤めていた時にはままあって、それが嫌でフリーランスになったのだよなあ。
わがままだとか、贅沢だとか言われようが、まっすぐ必要としていただける方と仕事をしたい。
便利に時間や体力、精神力の消費をされないように、じぶんでじぶんを守らないといけない。
そういう大人が、たまにいるので。
今も、ほんとうにひとに恵まれた環境で仕事をいただいたり、展示をさせていただいたりしているから、余計むかっとするのだな。
うーーーーん。
と、日々悶々としながら、いぬの散歩をしたりしていたのだけれど、結構周りの絵描きの知り合いたちもいろいろと悩まれているようだったので(SNSなどをみて)、そういう星回りなのかもしれないと思うことにしました。
気分転換に、色鉛筆でスケッチをしたり3月の個展の制作をしていたら、いい感じの色が出た。
夜、仕事は終わりにして久しぶりに映画を見る。
美大予備校の夏期講習に通う高校生の女の子が出てくる話で、ああ、わかるなあと思いながら、10年くらい前の自分のことも思い出していた。
秋にパークと一緒に作ったバッグを撮影してもらった、細谷さんのグッズが映画に出てきたのでびっくりした。美術もご飯のスタイリングもすごーく良かった。
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2022/02/05
土曜日
今日は久しぶりに朝から出かけることにする。
パークで開かれている企画展を覗きに行きつつ、来週の京都の個展でイベントをやってもらうクラフトコーラアワーの鯉淵くんと最後の打ち合わせに。
1ヶ月ぶりくらいに東京へ出かけるので、すこしそわそわ、わくわくした。
パークでは、ほとんどいのうえさんとただおしゃべりするだけみたいになってしまったけれど、他の作家さんの作品たちを観れてよかった。
その後は上野のROUTE BOOKSで打ち合わせ。
前に住んでいた家から近くて、たまに歩いて通っていた場所。
とにかく選書が好きで、積読ばかりになるのにいつも何かしら抱えて帰っていった。
すごく久しぶりに入った店内は、お茶するカップルやパソコンで作業をしている人などでかなり賑わっていた。びっくり。前はもう少し穏やかな印象があったので。
置いてある本は、相変わらずどれもすごく気になって、ずっと眺めていたいような。
鯉淵くんが来るまで少し時間があったので、3冊買ってしまいました。
ちょうど席も空いたので、コーヒーとパンを買ってゆっくり待ちながらパラパラと読む。
本を読む余裕がなかった日々だったけれど、買って、ちょっと開くだけでほっとする。
Kindleも便利だけれど、やっぱり物質としての本が好きだなあ。
鯉淵くんがきてからは、京都でのイベントのことや、仕事のこと、最近ハマっているもののことなどで盛り上がってしまい、気づいたらすっかり夜になってしまった。
友だちと話すのってやっぱり楽しい〜。
最近1人でぐっと篭もるか、知らない人たちと話すことが多かったので。
来週、すんごくたのしみ。
どうか、コロナがすこしでもおさまっていますように。
ここ最近の仕事で、自信をすっかり無くしてしまっていたのだけれど、友だちと話すことですこし元気になりました。
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