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【 完結 】 COLLECTIVE 2022 レビュー

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE…
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#フォトジン

COLLECTIVE レビュー #57 MIYA『明日も良い!』(東京都)

パークは台湾となにかと縁がある。旅行先としてシンプルに好きだというのはもちろんなんだけれど、パークのディレクターの加藤は(ぼくは)2011年~2012年に、台湾を拠点に日本でもブームを巻き起こしたオルタナティブバンド「透明雑誌」のジャパンツアーを手がけたメンバーのひとりでもある。透明雑誌とその仲間たちとの交流が、その後の台湾とのカルチャー的な交流を活性化させた。   透明雑誌は活動休止してしまっているけれど、現在メンバーはそれぞれ、台北のユースカルチャーを牽引する2つのストア

COLLECTIVE レビュー #52 Nobu Tanaka『みんなの思い出』(東京都)

もう10年以上も前、色の褪せた「レトロ」なことよりもヴィヴィッドでキラキラした「アーバン」なことが求められた時代、デジタルカメラ勢に押され、静かに「製造販売終了」を待つだけだった「写ルンです」を街中のカメラ屋からかき集めて、友人たちと、行く先々のパーティや旅行をひたすら撮影していたことがあった。街の在庫では足らず FUJIFILM の本社に赴き「写ルンですをください」と頼んでみたら「こんなのもう誰も使わないから」とでも言うかのように、たくさんの在庫をくれた。呼吸するかのように

COLLECTIVE レビュー #48 Atsushi Sen『hollow』(福井県)

前回のレビューで「ZINEって買うって決めた時がピークだよね」と言っていた友人の話をした。帰ってゆっくり読もうと思うことはもちろんあるんだけれど、なかなか帰ったら読まないよねと、話してた。でも、店頭で、ZINE に触れた瞬間に、「ピン」とくることがある。   「持っておくべきだ」   という力が働く。これがほしかったとか、この部分に感動した、とか、そういった心の動きではなく、ほぼ衝動的に、もしくはある種のしたたかな感情をもって、手元にアーカイブしたい、本棚の肥やしにしたいと思

COLLECTIVE レビュー #34 Jasminum『おんなの子』(兵庫県)

今年の COLLECTIVE は写真の ZINE 、つまり PHOTO ZINE が豊作で、どれもいい。これはパークに訪れた数人の写真家が証言している。ぼくもそう思う。感動するようなものは正直ないけれど、ZINE だしそれはいい。ZINE という枠の中で、精一杯ならそれでいい。何度も言うけれど、この SNS 時代に、ずっしりと重く立派な写真集を出版して偉そうにしている写真家よりも、リラックスしながら自分らしいと思える ZINE をライトにコンスタントに作ってファンやマスに届け